【世界の中学生〜インドネシア(5)〜】宗教を学び、互いの個性を尊重する

世界の中学生をリサーチし、お届けする今回は、インドネシア在住のプットゥリさんのお宅にお邪魔しました。


日本について質問しました

——「日本」と聞いてイメージするものは?

 

日本は規律正しい国だと思います。また、清潔で風光明媚だけど、ユニークな文化も持った国というイメージです。日本人は「仕事人間」と名高く、品質の高い商品を作る国民だと思います。たとえば、日本製の電気機器や2輪車、4輪車などは、品質が高いことでインドネシアでも有名ですね。あとは、日本のアニメも広く知られていて、面白いです。
インドネシアのニュースでは、日本のことを「太陽が昇る国」と紹介していました。多くの日本人は勤勉なので、太陽が昇る前に起きると聞きますが、本当ですか?

 

 

日本とインドネシアの学校の違いを見ていきましょう

 インドネシアの学校は2学期制で、7月入学、6月卒業。教育省が一括管理している学校は、日本と同様に6、3、3、4年制です。イスラム教を重視した寮設備のある「プサントレン」や「マドラッサ(アラビア語で学校の意)」と言われる学校もあります。

 

義務教育も日本と同じく中学までで、宗教省が管轄する学校では、宗教も授業の正式な単位となっています。公立・私立にかかわらず、宗教の授業では自分の宗教を選択することができますが、私立では各宗教倫理に基づいた運営がなされている学校が多いそうです。また、公立では校舎の数が少ないことから、授業が午前と午後に分かれている学校も。

 

なんと小学校のうちから、学年が上がるごとに昇級試験があり、その試験に受からなければ落第してしまいます。落第が嫌で学校をやめてしまう子もいるのだとか……。

 

 


日本のような給食制度はないため、昼食はお弁当を持参するか、あるいは学校内の食堂で購入して食べます。学校の前には屋台も並んでおり、登下校時にはその屋台でおやつなどを食べるのが一般的。ただ、プットゥリさんは勉強に追われていて時間に余裕がないため、基本的には塾で昼食を食べることが多いそうです。

 

学生に関する日本との違いとして、インドネシアでは、日本のように生徒同士が団結する機会が多くはありません。学生たちは周囲にあまり気を使うことはなく、自分の思うままに振る舞うことが少なくないようです。これは、宗教や民族の違い、貧富の差など、価値観がまったく違う人々が共同で生活しているため、そういったタイプが多いのでしょう。

 

 

このようにそれぞれの個性を尊重しているため、日本のようないじめ問題は特に見当たりませんが、近年まで新入生に対するいじめは存在していたそうです。新入生歓迎会ではゴミを身につけさせたり、わざと惨めな服を着せたり、髪を坊主にしたり……などといったことがあり、やがていじめがエスカレートして死亡させてしまう事故まで起きていましたが、今は学校側がしっかり禁止していて、そのような事故はなくなっています。

 

 


子育て・教育Q&A