保護者の力が生きるキャリア教育【高校生編】

 10代も後半に差しかかり、お子さまが大人への階段をグングン上っていくに従って、気になるのは将来に向けてどんな準備をしたらいいかということ。高校では総合学習の時間などに「キャリア教育」が行われていますが、家庭ではお子さまのキャリア形成に向けて、どのように接するべきなのでしょうか。

社会が求めているのはどんな力?

 高校で行われているキャリア教育の内容や目的は、少しずつ変化してきています。以前のキャリア教育は、「将来は何を目指すか。そのためには今何をすべきか」を考える「職業探し」が大きな比重を占めていました。現在のキャリア教育は「自分はどのような生き方をしていくのか。自立した大人になるためには何をすべきか」を考える、より幅広い目的をもったものになりつつあります。

というのも、社会の動きは過去と比べものにならないほど速くなり、「毎日同じような仕事をしながら少しずつ出世していき、新卒で入った会社で職歴を終える」という安定した働き方は難しくなりました。多くの企業人が日々、「正解のない問い」を突きつけられている状態です。そこで、状況の変化に応じて自分で課題を見つけ、解決できる、いわば「社会でのサバイバル力」に長けた人を育てようという動きが高校にも及んでいるのです。

人に言われてではなく、自分の意思で

 自分で考えて行動できる力を養おうと、高校のキャリア教育ではインターンシップやボランティアなどの体験活動や、グループワーク、ディスカッションなどを行っています。もちろん家庭でもこのような活動をお子さまに体験させてあげられたらすばらしいですが、準備に負担がかかりますし、親子で一緒に行動することの少なくなる年代ですから実際には難しいでしょう。

そこで保護者のかたがたにおすすめしたいのは、何か特別な体験を用意するのではなく、日常の中でお子さまが「自分で考えて決断する」場面を増やすようにサポートすることです。「○○をしなさい」という保護者のかたの指示が当たり前の環境で育つと、社会に出てから、いわゆる「指示待ち人間」になりかねません。あくまで本人が、自分のために自分の意思で行う習慣をつけることが大切なのです。

結果よりも、プロセスを見てあげて

 自分で考える習慣を身につけるのに最もふさわしいのが、日々の勉強です。テストなり模試なり受験なり、成果を確かめる機会が多いので目標が立てやすく、成功、失敗もハッキリわかるからです。

理想は、お子さまが自分で目標を立て、それを達成するための方法を考えて実行し、結果を見て次の目標設定や行動に生かすこと。保護者のかたとしては「勉強しなさい」「こんな低い点数を取って」と、その場の状況や結果だけを見て叱ることは避けましょう。お子さまと目標を共有し、達成できなかったら、「なぜ達成できなかったのか」「次はどうすればいいのか」など、目標に向けたプロセスを考えさせることが大切です。達成できた場合は、例えささいなことでも思いきりほめてあげてください。この「小さな達成感」が、「また目標を立てて挑戦してみよう!」と考えるエネルギーになるのです。

自ら行動する主体性を育てるには、干渉しすぎも無関心も逆効果です。つかず離れずのバランスが大切なのですが、これがお子さまごとに違っていて「正解」はなく、難しいのも事実。保護者のかたも、お子さまと一緒に根気よく試行錯誤を繰り返してください。

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