勉強を習慣化するコツを知れば「勉強いつするの?」と言わずに済む!?習慣化のプロに聞きました

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「宿題は終わったの?」「ドリルはどこまでやった?」—こういった声かけは、多くのご家庭でお子さんにされていると思います。
「毎日同じことを言ってばかり。宿題や勉強もうまく習慣化できたらいいのに」そう思われたことはありませんか?
習慣化コンサルタントの古川武士さんに「勉強を習慣化するコツ」について、お話を伺いました。

この記事のポイント

習慣化の王道であり、一番大事なこと
それは《始める》

 子どもの性格・タイプによって、どういった習慣化が向いているかは違います。勉強でいえば、分散してコツコツやるタイプなのか、一気に集中して仕上げるタイプなのか。その性格・タイプの違いを理解したほうがいいという前提のうえで、「習慣化のコツ」についてお話ししていきます。

 習慣化のコツにはいろいろありますが、その中での一番、王道というのは、「ベイビーステップ」から始めるということです。「ベイビーステップ」とは、どんなに小さくてもいいので「最初の一歩」を踏み出すこと。始めることが、何よりも大事です。
 大人でも同じですが、たとえばジョギングを始めようと思った時に、「今日は雨が降りそうだな」「ちょっと体調が悪いかも」……何かと理由をつけて、最初の一歩が踏み出せないということはありませんか。
 人は「いつも通りではないことを排除する」ということを無意識にしています。そのため、習慣化するには、いつも通りではないという抵抗感に勝ち、やらなくてはいけないこと(やりたいこと)を行動の中にプログラミングしていく必要があります。やり始める→やっていくうちに段々と馴染んでいく→やることが普通になる→やらないと落ち着かない……この流れが習慣化です。
 子どもの性格・タイプはあると思いますが、どんな子どもでも、習慣化するにはこの小さな一歩、ベイビーステップから始めるということは変わらないと思います。

習慣化のポイント① ベイビーステップを踏み出す

あれもこれもだから、面倒になる
「完了・完成」にとらわれない

 夏休みの宿題を思い浮かべてください。
 子どもが宿題をなかなか進められないというご家庭でも、子どもは何もやらないわけではなくて、やりたいもの、やりたくないものがあるはずです。しかし量がたくさんあるので、結局面倒くさくなって、終わっていない……という状態ではないでしょうか。あれもこれもたくさんあると、大人だって面倒になりますよね。そういった時には、「算数のドリルならできる」、「好きな教科のこの単元だったらできる」とか。宿題全部ではなくて、崩せるところを見つけていくことが大事です。

 親のよくないところは恐らく、「完了・完成」までを意識しすぎてしまうところ。
 つまり、最初から「終わりまでやる」ということを考えてしまうので、話が大きくなり、子どもも「そんなにはできない、やりたくない」と思ってしまうのです。
 今の子どもはゲームや動画など、誘惑もたくさんあるでしょう。そのなかで、なかなか勉強に向かいづらいという時こそ、完了・完成ではなく、「最初の一歩」を大事にしましょう。

 「学校から帰ってきたら、ランドセルを置く。そして宿題のページを開く」。ベイビーステップとしては、これでも十分です。宿題をやるのではなく、とりあえず宿題のページを開く。「それだけでいいの?」と思われるかもしれませんが、そこまでやってしまうと、後から意外と手がつけやすくなります。踏み出さなければ0ですが、踏み出すことによって次の着手が格段にしやすくなるのです。

習慣化のポイント②完成よりも最初の取りかかりを優先する

プロセスもしっかりほめること
ポジティブなフィードバックが大切

 習慣化の最初の1週間は、「ランドセルから宿題を出して、とりあえず宿題のページを開いておく」。その習慣がついたら、5分だけやってみる、というのを次はやってみるといいと思います。そして5分できたら、できたことを親に伝えてもらうのがよいでしょう。子どもは親に認められたいと思うものであり、《親からほめられること》は、自己肯定感を育てるという意味でも、とても大切です。またおうちのかたは、ほめる時は結果だけでなく、そのプロセスもほめてあげてほしいと思います。結果がうまくいかなかったとしても、そのプロセスをほめてもらえることで、「僕(私)はできるかも」という気持ちがわき、次のやる気になるのです。

 1ヵ月、30日間毎日取り組めば、「家に帰る→ランドセルを置く→宿題のページを開く→5分やる→おうちのかたに見せる→ほめてもらう」という行動パターンまでは習慣化ができると思います。
 習慣化は、最初のこの行動を習慣づけることが最も難しいので、おうちのかたは、子どもの行動に対して、ポジティブな承認、フィードバックをしてあげてください。具体的には前向きな言葉で、否定的なことは言わずにほめることです。そうすることで、子どもの「承認欲求」は満たされ、自信がやる気になり、習慣化を継続しやすくなります。

習慣化のポイント③ 行動できたら、すぐにほめる

やったことを《見える化》して
次のモチベ—ションにつなげる

 習慣化するうえでは、《記録を取る》というやり方も効果的です。
 夏休みにラジオ体操に行って、カードにハンコがたまっていくとうれしくなって、明日も行こう! という行動につながったことはありませんか? 《見える化》をするというのは、習慣化するうえで、重要な要素の一つです。
 試しに30日間、「今日の宿題は〇〇。5分間できたか」ということを書いて、できたらハンコを押すというのをやってみてはどうでしょうか。大事なことは、クセをつけることです。クセがつくと、頭と体が《パターン》として覚えていきます。
 勉強時間を5分から15分に増やすことは、「やらない」から「やる」に行動を変えるよりも、きっと難しくないと思います。お子さんと一緒に、まずは5分でも習慣化していくことが大事だと思います。

習慣化のポイント④ 見える化することで、パターンを作る

まとめ & 実践 TIPS

「宿題終わったの?」「全部やった?」……こういった、終わりのことばかりを意識した言葉では、毎日言っていたとしても、子どもの習慣化にはあまり役立たず、モチベーションも上がらないことがわかりました。ベイビーステップを大切に、少しずつ習慣を積み上げていきましょう。

プロフィール

古川武士

古川武士(ふるかわ たけし)

習慣化コンサルティング株式会社 代表取締役
「続ける習慣」をテーマに、オリジナルの習慣化理論・技術をもとに個人、企業への行動定着支援を行っている。著書は22冊、95万部超え。海外でも大好評。
近著に『書く瞑想』を出版。発売から一週間経たないうちに、即重版が決定。

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