塾に行かなくても家庭学習を「自分でやる子」になる秘訣とは? 130万人に支持される教育系YouTuber葉一さんに聞いてみた

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「遊んでばかりいないで勉強しなさい!」。時代は変わっても「勉強をしない子ども」に対する小言はたいして変わりません。「できれば“勉強しなさい”なんて言いたくない」と切実に思う保護者の方も多いでしょう。
著書『塾へ行かなくても成績が超アップ! 自宅学習の強化書 』がベストセラーとなっている、大人気の教育系YouTuber葉一(はいち)さんをご存じでしょうか。
YouTubeチャンネル「とある男が授業をしてみた」を9年前よりスタートさせ、小中高校生ら130万人を超えるチャンネル登録者から、圧倒的な支持を集めている葉一さん。オンライン学習という新たな教育の可能性を広げている葉一さんに、うまくいく家庭学習の秘訣をお聞きしました。

この記事のポイント

毎日の「達成感」を子どもに持たせる

家で勉強する習慣は、この先の人生で大きな武器となります。しかし習慣をつけるにはそれ相応の根気が必要。1日5分でもいいので、新しいことができるようになったり新しい知識を知ったりする「達成感」を持てることが、続けるためには大切だと思っています。
まず忘れないでほしいのが、親御さんが子どもがやったことに対し「褒める」ということ。子どもにとって親にほめられることは、大きなモチベーションとなります。わが子がつまずいた問題などを覚えておき、それを克服できた時には「前できなかったことが、できるようになったね!」とその成長を存分に褒めてあげてください。親が自分のした小さな間違いを覚えてくれていて、その上で弱点克服を褒めてくれたことは、子どもにとって「自分に関心を持ってくれていた」という安心感となります。そういった関係性は、確実に子どものやる気につながっていきます。

勉強は「早め」に行う方が効果的

勉強はできるだけ早い時間に勉強するのがおすすめです。と言っても朝は色々と慌ただしいと思いますので、無理にする必要はありません。帰宅後と夕食後の2択があったら帰宅後を選択するといった、可能な限り「早い時間」で行いましょう。
一番避けたいのは、勉強を遊びの後回しにすること。後回しにすると、どうしても時間が後ろ倒しになってしまい、親が急かすことになってしまいます。急がせることで、子どもは焦って、つい適当な学習になってしまいます
「やることをやったら自由に遊べる」と子ども自身が、やるべきこととやりたいことの判別をつけ、目標達成を構築できるような流れを作ることが大切です。

リビング学習に「小言」はNG

家庭学習の場所としては「子どもが勉強しやすい」と思うところなら机以外であっても問題はありません。大事なのは子どもが「勉強した」という成果をあげること。私も二人の息子がいるのでいろいろと細かく口を出したくなる気持ちは分かりますが、まずは子どもが勉強しやすい場所を尊重してあげてください。
また、小学生の間はリビング学習が効果的だと言われています。しかし、ここで注意しなくてはいけないのは、親が「監視役」にならないこと。リビング学習の良さは親が近くにいる「安心感」です。小言が多くなってしまうと、「お母さんがいろいろ言ってくるからリビングでやるのは嫌だ」などという事態になりかねません。

間違いをすぐ正すのではなく、どこでつまづいたかなどをそっと観察し、子どもの習熟度を把握しましょう。

小さな目標を作ってあげる

習熟度を判定するのには、試験の合否やテストの点数などが適していますが、小学生に対しては、親が小さい目標を作ってあげるとよいかと思います。「今日はこの漢字覚えよう」「算数のこの問題をやろう」などのようにハードルは低く設定してあげる方が、継続につながりやすいです。
おすすめはクイズ方式。親と子どもが問題を出し合って、知識を増やしていく方法です。自分で問題を作ることで記憶の定着率も上がりますし、また親子間のコミュニケーションにもなります。

苦手科目より得意科目を伸ばす

小学生の勉強は「復習」を中心に、その日習った科目をその日のうちに記憶に残す勉強方法で十分。予習は余力がある子だけで良いと思っています。
苦手科目をいち早く克服させたい、と思うのは自然な感情かと思いますが、苦手科目ばかりやらせていると勉強自体が嫌いになってしまう可能性が高くなります。1つでも得意科目があると、「やればできる」という状態が作れるので、その科目での成功体験を他の科目にも転用できます。だからと言って、苦手科目をまったくやらせないというのは、不安になるかと思いますので、前述したクイズ方式などを使って、気軽に楽しく勉強できるような工夫をしてみてください。

第二回 自宅学習のプロフェッショナルに聞いた! 成績が上がらない子がやりがちな、やってはいけないNG勉強法【教育系YouTuber葉一】

第三回 自家庭学習の意欲を親が阻害しているかも? 130万人に支持されるYouTuber葉一さんに聞いた、注意しておくべき6つのポイント

まとめ & 実践 TIPS

自宅学習に大切なのは、子どもに「達成感」と「安心感」を持たせること。「勉強しなさい」という言葉をぐっと飲み込み、まずは毎日コツコツと継続させることが、習慣につながります。子どもがペースをつかめるようになるまで、気長に環境を整えることを親の役目としましょう。

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プロフィール

葉一(はいち)

1985年、福岡県生まれ。東京学芸大学教育学部卒業。営業職、学習塾講師を経て、塾に通えない生徒にも学習の幅を広げる機会を与えたいというモチベーションから、2012年に教育系ユーチューバーとなる。運営するYouTubeチャンネルは、「とある男が授業をしてみた」。小3~高3の授業をカバーする。チャンネル登録者数は約130万人。
主な著書に『一生の武器になる勉強法』(KADOKAWA)、『塾へ行かなくても成績が超アップ! 自宅学習の強化書 』(フォレスト出版)などがある。

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編集者
大学卒業後、出版社に入社。女性ファッション誌の編集を経て、教養、歴史、エッセイなど単行本の編集に携わる。KDDI株式会社転職後、ニュースアプリ「auサービスTOP」の企画編集、運営に携わり、その後独立。編集業に加え、広告やカタログのディレクターとしても活動。整理収納、ヴィーガン料理などのライフスタイル系を中心に多数の連載を執筆。

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