授業ノートの取り方|5つのルールと復習時に見やすいようにする12のポイント

授業のノートは、後から復習する際に重要なポイントがわかりやすいよう、取り方に工夫が求められます。とはいえ、板書を写すことで精いっぱい・・・など、なかなかうまく取り組めないこともあるのではないでしょうか。そこで、復習に役立つ効果的なノートの取り方をご紹介します。

ノートの取り方1つで、勉強の効率はグンとアップするもの。授業だけでなく、夏期講習などの機会にもぜひ役立てていきましょう。

この記事のポイント

授業ノートの取り方5つの基本ルール

授業ノートは『見返す』ために作るものです。定期テスト前や、わからないことが出てきた際に、ポイントの確認や復習に活用することで効率的な勉強を進めていくことができます。その効果を高めるための5つの基本ルールを見ていきましょう。

1:板書を丸写ししようとしない

授業ノートを取るときの最大のNGが「板書を全部写さなきゃ」と思ってしまうこと。授業の目的は「理解」することです。それなのに、板書の丸写しに必死になるあまり、内容理解がおろそかになっては本末転倒となってしまいます。

「書き残すべき重要なポイントは何か」を考え、ノートに各内容の取捨選択をするようにしましょう。すでに知っている情報や、教科書などのコピーをすればOKな部分などは、わざわざノートに書かなくても大丈夫です。

2:スピードを意識して書く

授業中は、授業内容を理解することに集中すべきです。ノートを取ることがメインになってしまわないよう、スピードを意識して書いていきましょう。

きれいにまとめようとしすぎると、大事なポイントを聞き逃したり、理解が追いつかなくなってしまうこともあるもの。「大事だと思ったことだけに絞って、ササっと書き留める」くらいのつもりでノートを取っていきましょう。

3:読み返したとき内容がわかりやすいよう書く

よい授業ノートとは、読み返したときにポイントが何かがわかりやすくまとめられているものです。そのため、復習に役立てることを意識したノート作りを心がけましょう。重要なポイントはもちろん、自分はどこがわからなかったのか、間違えやすい点はどこかなどがわかりやすいよう、まとめ方を工夫しましょう。

4:自分なりのルールを決めて書く

読み返したときにポイントがわかりやすいノートにするためには、自分なりまとめ方のルールを決めるのがおすすめです。重要ポイント、疑問点、間違えやすいポイントを示す印やマークを決めたり、色や文字の大きさの使い分けられたりするとよいでしょう。

5:論理を追いながら書く

ノートに重要ポイントやキーワードが羅列されているだけだと、後から論理や文脈を追いづらいこともあります。そのため、因果関係や時系列、関係性といった論理を意識しながらまとめていくようにしましょう。

復習するときに見やすいノートの取り方12のポイント

復習のため見返したときに、ポイントがわかりやすいノートにするためにはどのような点に気をつければよいのでしょうか。具体的なノートの取り方のポイントを12点ご紹介します。

1:略語や記号を利用する

自分で決めた記号やアイコンを活用すると、後で見返すときにポイントがわかりやすくなります。また、ササっと書ける記号にすることで、ノートを取るスピードをアップさせることにも役立ちます。たとえば、次のような記号を使ってみるとよいでしょう。

・わからない箇所:「?」マーク
・テストに出すと先生が話したポイント:「!」マーク
・理由説明:丸かこみの「り」マーク

2:大切な部分を囲んで明確にする

ノートに書かれている情報は、多くなってしまうもの。そのため、重要度の強弱をを明確にすることが大切です。
絶対に押さえておくべき最重要ポイントについては、囲むなどして視覚的にも目立たせるのがおすすめです。パッと目に入ってくるため、復習時の混乱を防げるはずです。

ただし、あれも大切、これも大切といろいろと囲んでしまうと、逆に何が重要かわからなくなってしまうため要注意。「囲むのは1ページに3つまで」などのルールを設けるのもよいでしょう。

3:ポイントを短くまとめる

ポイントは長々と書くよりも、端的に短くまとめたほうが後から見返したときにわかりやすいものです。そのため、文章を書くというより、箇条書きでキーワードや要点だけをまとめることを意識しましょう。「→」なども使い、因果関係なども簡潔にまとめていくのがおすすめです。

