楽だけどちょっと心配…小学校高学年で親のまるつけがなくなる理由とは?
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高学年になるとまるつけは「自分で」という方針に変わる学校も多いかと思います。手が離れて嬉しい反面、一人で大丈夫? 正しく○×を判断できている? という新たなご心配も生まれますね。高学年のまるつけは、おうちでどのようにフォローするのがよいでしょうか。
(赤ペン先生 河原)
「自分で」まるつけするのは「客観性」を育てるため
私自身、子どもが小学校4年生になったとき「宿題のまるつけ」という役割が突然なくなって衝撃を受けたのを覚えています。
「ほんとにやらなくていいの?」と何度も子どもに念を押し、母仲間にも確かめ、「どうやら親のサイン欄が無いらしいよ」と気づいた人がいて、やっと子どもが「自分で」まるつけしていいのだという認識に至りました。
なぜ高学年になったら、自分でまるつけをしたほうがよいのでしょうか。それは「自分自身を客観的に見る力」を育てるためなのだと、私は後になって知りました。
問題を解いて、自分の出した答えが○なのか×なのかと考えることは、一歩離れたところから「客観的に」自分自身を振り返ることに通じます。
自分を客観視する力のことを難しい言葉では「メタ認知」というそうです。「メタ認知」の力を高めることで、子どもたちは「今はこうだから、次はどうしたらよいか」と考え、自分で物事を進めていけるようになります。客観性を育て、主体的な行動につなげる。「自分でまるつけ」には、こんな意図があったのです。
○なのか×なのかと悩むことが成長につながります
○×を判断するのは、大人でも難しく感じることがあります。答えが一つしかない問題は別ですが、答え方が何通りもあったり、記述問題のように「このような意味を書いていればOK」という場合だったりすると、私たち「赤ペン」先生でも頭を抱えることはしょっちゅう。
ですから「自分でまるつけ」を始めたばかりのお子さまが、○なのか×なのか、あるいは△なのかをすぐに見極められないとしても当然のことといえるのです。
大切なのは、正しく判断できるかどうかよりも、自分の答えとくらべてどうなのかを考えること。迷い、悩むことがお子さまを成長させるのだと思います。お子さまが判断に迷っていたら、「これは○だよ」「これは×だよ」と正解を教える前に、どんなところを迷っているのか聞いてあげて、考えの整理を手伝ってあげるとよいでしょう。
まるつけ後の「見直し・解き直し」を行っているかフォロー
まるつけは「見直し・解き直し」のための目印。印をつけただけで終わってしまったらもったいないのですが、×がつくとやる気が下がり、「見直しなんて面倒」という気分になってしまうお子さまも意外と多いのです。
「×のところが力の伸ばしどころだよ」と改めて教え、「×がついても解き直したら大丈夫!」と明るく励ましてあげましょう。
おすすめしたいのは、解き直した問題について「なぜ間違えて、どのように考え直したら正解になったか」という「見直しの過程」を時々お子さまに説明してもらうことです。
説明を聞き終わったら「よく正解にたどりつけたね、すごい!」「説明がわかりやすかったよ!」と思いっきりほめてみてください。次はお子さま自ら「聞いて聞いて!」とプレゼンしに来てくれるかもしれませんよ。
まとめ & 実践 TIPS
小学校高学年のお子さまはきっと、迷いながらまるつけしているはずです。お子さまが悩んでいたら「どんなふうに考えたのか」を言葉にしてもらったうえでアドバイスしてあげるとよいでしょう。
さらに、「まるつけ」と「見直し・解き直し」をセットで習慣化できるように、ご家庭でフォローしてあげるのがよいと思います。
「自分でまるつけ」を通して、お子さまは自分自身を見つめる力をトレーニングしています。お子さまの力が少しずつ伸びていくのを見守るのは、おうちのかたにとっても嬉しく楽しい道のりとなるのではないでしょうか。
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