教育系YouTuber市岡元気先生に聞く、子どもが理科に興味を持つ方法

小学3年生から始まる「理科」。「実験が楽しい!」「覚えることが多くて苦手」と子どもたちの好き嫌いが分かれる科目です。また、「聞かれても教えられない……」と苦手意識を持つ保護者も多いのではないでしょうか。

YouTubeチャンネル「GENKI LABO」の登録者数は41.4万人(2021年11月現在)、『おうちでできるオモシロ実験!』(講談社)では身近な材料でできる実験を紹介。子どもも大人も夢中になる「科学実験」を次々と生み出す市岡元気先生に「子どもたちが理科を好きになるには?」「元気先生の実験がワクワクする秘密」を伺いました。本格的に難しくなる前に、親子で理科の苦手意識をなくしていきましょう。

この記事のポイント

苦手意識を持つ前に、身近なものと「理科」を結び付けて

──「子どもに理科好きになってほしいけれど、自分が苦手で教えられる自信がない」という保護者の声を聞くことがあります。

市岡元気先生(以下元気先生):苦手意識がある保護者のかたもいますが、実は理科が好き、特に実験が大好きな子はとても多いです。理科が苦手な子は中学生くらいから増えてくる気がしています。

まずは「理科」をひとくくりに《理系の勉強》ととらえないことから始めてみましょう。「理科」は僕らの生活にいちばん密着した科目。子どもたちが大好きな恐竜や化石ロケットやロボットも全部理科と関わっています。猫を飼っている家庭なら、猫に詳しくなることで理科の「生物」が学べますよね。

──元気先生の実験のように、子どもに理科に興味を持ってもらうにはどうしたらよいでしょうか。

元気先生:YouTubeチャンネル「GENKI LABO」や『おうちでできるオモシロ実験!』では、まずは視聴者や読者に興味を持ってもらうことを一番に考えています。僕や実験に興味がなくても、その時はやっている話題であれば、気にしてもらえるかもしれません。アニメや漫画など、その子の好きなものと理科を関連付けられるとよいですね。

実験好きじゃなくても、好きなものと組み合わせれば興味を持てる

──『おうちでできるオモシロ実験!』では、食パンを使った「暗号パン」が紹介されています。普段おうちにあるものを使うことで、理科が身近に感じられそうですね。とはいえ、教室で習う「理科」は生活と結び付けにくいかもしれません。

元気先生:そうですね。「カルメ焼き」ってご存じですか? 教科書には昔からずっとカルメ焼きの実験が載っています。令和の今、あまりなじみがあるものではないので、子どもたちには身近に感じられないかもしれないと思います。

──カルメ焼きより、『おうちでできるオモシロ実験!』に出てくるような「光るレインボーたこやき」のほうが盛り上がるかも……。

元気先生:「光るたこやき」は、ブラックライトを当てると光ります。紫外線が出るブラックライトが手に入りやすくなったので、実験に気軽に使えるようになったんです。科学技術の発達とともに実験も進化しているんですよね。

勉強としてではなく、体験しながら理科を学ぼう

──元気先生は、子どものころから理科が好きだったのですか?

元気先生:小学1年生から3年生ころまで生きもの係をして、金魚やチャボに餌をあげていました。理科が好きになった始まりは、生きものが好きなことですね。科学マジックも好きで、本に載っていた実験……「お米を入れた牛乳瓶に箸を挿して持ち上げる」などもよくやっていました。

生きものが好きなところから科学の道へ進みましたが、夏にカブトムシを捕りに行っていたのは単純に楽しいからで、それを理科の勉強だと思っていたわけではありません。振り返ると「何かを体験して学ぶ」ということが好きだったのかなと思います。逆に単純な暗記は苦手でした。中学1年生でも小学校レベルの漢字検定5級に受からなかったくらい(笑)。

──理科でも生物や地学などは、覚えることがたくさんあるイメージがあります。

元気先生:そのとおりです。だから僕自身は植物の種類やお花の名前などはあまり覚えられないタイプ。でも科学仲間と山へ行った時、みんな「あの花は」「あの植物は」ととても詳しくて。ある植物を指して「この草が生えている場所は人間が歩いたところだから、遭難した時はこれをたどれば帰ることができるよ」と言ったんです。それを聞いたら急に興味がわいて。実際に遭難はしていなくても、そうなったら……と自分ごととしてとらえたので、その植物は覚えられたんですね。

体験は学習にとってとても大切そして理科は、体験ができる科目の代表なのだと思います。

保護者も一緒に体験し、子どもの興味を伸ばしてあげよう

──実際には、どんなことを体験させてあげればよいでしょうか。

元気先生:手前味噌ですが実験はオススメですね。本に載っている実験も、読むだけと実際にやってみるのでは全然違います。簡単そうに見えて、うまくいかないこともあるはず。その時に「どうしてうまくいかないんだろう?」と考えることで、より理解が深まりますし、成功した時の達成感も得られるのではないでしょうか。

実験以外でも「山に宝石を探しに行こう」とか「公園の池にいる生物を観察しよう」とか、体験できることはたくさんあります。テーマを決めることで、ちょっとしたお出かけも理科の学習を兼ねた体験になります

保護者のかたも、子どもと一緒に体験することで新たな学びがあると思います。子どもが何に興味を持っているかを知って、わからないことがあれば、ぜひ一緒に調べてみてください。

まとめ & 実践 TIPS

生活の中にも「理科」の要素はたくさん含まれているというのは、目からウロコですよね。YouTubeや本を参考に、親子で元気先生の楽しい実験にチャレンジしてはいかがでしょうか。

編集/樋口かおる 執筆/橘川麻実


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『おうちでできるオモシロ実験!』(市岡元気著、講談社刊)

「マジックゼリー」や「宝石せっけん」など、身近にある材料を使ってできる簡単で面白い20種類の実験を収録。市岡元気先生のYouTube撮影の裏側も紹介。

プロフィール

市岡 元気

市岡 元気(いちおか げんき)

東京学芸大学初等教育教員養成課程理科選修を卒業。2019年、YouTubeチャンネル「GENKI LABO」を本格始動。現在登録者数40万人超。同年、株式会社GENKI LABO設立と同時にCEOに就任。数々のサイエンスライブ、実験教室を全国各地で開催。最近ではオンラインを活用した実験教室も人気に。世界中のどんな実験でも再現可能ということで2021年5月4日には1日で300の実験をライブで披露した。バラエティー番組などで、罰ゲームやドッキリ企画の実験・監修をするほか、YouTubeでは「QuizKnock」「水溜りボンド」「スカイピース」「すしらーめん りく」などに実験協力も。科学の面白さを多くの人に知ってもらうためにマルチに活動するサイエンスアーティスト。

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