4:記憶を呼び戻しやすい工夫をする

復習でノートを見返すときには「えーっと、これはなんだったっけ?」と迷うことなく、すぐに記憶を呼び戻せるようにしておきたいものです。そのためには「記憶のとっかかり」になることもノートに書き残しておくのがおすすめです。自分にとって印象的だったことを手がかりに「ああ、あのときあれを習ったな」と記憶をよみがえらせやすくなるでしょう。

「記憶のとっかかり」としては、次のようなことを書いておくのがよいでしょう。
・印象的だった先生の雑談
・同級生の印象的な発言
・自分が感じた疑問や感想・意見

5:イラストや図でメリハリをつける

授業ノートは、視覚的にもわかりやすいものにしましょう。文字だけより、図やイラストが入っているほうが、ビジュアルでの理解もしやすく、ノートを開いたときの圧も少ないものです。理科の実験や、社会の地図などは、特に図示に向くでしょう。

ただし、きれいな図やイラストにしようと凝りすぎてしまうと本末転倒になってしまうので注意が必要です。

6:描きにくい図はコピーして貼りつける

イラストや図解をしようとしたものの、手書きでは書きづらい場合はコピーを活用するのも手です。貼り付けるためのスペースを空けておいて、授業後にコピーをとって貼ればOK。貼りながら、簡単に授業内容を振り返れば効率的な復習にもなるでしょう。

7:色数は3色以内にする

重要ポイントには、色ペンや蛍光ペンを使うとわかりやすくまとめられます。ただし、使う色の数が多すぎると、何が重要か逆にわかりづらくなってしまったり、パッと見て際にも目が疲れてしまったりするので要注意。

そうなってしまわないようにするためには、黒以外は2色と合計3色以内にするのがおすすめです。「赤は最重要ポイント」「青は間違えやすいポイント」など役割も決めておくと使い分けしやすくなるでしょう。

8:油性ボールペンとマーカーは好相性

重要なポイントを示すため、蛍光ペンやマーカーでなぞったり、背景色つけたりするのもおすすめです。ただし、組み合わせによってはにじんでしまうケースもあるので注意が必要。油性ボールペンと蛍光マーカーの組み合わせだと、にじみづらくなるようです。また、にじみづらいマーカーも販売されているので、利用してみるのもよいでしょう。

9:余白を十分に取る

ノートいっぱいに文字や図を埋め尽くしてしまうと、読みづらくなってしまいます。情報量が多すぎて、何が大切かもわかりづらく、見るだけで疲れてしまうものにもなってしまうでしょう。

そのため、ノートは適度に余白を作って書いていくのが鉄則。1つの内容のまとまりが終わったら、2〜3行あけるのもよいでしょう。また、ノートの端5分の1ほどにメモスペースを作るのもおすすめです。
適度な余白があれば、復習の際に新たな気づきやポイントなどを書き足して、学習効果を高めていくこともできるでしょう。

10:文字の大きさや見出しはきれいに揃える

見やすいノートにするためには、役割ごとに文字の大きさや見出しの示し方を揃えるのがおすすめです。「単元名」「大見出し」「小見出し」「本文」などの役割別に、文字のサイズや色、行頭の位置などマイルールを定めるとよいでしょう。

11:見返すときに役立つインデックス

復習の際には、復習したい単元がノートのどこにあるのかを探すのに意外と時間がかかるものです。そのため、どこに何が書かれているかを示すために、インデックスシールや付箋を活用するのがおすすめです。見たい部分をすぐに探して、効率的に復習を進めることができるようになるはずです。

12:間違いは消さない

授業中に取り組んだ問題演習などでは、自分で解いて間違った箇所を消してしまわないようにしましょう。間違えたところは、自分のつまずきのモト。あとから復習する際に、自分の間違え方を振り返っておければ、同じ間違いを繰り返さないよう注意することができるはずです。そうすれば、本番でのミスを防ぐことにもつながります。

効率が良くないノートの作り方4つ

ノート作成は、つい非効率なやり方になってしまうケースもあります。4つのNGケースを知っておくことで、効率がよくない方法に陥らないようにしましょう。

1:授業用とまとめ用のノートを別にする

授業ノートとは別に、ポイントまとめ用のノートを作成するという人もいます。きちんと使い分けや、作成ができればよいですが、往々にして作成が追いつかず、うまくいかないことが多くなってしまうものです。

また、ノートはあくまで理解をサポートするものなので、授業ノートにまとめノートとあれこれ作成して、時間をかけすぎることは非効率なことも。復習しやすい授業ノートを作成することに注力するようにしましょう。

