文字より多くの情報が取り入れられる? 効果的な動画学習について教育系YouTuber市岡元気先生に聞いてみた

子どもたちが大好きなYouTube。「世界最恐メントスコーラ」「鉛筆に100Vの電流を流したらどうなる?」など、大人気の科学実験動画を公開しているチャンネル「GENKI LABO」をご存じですか?

運営しているのは、サイエンスアーティストの市岡元気先生。科学実験の面白さを動画で配信。子どもたち向けに『おうちでできるオモシロ実験!』(講談社)も出版されています。

教育系YouTuberとして大人気の元気先生に「子どもがYouTubeばかり見ていて心配」「YouTube学習って、本当に効果があるの?」などの疑問をぶつけてみました。文字よりも情報量が多い動画での学習。効果的な方法はあるのでしょうか。

この記事のポイント

動画学習は大量の情報を伝えることができる

──YouTubeには子ども向け・大人向けの学習コンテンツがたくさんあります。魅力的ではあるものの、本当にYouTubeで学習できるのかという疑問があります。

市岡元気先生(以下元気先生):これからの時代、勉強における動画の役割はさらに高まっていくと考えています。アメリカの調査会社Forrester Researchによる「1分間の動画には一般的なWebページの3,600ページ分の情報量が入っている」というデータがあります。言語・聴覚・視覚情報を使うことで、しっかりと情報を伝えることができるんですね。

YouTubeで数学を勉強して、9歳で実用数学技能検定(数検)1級に合格した天才少年も登場しています。もちろんどんなコンテンツを見てどう生かしていくかしだいではありますが、YouTubeを学習に役立てることも十分可能だと思います。

興味を深堀りできるYouTube学習。脱線には注意して

──そんなに情報量が多いんですね。YouTube学習のメリットはほかにもありますか?

元気先生:僕自身も心がけていることですが、YouTubeのコンテンツにはニュース性や季節ネタなど見る人の興味をひく工夫がされたものがたくさんあります。そのため興味をもつきっかけや、学習の入り口になりやすいことがあります。

また1つの動画を見ると関連動画が出てくるので、興味をもった機会を逃さず知識を深堀りできるのもメリットですね。

──YouTube学習をする時、何に気を付けたほうがいいでしょうか。

元気先生:まだプラットフォームとして確立していない部分もあるので、関連動画が学習とは違う方向に脱線してしまうことがあるかもしれません。いつの間にか娯楽チャンネルをずっと見ていた……なんてことがないように、勉強用と娯楽用のアカウントが分けられるようになるといいなと思っています。

今日は何についての動画をこれくらい視聴する」などスケジュールを管理することも大事ですね。

──保護者としては、この動画は本当に信頼できるのかな? と迷ってしまうことがあります。教育系動画を発信する側でも気を付けていることはありますか?

元気先生:もちろん、視聴者側が「この動画はどんな人が発信しているのかな」と注意するなどのメディアリテラシーをもつことは必要ですが、僕ら発信側が「これは信頼できる教育コンテンツ」だと明確にすることも重要だと考えています。

先日も教育系の動画を作成する人向けにオンライン講座「教育系YouTuberアカデミー」を開催しました。教育系動画は増えてきましたが、まだまだより多くの教育者にYouTuberとして参加してほしいですね。良質な教育コンテンツが増えていけば、YouTubeに対するイメージも変わってくるし、保護者のかたも安心してYouTube学習を取り入れられるのではないでしょうか。

ストックは1000以上。実験に興味がない人も楽しめる動画を配信

──元気先生が動画づくりでこだわっていることを教えてください。

元気先生:まずは映像としてキレイなものにしたいと思っていますね。テレビの仕事を長くしていたこともあって、楽しんでもらえる撮影セットや衣装、撮り方などに気を付けています。実験に使用する道具など、細かいところも意外と見られているんですよ。

学校の授業で動画を使っていただくこともあるので、汚かったり暗かったりすると申し訳ないですし、キレイな画像でポイントがしっかり見えるような画づくりを心がけています。長く見ていただくことを考えて、画質も4Kで撮っているんですよ。

──なるほど。今後4K画質が主流になることも考えているんですね。実験のテーマや内容はどうやって決めているんですか?

元気先生:テーマは子どもから大人まで幅広い層に反応してもらえるものですね。実験内容は子ども向けに限らず、大学生や僕くらいの世代も楽しめるよう心がけています。1動画につき100万回再生をめざしているので、なるべく広く、実験に興味がない人にも響くように工夫しています。

お父さんが僕の実験動画を見て子どもと一緒にイベントに来てくれるような、世代の広がりは大歓迎です。

──題材(ネタ)がなくなることはないのでしょうか。

元気先生:日頃から思いついたことをスマートフォンにメモしていて、ストックは1,000以上あります。すべて動画にするには時間が足りないですね(笑)。1日に複数の実験をしながら動画を編集し、打ち合わせやテレビの撮影などもしている状態なので……。

YouTube動画をつくってみれば、知識が定着し表現力も身に付く

──YouTuberになりたい子どもも多いです。子どもたち自身が動画をつくることはどう思いますか?

元気先生:とてもいいと思います。 動画をつくることはアウトプットになります。アウトプットは理解していないとできないので子ども自身がより深く考えるようになり、逆にわかっていない部分にも気付けると思います。

僕が小学生の時に動画学習はありませんでしたが、得意な理科や算数を友達に教えることでより理解を深めることができました。「どう伝えたらわかってもらえるかな?」と考える原点にもなっています。

──伝え方が重要ですね。

元気先生:そうですね。自分がみんなに伝えたいことを、どう伝えれば魅力的な動画になるかを考えることで、表現力も育むことができると思います。

まとめ & 実践 TIPS

YouTube=娯楽から、学習方法としての広がりを見せている今、上手に活用して学習に役立てていきたいもの。まずは元気先生の動画を親子で見ることから始めてみてはいかがでしょうか。

編集/樋口かおる 執筆/橘川麻実

『おうちでできるオモシロ実験!』(市岡元気著、講談社刊)

「マジックゼリー」や「宝石せっけん」など、身近にある材料を使ってできる簡単で面白い20種類の実験を収録。市岡元気先生のYouTube撮影の裏側も紹介。

プロフィール

市岡 元気

市岡 元気(いちおか げんき)

東京学芸大学初等教育教員養成課程理科選修を卒業。2019年、YouTubeチャンネル「GENKI LABO」を本格始動。現在登録者数40万人超。同年、株式会社GENKI LABO設立と同時にCEOに就任。数々のサイエンスライブ、実験教室を全国各地で開催。最近ではオンラインを活用した実験教室も人気に。世界中のどんな実験でも再現可能ということで2021年5月4日には1日で300の実験をライブで披露した。バラエティー番組などで、罰ゲームやドッキリ企画の実験・監修をするほか、YouTubeでは「QuizKnock」「水溜りボンド」「スカイピース」「すしらーめん りく」などに実験協力も。科学の面白さを多くの人に知ってもらうためにマルチに活動するサイエンスアーティスト。

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