自立する子に育てる! 幼児の甘えさせ方【後編】こんな時はどうする?
「5歳になるのに自分で着替えてくれない」「下の子が生まれてから甘えん坊になって困っている」など、幼児の甘えさせ方について悩む保護者は多いと思います。今回は、具体的な事例を挙げてどのように対処したら良いのか、前回に引き続き、発達心理学・幼児教育の専門家である東京学芸大学の岩立京子先生にそのヒントを教えていただきました。
【事例1】
息子は5歳ですが、よく抱っこをせがみます。

また、幼児であれば、「お母さん腰が痛いから、家に着いたらお座り抱っこしてあげるね」などと言うように、できない理由を説明しても良いと思います。保護者が感情語を話すと、お子さまの共感性が豊かになるというデータもあります。基本的には子どもの気持ちには添うけれども、保護者のかたがつらくならないように、接し方を工夫してあげれば良いのではないでしょうか。
【事例2】
弟に嫉妬しています。自分も哺乳瓶でジュースを飲みたい、離乳食を食べたいと言います。
下の子に危害を加えない限りは、できるだけ上の子の欲求を聞き入れてあげてほしいと思います。哺乳瓶でジュースを飲ませたって、離乳食を食べさせたって良いのではないでしょうか。わたしも、2人目の子どもが生まれたときに、長男が赤ちゃんにとても嫉妬して困りました。「自分と赤ちゃん、どっちがかわいい」と何度も聞くのです。そんなとき、わたしは「○○君(長男)だよ」と即答していました。下の子には言葉はわかりませんから(笑)、とりあえずおっぱいやミルクで我慢してもらい、上の子には知的な欲求を満たしてあげましょう。
下の子が生まれると、上の子は疎外感を味わうことから嫉妬をしてしまうことも多いです。下の子のお世話に上の子も巻き込み、「お兄ちゃん(お姉ちゃん)がいてくれると助かる」「赤ちゃんに優しくしてくれてお母さんとってもうれしい」と伝え、家族全員で赤ちゃんのお世話をしていきましょう。
【事例3】
ママ友の家に遊びに行きました。ほかの子は楽しそうに遊んでいるのに一人だけ母親にべったり甘えてきて、自分から友達の輪に入ろうとせず、こちらがイライラしてしまいました。
友達の遊びの様子を観察するというのも一つの参加の方法です。お子さまのペースを尊重してあげてほしいなと思います。もしかしたら、タイミングをうかがっているだけかもしれません。自分から行こうと思っているときに、保護者から叱られたり、強制されたりすると、反発してしまうものです。保護者が怒らなければいけないというのは、その子の健康を害するときや、周囲の人に迷惑をかけたときだと思っています。それ以外のときは、お子さまの気持ちを尊重してあげても良いのではないでしょうか。
◆保護者のかたへのメッセージ
日々、子育てをしていると忙しかったりして子どもの声に応えられないこともあると思います。「あのとき、もっと甘えさせてあげれば良かったかな……」と思う保護者もいるのではないでしょうか。そんなときは、子どもに「あのときはごめんね」と素直に謝ってあげれば良いと思います。それができなくても、子どもの喜ぶことを一緒にしてあげれば、親子関係は修復されていくと思います。
また、保護者自身に余裕がないと、なかなか子どもの気持ちに耳を傾けられないこともあります。仕事や家事を抱えすぎないことも大事ですし、ストレスがたまってきたなと感じたら家族や友達に話すなどすると気分転換になるはずです。保護者自身も周囲の人に甘えつつ、子育てしてほしいですね。
お子さまに関するお悩みを持つ
保護者のかたへ
- 頑張っているのに成績が伸びない
- 反抗期の子どもの接し方に悩んでいる
- 自発的に勉強をやってくれない
このようなお悩みをもつ保護者のかたは多いのではないでしょうか?
\そんな保護者のかたにおすすめなのが/
ベネッセ教育情報サイト公式アプリ
まなびの手帳

お子さまの年齢、地域、時期別に最適な教育情報を配信しています!
そのほかにも、学習タイプ診断や無料動画など、アプリ限定のサービスが満載です。
ぜひ一度チェックしてみてください。
この記事はいかがでしたか?