【世界の中学生〜ロシア(8)〜】愛国心を育てる教育が盛ん
世界の中学生をリサーチし、お届けする今回は、ロシア在住のマーシャさんのお宅にお邪魔しました。
日本とロシアの、教育方針の違いを見ていきましょう
ロシアは伝統的に、愛国心を育てる教育をしています。これは日本でも、学校によってはロシアと同様に行われているところもあるかもしれません。ロシアの伝統的な文化や、国教である「ロシア正教」、ロシアの偉大な文学者や音楽家、画家、芸術家などについて知ることが重要だと考えられており、授業でもこういった内容のプログラムが多いようです。
ロシア正教は日本ではなじみがありませんが、二千年にわたるキリスト教史のなかで、カトリックともプロテスタントとも異なる独自の発展を遂げており、今日のロシアをはじめスラヴ圏の人々はロシア正教を篤く信仰しています。ロシア正教はスラヴ民族の精神的支柱となっているのみならず、大国ロシアの文化を形成してきたともいえるのです。
ロシア文学は「罪と罰」や「カラマーゾフの兄弟」でおなじみのドストエフスキーや、「戦争と平和」でおなじみのトルストイなど多くの文豪がいますね。日本でも日本史を習ったり、日本文学を習ったりしますから、同じようにロシアも自国の歴史や文化を学ぶのが重要なのでしょう。スラヴ民族の伝統を教えるため学校に民族博物コーナーを作る学校もあります。
ロシアの親と日本の親に関しては、それほど大きく異なるわけではありませんが、マーシャさんの母親・ユーリャさんが、「勉強をする、しないは子どもの責任」と言っていたのは、日本にはあまりない考え方のように感じられて印象的ですね。日本だと子どもの責任というよりは「親の責任」という考えが一般的でしょう。
ただ、もちろんロシアでも、日本と同様にテストの成績に親が一喜一憂することは多いようです。子どもにはできるだけよい教育を受けさせようと思っていて、そのために目の前の勉強を一生懸命させてよい点数を取り、よい大学に進学してほしいと考える親が多いようです。