自宅学習のプロフェッショナルに聞いた! 成績が上がらない子がやりがちな、やってはいけないNG勉強法【教育系YouTuber葉一】

コロナ禍により突如到来した学校と自宅学習の両立時代。お子さんの勉強をみる機会が増えた親御さんも多いはず。そんな中、「もっと効率的な勉強方法はないのかな」「できるだけ子どもに負担をかけない学び方はないのか」と疑問に感じることもあるかと思います。自分が積み重ねてきた勉強方法が、かならずしも今の時代の「正解」とは限りません。
YouTubeチャンネル「とある男が授業をしてみた」を9年前よりスタートさせ、急速にチャンネル登録者を増やしている教育系YouTuber葉一(はいち)さんは、いわば「自宅学習」を知り尽くしているプロフェッショナル。YouTuberになる前は塾講師としても活躍していた葉一さんに、個人的におすすめしない「やってはいけないNG勉強法」についてお聞きしました。

この記事のポイント

「書くことに集中し、勉強を“作業”にしてしまう」はNG

「書いて覚える」が向かない子どももいる

漢字や英単語など暗記力が必要とされる単元は、「書いて覚える」勉強法がこれまでの主流。私も、小学生の頃から「暗記といえばノートに一行ずつ書く」というやり方で勉強してきたので、暗記のためにペンだこができることもしばしば。とにかく以前は「たくさん書く」ことに重きを置いていた気がします。
しかし、「記憶に残す」という本来の目的が「ノートを埋める」という単なる“作業”になってしまうと本末転倒。勉強時間がただただ書くことに費やされてしまうことになってしまいます。
そこで、私が塾で実践していたのが「書いていい回数を制限する」というやり方。例えば、「この漢字を覚えるために書いていい回数は2回だけね!」のように声かけをします。驚かれる方もいますが、このように「2回で暗記しよう」という明確な目標設定をすると、子どもの集中力はぐっと高まります。「どうやったらその回数でこの漢字を覚えられるのか」に重点が移るので、「漢字を書く」という “作業”から解放され、「漢字を覚える」という本来の目的意識に集中できるようになるのです。
まずは、「覚えるためにたくさん書かないといけない」といった固定観念を外してあげましょう。
子どもに「10回書いて覚えるのと2回書いて覚えるのでは、どっちがいい?」と聞くと、たいてい後者を選びます。大人も子どもも長い時間同じことをやらされるのは苦痛ですよね。できるだけ「楽」で「楽しく」感じさせるのが、学習のコツなんです。

「2回だけ」と回数を制限されることが能率アップにつながる。

ノートも鉛筆も使わない「空書」でスキマ勉強を

私は小学一年生の息子に漢字勉強をさせる際、空中に指で書字運動をさせる「空書(くうしょ)」を行っています。私も家事と平行して勉強を見てあげられますし、「虫って漢字を空中に書いてみて!」というクイズ方式でやると、子どもが気楽に取り組めるのでおすすめです。
「とめ・はね・はらい」や画数などが怪しい時があれば、後でノート記述させて確認してあげれば問題なし。大切なことは「漢字を覚える」という目的が達成されているかどうかです。
「空書」であれば、子どもも簡単、親も手軽に取り組むことができます。

もちろん、「たくさん書くことで覚えられた」という成功体験があるお子さんは、引き続きやりやすい方法で勉強を進めてみてください。子どもの性格は十人十色。その子に適した方法で暗記勉強を進めるのが、習熟の近道なんです。

指一本でも大丈夫だと思うと、親も子どもも勉強のハードルが下がる。

「きれいすぎるノートを作ることに集中」はNG

塾でよく見かけたのが、色を多用しているカラフルで綺麗なノート。見た目には美しく感じますが、そこが実は落とし穴。ページの至る所にハイライトマーカーや、色ペンで脚色すると、授業の重要ポイントがどれなのかが分からなくなってしまいます。ノート提出のために、家でノートを書き直す子もいましたが、個人的にはあまりおすすめしません。