2:多数の教科を1冊にまとめる

ノートは科目ごとに作成するのが基本です。複数の教科を1冊にまとめてしまうと、ノートの節約や、荷物を減らすことにはつながるかもしれませんが、科目の中の流れや連続性がわかりづらくなってしまいます。

3:板書をそのまま書き写す

授業ノートは、後から見返して復習しやすいものとすることが大切です。しかし、板書の丸写しをするだけでは、後から見てポイントがつかみづらかったり、写すことに必死になって授業理解が追いつかなくなってしまってりするでしょう。いざとなれば板書は友達に見せてもらうくらいの気軽さで、大事なポイントに絞ってまとめていくようにしましょう。

4:きれいな見た目だけにこだわりすぎる

授業ノートは、後からみた自分が理解できればOKなものです。人に見せることが前提ではありません。そのため、きれいなノートを作ろうとこだわりすぎる必要は全くありません。

ノートの美しさにこだわるあまり、内容理解がおろそかになってしまっては本末転倒です。シンプルに要点をまとめるという気持ちで、ノートを取っていきましょう。

学習内容の整理に役立つ「コーネルメソッド」

世界でも有名なノート術である「コーネルメソッド」をご存知でしょうか。アメリカの名門・コーネル大学のウォルター・パーク元教授によって開発されたノート術で、復習を効率的に行えるメリットがあるものです。世界でも効果を実感する人が多いものであるため、お子さまの学習に取り入れてみるのもおすすめです。

コーネルメソッドでのノートの取り方

コーネル式ノート術では、ノートの紙面を次の3つに区切ります。

・「ノート」スペース(最も広いスペースを確保)
・「キーワード」スペース(ノートスペースの左)
・「サマリー」スペース(ノートスペースの下)

「ノート」には、通常のノート同様に授業のポイントをまとめていきましょう。

「キーワード」には、「ノート」を書いたあと、重要な単語や、疑問、ノートの内容を問うような質問を書いていきましょう。たとえばノートに「関ヶ原の戦い」ついてまとめた場合は次のようになります。

・西軍、東軍それぞれの大将は?
・東軍の勝因は?

「サマリー」では、ノートの内容の要約を記載します。

通常のノートと異なり、「キーワード」に学んだ内容を抽出したり、「サマリー」に要約を行ったりすることで、より学びを深め、復習にも活用しやすいものとなるのが「コーネルメソッド」の特徴です。

コーネルメソッドで書いたノートの活用方法

コーネルメソッドを用いると、効果的な復習が可能になります。
「キーワード」スペースの内容を見て、重要な単語を覚えているか、それを説明できるか、自分で作った質問に解答できるかといったことに取り組むことで、要点の振り返りができます。覚えていなかったり、理解が曖昧な内容については、「ノート」スペースを見てすぐに再確認できるのも効率的です。

また、重要ポイントが凝縮された「サマリー」は試験直前の最終確認にも活用できるでしょう。

東大王のクイズ軍団QuizKnockメンバーに聞く、ノート術

伊沢さんをはじめ東大卒業生&現役生のメンバー6人が、自らの高校時代のノート術を語ってくれました。ノートの取り方はQuizKnockメンバーの個性によって違いがあるものの、いくつかの「共通点」を発見。メンバーのノートから見えてきた5原則をご紹介します。

その1:「授業用ノート」を中心に、目的に合わせてノートを増やす
その2:美しい文字を書く必要はなし!
その3:ノートの色数は「見やすさ」を最優先に
その4:手書きの必要がないものはコピーを活用
その5:ぎっしり埋めず、ノートの余白を活用

こちらの記事で詳しく語ってくれていますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
東大王のクイズ軍団が、自身のノートを公開! 超効率的な東大ノート法とは?

まとめ & 実践 TIPS

授業ノートは、後から復習で見返したときに要点がわかりやすくまとめられていることが大切。板書を丸写ししたり、先生の言葉を漏らさず全て書き留めたりする必要はありません。勘違いして、ノート作成に苦手意識を持っているお子さまがいらっしゃったら、誤解を解いて気持ちを軽くしてあげましょう。そのうえで、今回ご紹介した復習しやすいノート作成のポイントを伝え、お子さまが実践しやすいノート作成の工夫を一緒に考えていけるとよいですね。

出典
成績アップに役立つ「問題復習ノート」の作り方2「くろ色以外は、あと2色」|ベネッセ教育情報サイト
https://benesse.jp/kyouiku/202006/20200612-1.html

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