子どもの力を伸ばす効果的な勉強法とは? 「計画立て」と「振り返り」

4月はお子さまが新学期や進級を向かえ、勉強方法について改めて考えておきたい時期でしょう。しかし、勉強方法に悩む保護者の方も少なくありません。そこで、ベネッセ教育総合研究所の邵勤風が調査結果から見えた効果的な勉強方法をご紹介します。

この記事のポイント

成績上位とそれ以外の子どもの違いとは?

「どうしたら子どもの成績が伸びるのだろう」と悩んでいる保護者の方は少なくありません。では、成績上位の子と伸び悩んでいる子とでは、どのような違いがあるのでしょうか。調査の結果からは、両者には大きく4つの違いがあることがわかりました。

成績上位とそれ以外の子との違い

  • (1)自分から学ぼうとする意欲 
  • (2)自分の学習を客観視するメタ認知力
  • (3)学習時間
  • (4)勉強方法

この中で、「自分から学ぼうとする意欲」と「自分の学習を客観視するメタ認知力」は、一朝一夕で養えるものではないように思います。

また、3番目に挙げた「勉強時間」の確保は、とても大事なことです。我々の調査結果を見ると、平均学習時間より短い子は、成績が下位や中位のほうが成績上位より多いことが明らかになっています。したがって、成績が芳しくない時、まず一定の学習時間を確保することが大切です。

今回は、4つめに挙げた「勉強方法」に着目をしてご紹介していきます。勉強方法は、今日からでも変えることができるものです。ぜひ、お子さまの学習に生かしてみてください。

成績アップのポイントは「計画立て」と「振り返り」

調査の中で、「成績が上位で学習時間が平均より短い」子と「成績が下位で学習時間は平均より長い」子の違いに注目し、効果的な勉強方法を確認しました(※)。「成績が上位で学習時間が平均より短い」子は、短い時間で成果につながる勉強の仕方をしているということが分かります。

調査の結果見えてきたポイントは、成績上位の子どもは「計画立て」と「振り返り」がきちんとできていることでした。

計画(目標)→学習→成果(テストの成績など)→振り返り(見直し)→次の計画(目標)という学習サイクルのうち、最初の「計画立て」と最後の「振り返り(見直し)」に注目し、具体的な計画の立て方、振り返りや見直しの仕方についてご紹介したいと思います。

(図)成績と平均勉強時間から見えた効果的な勉強方法

※「よくある」+「ときどきある」の%。
※「勉強の計画をたてる」については、「たてる」の比率を示している。

まず、「計画立ての方法」には、3つのポイントがありました。

1.実現できる計画を立てる

計画立てを小学低学年の子どもに任せきりにしておくと、1日ではとてもこなしきれない学習量を詰め込んでいるようなことがあります。それでは実行できる計画にはなりません。
さらに、立てた計画を達成できないことで、子どもの意欲が下がってしまう可能性もあります。

低学年の場合には、「今週はどこまでできそうかな?」など、保護者の方が子どもと一緒に計画を立てたほうがよいかもしれません。一緒に立てた計画をきちんと実現できると、子どもの意欲を高めることができます。

2.具体的に計画を立てる

「1時間くらい国語を勉強する」「夕飯を食べ終わったら算数の学習」など、大雑把な計画となっていないかという点も気をつけましょう。計画は具体的に立てることが大切です。

「夕方5時から算数の計算ドリルを2ページ進める」といったように、具体的にかかる時間などをイメージしながら、計画を立ててみるとよいですね。

3.常に計画の見直しをする

計画を立てても、実行してみると計画通りにいかないこともしばしばあるかと思います。そんなお子さまの姿を見て、「なんでできないの!」と責めたくなってしまうこともあるかもしれませんが、そもそも計画内容に無理があるのかもしれないと考える必要があります。

計画を立てた後、勉強の進み具合を確認して、うまくいかない部分があったら、その都度見直し、修正を加えるようにしましょう。

続いて、振り返りのポイントをご紹介しましょう。

1.(正解でも)必ず見直しをする

テストなどの結果が返ってきたら、必ず見直しをしましょう。そして、答えが合っているかを確認するだけではなく、きちんと「どうやって解くのか」という解き方を考え、確認しながら、見直しをすることが大切です。たとえ、正解でもどうして解くことができたのかを改めて確認したり、別の解き方を考えたりすることで、学んだことがより定着します。

