「図形問題が苦手!」にならないように、小学生のうちからできる図形対策は?

算数・数学の中で、得意不得意が分かれやすい問題の1つに、「図形問題」があります。
中学入試や高校入試、大学入試でも図形は頻出の単元です。
今回は、そんな図形問題に苦手意識を持たないようにするための、小学生のうちからできる対策をご紹介いたします。

この記事のポイント

図形に関する小・中学校の学習のつながり

文部科学省が公示している学習指導要領を見ると、図形に関わる学習は、以下のように構成されていることがわかります。

小学1年生から3年生までは「図形領域」と「測定領域」に分かれています。
この時期の「図形領域」では、図形を構成する要素や図形の性質について学習し、「測定領域」では、量の概念や単位の大きさについて学習します。

しかし、4年生からは「測定領域」が「図形領域」に組み入れられます。
つまり4年生で面積、5年生で体積というように、これまでの「図形領域」の学習に加え、図形と量・単位とを関連づけた学習が行われるようになります。

中学生になってからの「図形領域」の学習は、小学校での学習をもとに、平面図形や空間図形、合同・相似などの学習が行われるようになります。図形問題に苦手意識を持たないようにするためには、「図形領域」の学習だけではなく、土台の1つである「測定領域」の学習についてもしっかりと習得し、図形問題を解くことができる力を身に付ける必要があります。

「量感」を身に付けよう(「測定領域」の学習について)

子どもたちは、長さ・大きさ・量が実際はどれくらいなのか、正しく想像する力(「量感」)を持っているでしょうか。

例えば、「一辺の長さが10cmの立方体の体積」を求める問題で、1000cm3を誤って「10m3」と単位変換してしまったとします。実際の大きさが想像できている子であれば、「1m3」は一辺の長さが1mの立方体の体積になるので、「10m3」はそれよりも大きくなることから、明らかに誤っていることに気付けます。つまり、この「量感」をしっかりとつかむことができれば、問題を解いた際に出てきた答えが、大きく外れていないか判断することができるのです。

では、この「量感」を身に付けるためには、どのようにすればよいのでしょうか。
それは、実際の長さ・大きさ・量と、身の回りのものとを比較する経験を積むことが重要となります。

たとえば、「1m3」を、部屋の大きさや机の大きさなど、身の回りにあるものと比べます。
そうすることで、この「1m3」が、「身の回りにある○○と同じくらいの大きさ」や「△△よりも少し大きくて、××よりも少し小さいくらいの大きさ」という基準ができるようになってきます。このような感覚をいろいろな長さ・大きさ・量で行うことで、「量感」を育てていくことができます。

料理を一緒に作ることも「量感」をつかむには効果的です。
料理を作るときには、「幅□cmに切る」や「水を◇mL入れる」など、実際の長さ・大きさ・量と身の回りのものとを比較する活動が多く含まれています。長さやかさは小学2年生で学習するため、図形問題に苦手意識を持たないために低学年から取り組める対策としておすすめです。

  • ・実際の長さ・大きさ・量と、身の回りのものとを比較する経験を積ませる。
  • ・「量感」をつかむために、料理を一緒に作る。

実際に形を作ってやってみる経験を積み重ねよう
(「図形領域」の学習について)

図形問題の中でも、立体図形の問題が苦手な子どもは多いです。
特に、目に見えていない面や辺、頂点などを正しくイメージする問題で、図形の苦手が顕著に現れます。目に見えていない面や辺を正しくイメージできるようになるためには、どうすればよいでしょうか。

まずは、実際の形を作って答えと同じになることを確認することから始めましょう。
たとえば、下のような円柱の切断面がどのような形になるのかを考える問題が出たとします。

実際に油粘土を使って円柱を作り、同じように切断してみてください。
実際に切断してみると、長方形になることが視覚的に確認できることはもちろん、切っている途中の様子も見ることができます。

このように、実際の形を作ってやってみる経験を何度も繰り返すことで、頭の中で、立体図形を切っている様子がイメージできるようになってきます。

目に見えていない面や辺、頂点などを扱う問題として、切断のほかにも、見取図や展開図などがあります。見取図であれば、頂点には油粘土、辺には竹ひごを用い、油粘土で竹ひご同士をつなぎ合わせることで、見取図のようなものを作ることができます。また、展開図であれば、方眼紙を使って作成することができます。

油粘土や竹ひご、方眼紙は安く手に入るうえ、実際に同様な形を作るのに便利なので、これらを使って、実際に形を作って答えと同じになることを確認する経験を積み上げるとよいでしょう。

  • ・油粘土や竹ひご、方眼紙などを使って実際に形を作って考えさせる。

まとめ & 実践 TIPS

今回は、図形対策として以下の点をご紹介しました。

  • ・「測定領域」の学習もしっかりと習得させること
  • ・「量感」を身に付けさせること
  • ・実際に形を作ってやってみる経験を積み重ねさせること

図形問題は想像する力が求められる問題が多いです。
想像する感覚を身に付けるまでは難しく感じるかもしれませんが、その感覚が身に付けば、しっかりと得点できる問題です。苦手に感じやすい問題だからこそ、早い段階から対策を行えば、周りと差をつけられる武器になります。今から少しずつでも想像する力を養い、テストや入試でしっかりと点数が取れるようになることを目指しましょう。

株式会社プランディット 数学課 赤坂
編集プロダクションの株式会社プランディットで、進研ゼミを中心に、小学校から高校向けの算数・数学の教材編集を担当。

プロフィール

株式会社プランディット

1988年創業のベネッセ・グループの編集プロダクションで,教材編集と著作権権利処理の代行を行う。特に教材編集では,幼児向け教材から大学入試教材までの幅広い年齢を対象とした教材・アセスメントの企画・編集を行う。

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