テスト前日、時間がない! 『最強脳』精神科医に聞いた勉強の集中力をあげる簡単な方法

「体を動かしたほうが良い」と知ってはいるものの、「スポーツは苦手……」などやらない理由を探してしまうことがあります。子どもたちが声をあげて走り回れる場所も減り、習い事で忙しく時間がないことも。でも、運動には体を健康にするほか、気分を良くし、記憶力や集中力を高める効果があるのをご存じでしょうか。

運動することで脳はレベルアップし、ストレスに強くなります。そう聞いても「スポーツが苦手な人には効果がない?」「テスト直前は無理」など、どう運動したらいいのかわからないことがあると思います。そこで、スウェーデンの精神科医アンデシュ・ハンセン先生に、脳をきたえる運動とは実際どのようなものなのかを聞いてみました。

成績が上がってゲームも上手になる方法。『スマホ脳』のハンセン先生が日本の子どもたちにアドバイス

この記事のポイント

脳をきたえるための運動でランクを競う必要はない


疑問1:スポーツが苦手でも運動することで脳に効果はある?


ハンセン先生の著書『一流の頭脳』『スマホ脳』では、脳の報酬系の仕組みと運動の効果がわかりやすく解説されています。成績向上と運動の関連性が広く知られるようになり、親子向けに書かれた『最強脳「スマホ脳」ハンセン先生の特別授業』はスウェーデンの生徒10万人以上に配られました。

運動によって脳をより良く変えることができると聞き、元々運動が得意な人は「もっと運動しよう!」とやる気になることでしょう。でも、運動に苦手意識がある人は「スポーツが下手だと脳をきたえられないのかな……」と消極的になってしまうかもしれません。

ハンセン先生は「まず大きなポイントとして、運動をいわゆる《スポーツ》と考えないでほしい」と言います。

「『最強脳』では《体を動かすこと》をどう呼ぶか悩んで、シンプルに《運動》にしました。脳をきたえ、学力を上げるための運動にはサッカーチームに所属するとかテニス選手になるといったことは必要ありません。何の運動をするかは重要ではなく、自分の好きな運動で今よりも脳の働きを良くできることがわかっています。スポーツが苦手な人でもまったく問題ありません」

集中力UPなら、宿題の前に運動を


疑問2:スケートボードと宿題。どちらを先にやれば学習効果が高い?


「運動をするといつもより少し頭が冴えて、集中できるようになります。運動によって集中力はすぐに上がり、運動後1時間から数時間続きます。継続的に運動すると集中できる時間も長くなっていきます」とハンセン先生。

子どもたちは「まず学校の宿題、遊ぶのは宿題のあと!」と言われることが多いです。でも、たとえばスケートボードなど体を動かす遊びであれば、先に遊んだほうが宿題に集中できるのでしょうか。

「脳の見地からすると、スケートボードで遊んでから宿題をするほうが学習効果を期待できます。運動したことで脳が情報を受け取りやすい状態になっているからです。ただ、遊ぶのが楽しくてやめられず、宿題をする時間がなくなってしまうことはまた別の問題になりますね」

時間の管理は必要ですが、遊びと勉強の順番を意識することで、日々の学習効率を上げられるかもしれません。

テスト直前。時間がなくてもウォーキング?


疑問3:テスト前日で時間がないとき、学習効果を高めるおすすめの運動は何?


テストの時強い味方になる記憶力も、運動でレベルアップすることができます。覚えたことが長期記憶として定着するのは1日たったころ。テスト勉強は前日ではなく数日前から取りかかる必要がありそうです。とはいえ、準備不足でテスト前日を迎え、時間が足りない時にも運動は有効でしょうか。有効であればどんな運動がおすすめか、ハンセン先生に聞きました。

「そんな時は勉強前に早足で15~20分歩くことをおすすめします。脈拍が少し上がるくらいだと良いですが、上がらなくても大丈夫。早足で歩いたあとすぐに勉強すると、より多く学べます。

ふだんの運動で記憶力を良くするには、週に最低3回30分くらい運動してください。歩くだけでも効果がありますが、少しドキドキするくらいのほうが記憶力にとっては効果があります。1か月以上定期的な運動を続けると、効果が1日中続くようになります」

体を動かして、学校の勉強を楽に

暗記ものは歩きながら覚えるのも手だそう。「脳のきたえたい場所によって、運動の種類も少しずつ変わりますが、集中力のために30分走ったあと、記憶力のために30分余計に走る必要はありません。30分走るだけで両方に効果があります。10歳の子どもたちを調査した研究では、4分間運動しただけでその後1時間集中力が高まりました」とハンセン先生。

たった4分で効果があるなら、短い休み時間でも体を動かし、その後の授業での集中力UPを期待したいところです。集中力を上げるための運動として、へとへとに疲れ切ってしまうようでは負荷が高すぎます。また、毎日体を動かしている子どものほうがストレスに強いこともわかっているそうです。

「運動をすることで知識量が増えるわけではありませんが、脳のレベルアップができて学校の勉強が楽になります。人生において、事実を覚えるような勉強や単調な宿題はつまらないこともありますが、大事なことです。何でもWikipediaで調べるわけにもいかないですし、自分自身で事実を覚えて取り込むことは必ず役に立ちます。楽しく運動することはそんな勉強を手助けしてくれます

まとめ & 実践 TIPS

「4分間でも効果あり」「集中力を高めたいならまず運動」などを覚えておけば日々の時間の使い方も変わり、勉強や仕事を効率良く進められるかもしれません。私たちの脳はいつでも変えることができます。脳のレベルアップのためにも、ちょっとした運動からぜひ始めてみましょう。

通訳/久山葉子 イラスト・執筆/樋口かおる


第1回:成績が上がってゲームも上手になる方法。『スマホ脳』のハンセン先生が日本の子どもたちにアドバイス

第3回:『スマホ脳』ハンセン先生に聞く。子どもとデジタルデバイスの付き合い方、どうしたらいい?

『最強脳—「スマホ脳」ハンセン先生の特別授業—』(アンデシュ・ハンセン著、久山葉子訳/新潮社刊)

世界的ベストセラー『スマホ脳』のハンセン先生が教える、脳をレベルアップする簡単な方法。幸せな気持ちになり、集中力・記憶力を上げるレシピを伝授

プロフィール

アンデシュ・ハンセン

アンデシュ・ハンセン

Anders Hansen。精神科医。ノーベル賞選定で知られる名門カロリンスカ医科大学を卒業後、ストックホルム商科大学にて経営学修士(MBA)を取得。2021年10月現在は王家が名誉院長を務めるストックホルムのソフィアヘメット病院に勤務しながら執筆活動を行う傍ら、有名テレビ番組でナビゲーターを務めるなど積極的にメディア活動も続ける。『一流の頭脳』が人口1000万人のスウェーデンで60万部が売れ、その後世界的ベストセラーに。前作『スマホ脳』は日本でも爆発的なヒットとなった。

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