つい言ってしまいがち……こんな言葉が子どもの勉強のやる気を奪う!NGワード5選

子どものためを思って発した一言が、逆に子どもの気持ちを萎えさせてしまうことはよくあります。そういう言葉には、大抵、過度の心配や期待、焦りなど、子どものためというよりは、「親自身のため」のメッセージが含まれているものです。例えば、こんな言葉が子どもの勉強のやる気を奪ってしまいます。


【勉強のやる気を奪うNGワード1】なかなか勉強しないときに……「早く勉強しなさい!」

 いつの時代も、子どものやる気をそぐ一言といえばこれ。親「早く勉強しなさい!」⇒子「わかっているよ!」⇒親「わかっていないじゃない」⇒子「今やろうとしていたのに、そう言われるとやる気がなくなるよ」……いかにもよくある親子のやり取りです。多くの場合、子どもは、「早く勉強をしなければならない」ということがわからずに、勉強をしないわけではないのです。むしろ、自分自身がいちばんよくわかっている。だからこそ、「わかっているよ!」という言葉が最初に出てくるのでしょう。ですから、親としては歯がゆいかもしれませんが、「待つ」のが最善の方法かもしれません。しかし、単に待つだけではなく、子どもが「勉強をしたくない理由」を取り除いてあげるサポートをすると効果的です。

 

例えば、ゲームがやめられないのなら「何時までにしようね」と一緒にルールをつくったり、スポーツで疲れているのなら「1時間だけ横になったら。起こしてあげるから」と少し休ませたり……。親だからといって、子どもに強制的に勉強をさせることはできません。あくまでも勉強したくなるような気持ちに導くことまでが役割と心得てください。

 

 

【勉強のやる気を奪うNGワード2】他の子を引き合いに出し……「○○さんはもっとがんばっているよ」

 ついわが子を他の子どもと比べて焦ってしまうことは、どの親にもあることです。しかし、それを子どもに伝えるのはNGです。子どもなりにがんばっているのに、友だちを引き合いに出されてお尻を叩かれるのは、気分が良いものではありません。しかも、一人ひとり能力や性格、環境は異なりますから、「○○さんみたいにがんばりなさい」と言っても意味がないばかりか、子どもを困惑させるだけです。誰かと比べるのではなく、過去にできなかったことができたときにほめたり、以前よりやる気が落ちているときに励ましたり、あくまでもわが子を軸にして評価やサポートをするようにしましょう。

 

 

【勉強のやる気を奪うNGワード3】勉強している姿を見て……「やって当たり前」

 そもそも勉強をするのは子ども自身のためですから、「やって当たり前」という言い方は、間違いではないのかもしれません。しかし、もしお子さまから、「親なのだから、ご飯を作るのも洗濯をするのも当たり前」などと言われたら、嫌な気持ちがしますよね。それが自分の役割としての行為であっても、周りの人から努力を認められてこそ、「次もがんばろう」「もっと喜んでもらいたい」といった気持ちがわいてくるもの。親の評価が大きな影響力をもつ子どもほど、そのような気持ちは強いものです。ですから、子どもががんばりをほめてもらいたそうな態度を示したら、素直に「がんばったね」と認めてあげましょう。

 

ただし、「お母さんが言うから、勉強してあげる」といった態度が見られた場合は、ちょっと事情が変わってきます。「やって当たり前」とまでは言わなくても、勉強をするのは、子ども自身のためであることを丁寧に説明してあげる必要があるでしょう。

 

 

【勉強のやる気を奪うNGワード4】子どもが失敗したときに……「だから言ったよね」

 事前に注意したにもかかわらず、子どもが失敗したときなどに発してしまいがちな一言です。確かに、親の言うことを守れば、失敗は減るかもしれません。しかし、失敗から学ぶことも多いものです。この言葉は親心から発せられるのかもしれませんが、裏を返すと、「私の言うことに従いなさい」とも受け取れます。そうしたメッセージを何度も受け取るうちに、子どもは自分で考えたり、決めたりすることが面倒くさくなったり、失敗を恐れて親任せになってしまうかもしれません。状況によりますが、子どもが自分で判断して決断したようなケースであれば、例えその結果が失敗であっても、尊重してあげることも大切と言えるでしょう。

 

 

【勉強のやる気を奪うNGワード5】子どもがほめてほしそうなときに……「できて当然」

 テストで良い点数を取って喜んでいるときなど、天狗(てんぐ)にならないように戒める意味で、「できて当然」といった言葉をかけたくなることがあるかもしれません。確かに常に現状に満足せず、高い目標をもち続けてほしいものですが、どれだけ前に進んでも一向にほめてもらえなければ、「いつまでがんばればいいの……?」と疲れて息切れしてしまうかもしれません。がんばったときは、いったん、しっかりと認めてあげて、「努力の成果だね。次もがんばろうね」と、さらに目標をもてるように導いてあげましょう。

 

 

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