ノートをとる理由は、「未来の自分に勉強しやすいアイテムを用意する」ため。ノートは芸術作品ではないので、見返した時、どこが重要か、どこが間違いやすいのかが一瞬で分かる「実用性」がもっとも大切です。
私がおすすめするのは「書き方ルール」を決めてみること。
たとえば、その日学習する単元の見出しは「左上に書く」こと。そうすることでノートに索引機能が備わり、パラパラと見返したときにも必要な情報を探しやすくなります。また、赤ペンは「重要」、青ペンは「補足事項」など、色別に役割を決めてから授業ノートをとることが効果的です。この色分けも赤・青・黒の最低3色に蛍光ペン1本くらいで抑えることがポイント。できるだけシンプルな色分けをすることで、後で見た時でも分かりやすいノートになります。

綺麗なノートづくりや字を丁寧に書くことが、その子のモチベーションアップに繋がるならば、そのまま見守ってあげても問題ありません。ただし、その際は先程の「書き方ルール」を決めておきましょう。「ノートはきれいに書かなきゃいけない」という目的意識のずれた呪縛に囚われている子も多いですので、そこは是非親御さんの力で切り離してあげてください。

きれいなノート作りに躍起になって、本当の目的を忘れてしまう子どもも多い。

「参考書を親が選ぶ」はNG

せっかく選んだ参考書なのに「なんでやってないの!?」。そんなことを思ったりしたことはありませんか?しかし、一冊の参考書をやりきることは、大人でも難しいこと。資格取得を目指し、何冊も参考書を購入したけれど、一冊やり切ったという人は、そこまで多くはないと思います。多くの子どもにとってなかなか遊びのように夢中になれないのが勉強です。子どもにとって優先順位が低いことに、親の押し付けと子どもが感じてしまう要素が足されると、いっそうモチベーションが上がりにくくなります。
ですので、参考書を購入する際は、子どもたちの感覚や意思を尊重して選んでみるようにしてください。できれば、書店に足を運んで頂いて、色々な参考書を見て、子ども自身が「これなら頑張れそうだな」と思える参考書を選ぶと、勉強への意欲も湧きやすくなります。あとはそのやる気を持続できるかの勝負。参考書選びの段階から本人の意思を尊重することで、勉強意欲を保つことにつながると思います。

文:関川まお

第一回 塾に行かなくても家庭学習を「自分でやる子」になる秘訣とは? 130万人に支持される教育系YouTuber葉一さんに聞いてみた

第三回 自家庭学習の意欲を親が阻害しているかも? 130万人に支持されるYouTuber葉一さんに聞いた、注意しておくべき6つのポイント

まとめ & 実践 TIPS

これまで主流だった勉強方法を「子ども目線」で見直せば、「考える力」「勉強意欲」を伸ばすことができるはず。まずは、3つのNG勉強法をしていないか見直すころから始めましょう。

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プロフィール

葉一(はいち)

1985年、福岡県生まれ。東京学芸大学教育学部卒業。営業職、学習塾講師を経て、塾に通えない生徒にも学習の幅を広げる機会を与えたいというモチベーションから、2012年に教育系ユーチューバーとなる。運営するYouTubeチャンネルは、「とある男が授業をしてみた」。小3~高3の授業をカバーする。チャンネル登録者数は約130万人。
主な著書に『一生の武器になる勉強法』(KADOKAWA)、『塾へ行かなくても成績が超アップ! 自宅学習の強化書 』(フォレスト出版)などがある。

プロフィール

松田祐子

編集者
大学卒業後、出版社に入社。女性ファッション誌の編集を経て、教養、歴史、エッセイなど単行本の編集に携わる。KDDI株式会社転職後、ニュースアプリ「auサービスTOP」の企画編集、運営に携わり、その後独立。編集業に加え、広告やカタログのディレクターとしても活動。整理収納、ヴィーガン料理などのライフスタイル系を中心に多数の連載を執筆。

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