東大王のクイズ軍団が、自身のノートを公開! 超効率的な東大ノート法とは?
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学校の授業ではなかなか教えてもらえない「ノートの取り方」。「きちんと授業を受けていたのに、あとからノートを見返すと内容がイマイチだった…」、「効率的なノートの取り方がわからない…」。そんな悩みを持つ人におすすめしたいのが、東大クイズ王の名で知られ、各メディアで大人気の伊沢拓司さんを中心に書かれた『東大発の知識集団QuizKnock監修 東大ノートのつくり方』(学研プラス)です。
伊沢さんをはじめ東大卒業生&現役生のメンバー6人が、自らの高校時代のノートを受験勉強エピソードを交えながら公開。受験や定期テストを控える中高生にとって、ヒントが詰まった1冊となっています。前編ではQuizKnockメンバーたちのノートルールやテクニックを紹介していきます。
そもそも、ノートを取るべき理由とは
「授業で学んだことをしっかり思い出すために必要なものがノート」だと伊沢さんは言います。聞いたことや見たことを一度ですべて覚えられるならノートを取る必要はありませんが、それは至難の業。伊沢さんほど優秀な人でも、ほうっておくと忘れてしまうそうで、ノートを取る一番の理由は「忘れたくないから」だと話しています。
結果が出る! 東大ノートの5原則とは?
ノートの取り方はQuizKnockメンバーの個性によって違いがあるものの、いくつかの「共通点」を発見。メンバーのノートから見えてきた5原則をご紹介!
その1:「授業用ノート」を中心に、目的に合わせてノートを増やす
「授業用ノート」を中心に学ぶことが多い中高生。予習や復習も1冊の授業用ノートで済ませる方法もありますが、必要に応じて、「自習用ノート」「演習用ノート」「暗記用ノート」などを併用すると、学習の工夫の幅がさらに広がりおすすめです。すべての教科ですべてのノートを使う必要はなく、自分のスタイルに合わせてノートを自由に選ぶとよいでしょう。
その2:美しい文字を書く必要はなし!
美しい文字のノートは読み返しやすいけれど、つねにキレイな文字で書く必要はありません。板書を書き写すことに夢中になりすぎるとむしろ大切なことを聞き逃してしまう……なんて事態にも。授業中は、先生の話に意識を集中し、学びを最大化させるようにしましょう。とはいえ、自分でも読み返せないような字を書くのはNG。限られた時間の中で、自分で読める程度に、ていねいに文字を書くコツを習得しましょう。
その3:ノートの色数は「見やすさ」を最優先に!
色を使いすぎて、何が重要かがわからなくなった……という経験はありませんか? 色ペンの数にルールはないですが、ぱっと見返したときに「読みやすい!」と思える色数を見つけるのがベスト。また、工夫が必要になったときに、色をプラスするという方法もおすすめ。たとえば歴史のノートで「固有名詞は赤字で書く」というルールがあったとします。固有名詞には人物名、地名、事件名などが含まれますが、人物名だけを区別したいと思ったら「人物名=青字」のルールをプラス。すると人物名だけを素早くピックアップできるノートへと早変わり! 色と機能を結びつけて考えると、より効果的です。
その4:手書きの必要がないものはコピーを活用!
英語の単語や熟語、社会の固有名詞などを記憶に定着させる方法として有効な手段である「手書き」。でも逆に、記憶に定着させる必要のないときはコピーを活用しましょう。たとえば、演習用ノートに問題集の回答を書いたあと、添削時にいちいち問題集を開くのは、意外に手間のかかる作業。「問題文」をコピーしてノートに貼れば、ノートを開いたときに一連の流れを確認できるので便利です。
【コピーを取った方がよい場合】
□問題文を写すことに意味がない
□地図や図表は手書きで写すと時間がかかる
□ノートの「特定の場所」に資料を貼ることに意味がある
□コピーがすぐにできる状況にある
その5:ぎっしり埋めず、ノートの余白を活用!
何度も読み返すノートに適度な余白があると、活用の幅が広がります。次の3つのポイントを基準に、うまく余白を作る習慣をつけてみましょう。
1 テーマや項目が変わるとき
2 調べたいことや不明点があるとき
3 貼り付けたい資料があるとき
ノートを読み返すと、その都度新しい発見があります。余白をあけておくと、気づいたことや注意点をそのスペースにメモできるので便利です。
板書をすべて写す必要はなし!
雑談も、気づきも、感想も、「そのとき感じたメモ」が大事
「板書はすべて写さないといけない」と思っている人はいませんか? でも、伊沢さんは「板書を書き写すことと成績は関係ない」ので「その必要はない」と言います。それより、先生の話を真剣に聞き、「これは大切」と思う部分だけを抜き書きすることをすすめています。また、ノートを見返したときに思い出すきっかけとなるよう、先生の雑談の中から印象的な言葉をピックアップしたり、自分の感想や気づいた点をメモしたりすることも推奨しています。
そうすることで、大事なポイントがたっぷり詰まった自分だけのオリジナルノートが仕上がるのです。
後編:勉強計画の立て方のコツと、ノート法を東大王のクイズ軍団QuizKnockに聞いてみた
番外編:東大王のクイズ軍団QuizKnockメンバーにノート法を聞いたら、こだわりは違うけれど大切にしているものは共通だった
まとめ & 実践 TIPS
ノートづくりの正解は1つじゃない!必要なのは「試行錯誤」と「創意工夫」
本書内で「東大に絶対合格できる究極のノートの取り方はない」と伊沢さんは断言しています。ノートは新しい知識を得て、学びを深めたり、広げたりするためのツールなので、成績のいい人の取り方が、ほかの人に合うとは限らない。だから、試行錯誤を重ねて、改善し、創意工夫をしてみることが大切だといいます。「これならマネできそう!」「ここは参考になる」と思えるメンバーたちのノートを参考に、自分のスタイルを確立してみましょう。
コツコツと勉強を積み重ねた努力の証であるノートが、受験や定期テスト時にきっとあなたの自信を作ってくれるはずです。
取材・文/田代祐子
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