足がどんどん速くなる!かけっこトレーニング ~ジャンプ~
運動は苦手……というお子さまはいませんか? もし、お子さまが運動は得意でないというのなら、ぜひ「かけっこ」のコツを教えてあげてください。かけっこは、すべての運動の基本といえます。走ることへの苦手意識がなくなれば、それは本人にとって大きな自信につながるでしょう。
そこで、かけっこが苦手なお子さまでも「できた!」と実感できる、とっておきの練習方法をご紹介します。教えてくれるのは、元陸上競技選手で、男子200mハードルでアジア最高記録を樹立し、現在はプロ野球選手やJリーガーなど、さまざまなスポーツ選手に走り方の指導も行なっているスプリント・コーチの秋本真吾さんです。
ジャンプの練習
走ることは、地面から足を離したり、足を着けたりすることの繰り返しです。そこで、ジャンプをすることで、足の動かし方に慣れましょう。ジャンプをする時は、つま先から地面に着地するということがポイントになります。かかとから着地してしまうと、足の裏が地面にべったり着いて、体重が後ろに乗ってしまいます。これでは走りにブレーキをかけた状態となり、スピードを上げるために余計な力が必要になってしまいます。
しかし、つま先から着地すれば、地面の反発力を得ながら、それによって効率的に走ることができるのです。
縄跳びジャンプ
まっすぐな姿勢と、つま先からの着地を練習するのに最適なトレーニングが、縄跳びです。
前回し跳びではなく後ろ回しで跳ぶようにしてください。背筋を伸ばしたよい姿勢を保ったまま、ゆっくり大きく回しましょう。前回しで跳ぼうとすると、前屈みになって姿勢が崩れやすくなります。また、跳んだ時に背中が丸まったり、着地した時にひざが曲がったりすると、足に余計な負荷がかかってしまいます。頭の上から足の先まで一本の芯が通っているような、まっすぐな姿勢を保ちながらジャンプし、後ろから回した縄を跳び越える時、かかとから地面に着かないよう注意します。着地の衝撃を柔らかく吸収するイメージを持ち、リズミカルにジャンプしましょう。
ここで大切なのは、ジャンプする時にまっすぐな姿勢を保つこと。縄を速く回そうとしないで、正しいフォームを意識しながら一回一回ゆっくりと、大きく回すよう心がけましょう。
その場ジャンプ
縄跳びジャンプができるようになったら、その場で縄跳びなしのジャンプをしてみましょう。縄跳びのイメージを持って、まっすぐな姿勢を保ちながら腕を振ってジャンプします。
着地の時、ひざを前に突き出したり、かかとがつぶれたりすると、地面に力が吸収されてしまい、反発力が小さくなってしまうので注意しましょう。
このトレーニングのポイントは、腕の振り方です。つま先で地面を蹴って、その場でジャンプ。このタイミングで腕をしっかり振ると、ジャンプの力が大きくなります。着地の時は、ひざを曲げずにつま先から。足の力だけで跳ぶのではなく、腕の力も組み合わせることで、より高く・大きく跳ぶことができます。
縄跳びを使った時と同じく姿勢はまっすぐにします。腕を振ってジャンプの力をさらに大きく。必ずつま先でジャンプするように意識しましょう。
肩押しジャンプ
今度は、二人一組でジャンプの練習です。前に立つ人は、連続ジャンプを繰り返し、後ろの人は前の人の肩を上から強く押します。上から力がかかった状態をつくることで、つま先の反発力を高めます。この時、かかとが地面に着いていたり、ひざが曲がっていたりすると、後ろの人の肩を押す力に負けて充分に跳ぶことができません。跳ぶ時は、まっすぐな姿勢を保ったまま、つま先の反発を感じながらジャンプしましょう。
ジャンプのポイントは、自分から跳ぼうとするのではなく、地面の反発力を利用することです。かかとから着地してしまうと、ジャンプの力が逃げていってしまいます。この練習は家の中でもできるので、保護者のかたと一緒にやってみてください。
前進ジャンプ
ジャンプ練習の最後は、前進ジャンプです。靴2足分の長さを目安にマーカーを並べ、その場でジャンプしながら前へ進んでいきましょう。前へ進もうとして頭を前後に振ってしまうと、まっすぐな姿勢が崩れて、体が「くの字」型に曲がってしまいます。また、着地の時にひざが前に出てしまうと、地面からの反発力が吸収され、前に進む距離を伸ばせません。ジャンプする時は、縄跳びの練習を思い出して、正しい姿勢で跳ぶようにしましょう。
「フォームが崩れないよう、まっすぐな姿勢を維持しながらジャンプする」「腕をしっかり振る」「つま先から着地する」という3つのポイントを忘れないようにしてください。
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