算数・数学の「思考力問題」が解けるようになるには?対策のポイントを解説
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近年ますます出題が増えていると言われる思考力問題、これを解く力を身につけておかなければと思うけれど、「思考力」ってどんな力なんだろう、うちの子にはどう対策させればいいんだろう、と悩まれてはいませんか? 今回は、算数・数学で問われる「思考力」やその対策のポイントをお伝えします。
そもそも「算数・数学の思考力」って何? ⇒ スタート地点はココ!
「思考力」は読んで字のごとく「思考する力」ですが、入試で問われているのは「論理的に考える力」、すなわち「根拠」を筋道立てて「結論」を導き出す力です。入試での「根拠」は問題に示されている情報とそれに関係する知識で、「結論」は、解答すべきことになります。思考力問題を解くポイントは、問題の中から必要な情報を見つけ出し、知識と組み合わせること。それって、今までの問題と変わらないのではと思われるかもしれません。ただ、これまでと違うのは、以下のような点です。
- 「問題に示されている情報を見つけるところに一手間かかる」
解答に必要な情報を見つけるには、「問題を読み解く力=読解力」が必要になりますが、算数や数学では、国語のように、「作者の心情を読み解く」や「作者の言いたいことを見つける」とは、ちょっと違います。見つけるべき情報は、「必ず知識とつながる」ことがポイントです。
基礎・基本をしっかり身に付けることが大前提!
算数・数学の「知識」とは、計算のきまりや法則、定理といった、基礎・基本の事項になります。これがしっかりと身に付いて初めて、「問題に示されている情報を見つける」ことができます。具体的な例を挙げてみていきましょう。
- 「2つの直線が平行」→「同位角、錯角が等しい」
高校入試ではよく出てくる内容で、問題文には「2つの直線が平行」としか書かれていなかったりします。しかし、この1文には、平行線と交わる直線でできる角、同位角や錯角が等しいことも、示されているわけです。このことに気付くには、「2つの直線が平行」とくれば「同位角」や「錯角」が関係すると見抜ける力が必要です。
- 計算の文章題では「読み替え」
算数の問題で説明します。「Aさんは5枚のカードを持っています。Bさんから4枚のカードをもらいました。Aさんのカードは合わせて何枚になりましたか。」この問題の場合、「合わせて」を「たして」に読み替えて、たし算にして計算します。このように、算数・数学で使う言葉や式への読み替えは、必ず出てきます。
実際の問題では、いろいろな情報が隠されていたり、つけ加えられたり、表現が変わったりしているので、それを見つけられるようにするためにも、基礎・基本をしっかり身に付けることが大前提です。
情報を見つけることと筋道を立てるには「関係づけ」が大切!
さらなるポイントは、「関係づける」ことです。
- 基礎・基本は、バラバラに身に付けるのではなく、AならばB、BならばCと「関係づける」
先ほどの同位角・錯角の例にもあるように、「平行」という情報には、同位角・錯角だけでなく、平行四辺形の性質や平行線と比の定理など、関連する内容がいろいろとあります。
これらを、バラバラに覚えただけでは、「問題から情報を見つけること」、さらに「結論」への「筋道を立てること」は難しくなってしまいます。基礎・基本の知識を「関係づける」ことで、この2つの作業のハードルがぐっと下がります。
ハードルが下がることで、最初にお話しした、「問題に示されている情報を見つけるところに一手間かかる」の「一手間」が易しくなっていくのです。
では、どのようにすれば、上手に「関係づける」ことができるようになるのでしょう。1つは、基礎・基本の知識を「まとめる」ことです。例えば、「平行ときたら〇〇、△△、□□・・・」と、1つのキーワードに関連する知識をつなげて、まとめてみることです。このとき、「〇〇ときたら平行」のように「逆向き」についても確認していくと、さらによいでしょう。これを積み重ねていくと、どんどん知識が整理・整頓されて、「関係が見えてくる」ようになり「関係づける」力がついてきます。
力をつける「模範解答」「解説」の活用術
知識が整理・整頓されて、「一手間」が易しくなっても、実際の問題に取り組んでいくと、難しいと感じることもあるかもしれません。そんなときは、模範解答や解説を見るのではないかと思いますが、このときにどう行動するかが大きな分かれ目になります。
単に模範解答を見て、〇×で終わらせず、模範解答や解説から、「自分が気付けなかった情報(・条件)」と「筋道からはずれてしまったところ」はどこかを明らかにすることをお子さまに勧めてください。そこを知ることが、基礎・基本の定着、さらに「関係づけ」の最高の機会となります。また、お子さまと一緒に考えてあげることも励みになります。問題集や参考書は、解説が詳しいものから使うようにするのがよいですが、詳しくないものであっても、省かれている部分がどうなっているか考えながら使うことで、力を付けていくこともできます。
- 模範解答や解説で、自分の見つけられなかった情報や筋道を確認する!
まとめ & 実践 TIPS
いかがでしたか? 今回は「算数・数学の思考力問題を解く力」をテーマにお話をしましたが、いきなり「思考力」にいくのではなく、「基礎・基本をしっかり身に付けること」「基礎・基本を関係づけること」が、「思考力問題を解く」うえでとても大切です。これは、これまでと大きく変わったことではありません。しかし、これまで以上に大切なことになってきたと言えるでしょう。時間がかかるように思えるかもしれませんが、1つずつ積み重ねていくよう、お子さまにアドバイスしつつ、共に歩いていってください。
株式会社プランディット 編集事業部 数学課 二宮
前職では幼稚園教諭の養成に携わり、編集プロダクションの株式会社プランディットで、小学校から高校向けの算数・数学、理科の教材編集を担当。
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