2.まず自分で考える時間をつくる

テストなどで間違えた問題について、すぐ答えや解き方を確認するより、まず自分で考える時間を作りましょう。考えてもわからなかったら、「お父さんお母さんや保護者や学校の先生、友達に聞いてみてね」と促すとよいでしょう。子どもの年齢にもよりますが、自分で考えることと周囲からの支援のバランスが大切です。

3.見直しに必要な教材を再度確認する

自分で考えた後には、もう一度教科書に立ち戻り、読み返してみるなど、見直しに必要な教材を再度確認しましょう。小学校低学年でどのように見直しをしたらよいかわからない場合には、保護者の方から「この問題は、どこに書いてあったっけ?」などノートや教科書を開かせるような声かけをすることも有効でしょう。

自分に合った勉強法を見つけていこう

計画立てと見直しを軸にした学習サイクルをつくったうえで、自分に合った勉強方法を見つけていくこともとても重要です。自分なりの学び方をしていく中で、得意意識をもったり教科ならではの楽しさを見いだしたりすることができるようになっていきます。

調査結果から、勉強方法を工夫した子は以下の5つの効果を実感しています。

  • (1)勉強の内容が理解できるようになった
  • (2)やればできると自信がついた
  • (3)問題を解くスピードが速くなった
  • (4)成績が上がった
  • (5)やる気が上がった

お子さまが勉強方法を工夫したら、ぜひどういう効果を感じたかを聞いてみてください。言葉にして表現することも、より意識して勉強方法を活用するにつながります。

まとめ & 実践 TIPS

今回は学習サイクルのうち、最初の計画だてと最後の振り返りに焦点を当てて、具体的な学習方法について伝えてきました。

「計画立て」では、(1)実現できる計画を立てる、(2)具体的に計画を立てる、(3)常に計画の見直しをするということを大事にしましょう。

「振り返り」では、(1)(正解でも)必ず見直しをする、(2)まず自分で考える時間をつくる、(3)見直しに必要な教材を再度確認することが重要です。

ぜひ計画だてや振り返りを含めて勉強方法を工夫してみてください。うまく成績などの学習成果につながっていくとよいですね。


※成績上位・中位・下位と、平均学習時間より短い・長いとをクロス集計し、「成績上位で平均学習時間より短い」「成績上位で平均学習時間より長い」「成績中位で平均学習時間より短い」「成績中位で平均学習時間より長い」「成績下位で平均学習時間より短い」「成績下位で平均学習時間より長い」という6つのタイプを抽出。そのカテゴリの中から、「成績が上位で学習時間が平均より短い」と「成績が下位で学習時間は平均より長い」に注目した。

出典:
ベネッセ教育総合研究所「小学高学年の学びに関する調査2019」
https://berd.benesse.jp/shotouchutou/research/detail1.php?id=5474

ベネッセ教育総合研究所の教育研究知見を元にした子育て・学びに関する記事一覧
https://benesse.jp/special/berd.html

プロフィール

邵 勤風(しょう きんふう)

ベネッセ教育総合研究所 学び・生活研究室 主任研究員。初等中等教育領域を中心に、子ども、保護者、教員を対象とした意識や実態の調査研究に多数携わる。
これまで担当した主な調査は、「学習基本調査・国際6都市調査」(2006年~2007年)、「第3回子育て生活基本調査」(2007年~2008年)、「小学高学年の学びに関する調査2019」など。近年、子どもの主体的な学びを支える学び方や周囲の支援に関心を持ち、学び方に関する理論研究や実証研究に取り組んでいる。

プロフィール

ベネッセ教育総合研究所

株式会社ベネッセコーポレーションの教育、調査、研究機関です。子ども、保護者、先生、学校などを対象に、教育に関連する調査、研究を行い、その研究成果や調査報告書、各種データを無償で公開しています。

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