どうする? 進学・進級後の思わぬ出費 家計のルーティンの守り方

新年度は学校への納付金をはじめ、何かと出費の多い時期です。ある程度予測できる費用もありますが、家庭学習、部活動や習い事、子どもの生活費など思わぬ出費が判明することもあります。
そこで、新年度に起こりがちな子どもにまつわる出費と、それに振り回されないための家計の守り方を考えてみたいと思います。

■予定外!? の中学受験

転勤族のAさん一家が地方から東京に移り住むことになり、4月に長男が小学6年生に転入した時のこと。居住地区が中学受験熱の高い地域だったため、クラスの半数近くが受験の準備をしている状況でした。Aさんは驚きながらも情報を集め、ひとまず学力向上のために、また長男が望めば中学受験も視野に入れようと、塾に通わせることにしました。

新学期は、環境の変化や子どもの希望などで、新たな支出が発生することがあります。学力向上や進学準備のために、また、部活や習い事のために、道具などを購入したりサービスを受けたりすると、一時的な出費や継続的な支出が発生します。

そのうえ、新しく始める家庭学習や習い事は、実際に利用してみないと子どもに合っているかどうかわからないことも多いもの。まずは期間を区切って試してみるとよいでしょう。申し込み時に「キャンペーン期間中」と言われると、提示された特典に気持ちが傾きがちですが、「利用料の総額」や「使いこなせるか」などを親子でよく検討しましょう。

Aさんの場合は、長男に具体的な志望校ができたことで、中学受験を決めました。入試までは9か月程度の「短期決戦」だったので、塾代は家計のやりくりで賄い、私立中学校での教育費アップに対応するため、母親のAさんも働くことで対応したそうです。

■通信端末の新調・買い替え

通信端末を新調したり買い替えたりすることが多いのも、この時期でしょう。子どもの中学校入学を機に、あるいは塾通いや加入したスポーツチームでの連絡用にと、スマートフォンを検討されるご家庭があるかもしれません。

ご存じのとおり、スマートフォンなどの端末は2015(平成27)年5月1日よりSIMロック解除が義務化され、以降発売の全機種で一定の期間と条件を満たせば、解除できるようになりました(手数料は別途規定)。使用したいOSに対応しているかを確認のうえ、格安SIMが使える中古の端末と格安SIM事業者を選ぶなどで、通信費を抑える工夫はできそうです。

一方、年齢によっては子どもへの意識づけとして、新調した通信端末代は貯蓄しているお年玉から、月々の通信費はお小遣いの中から支払うというルールをあらかじめ設けておくのも一案です。決して安価ではない「欲しいもの」を、自らのお年玉を活用して手に入れるという体験は、子どもにとって貯蓄の意味を理解するよい機会になるでしょう。自分のお金で買ったものであれば、大切に使おうという気持ちも強くなるはずです。

月々の通信費をお小遣いから払う場合は、通信費を含めたお小遣い額を決めます。子どもには認識しづらい料金も、自ら払うという経験によって、生活全体へのコスト意識が芽生えるきっかけになるかもしれません。通信費を手始めに、部屋の電気の消し忘れ(電気代)やシャワーの使い方(水道代)などについても、親子で話し合えるとよいですね。

■成長期で体に合わなくなったモノ

「急に身長が伸びて自転車を買い替えた」「衣替えで出した子どもの制服や衣類が小さくなっていた」「通学靴から部活のスパイクまで足のサイズに合わなくなった」。子どもの成長は親の喜びですが、一気に体のサイズがアップすると、一つや二つの買い替えでは済まなくなることもあります。また、成長期は近視なども進みやすく、メガネを作り替えたり、コンタクトを新調したりということもあるでしょう。

まだ使える道具や用途が限られる衣類などは、譲ったり、譲ってもらったりできる保護者同士のお付き合いや、リサイクル情報などを上手に利用しましょう。

子どものために新調しなければならないものは、支出の種類に応じて対処します。一時的な出費なら、親戚からの入学祝金の残金などで賄うことも可能でしょう。毎年新年度あたりで必要になりそうな費用は、臨時収入などがあれば予備費としてあらかじめ取り分けておきます。臨時収入が期待できない場合は目標額を決め、日頃から積み立てに励みましょう。月2,000~3,000円程度でも、1年継続できれば3万円ぐらいにはなりそうです。

こうして、ストックされた予備費の中で急な出費を賄うことができれば、通常の月の家計支出と同じになり、家計のルーティンを崩さずに済みます。

(筆者:中上直子)

プロフィール

中上直子

中上直子

編集ライター兼ファイナンシャル・プランナー。教育・育児、マネー、防犯など家庭関連のテーマで執筆活動を行う。子どもの価値観を育むワークショップや消費者向けセミナーも展開中。高1男子の母でもある。「身の回りの税金がわかる」(西東社)などの執筆も担当。

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