虹の原理を知って虹に出会おう 虹色だけでなく、赤や白色の虹もある

子どもには、身近な自然の現象を通して好奇心を育てて欲しいもの。出会えると嬉しい自然現象の代表格ともいえる虹を通して、お子さまの理科への興味をふくらませてみませんか。「なかなか出会えない」と感じられる現象ですが、虹が出やすい条件を押さえれば虹に会いにいくことができます。

ここでは、虹と出会うコツ、虹色でない虹、虹と似ているけれど異なる「ハロ」や「アーク」についてご紹介します。

この記事のポイント

雨は虹と出会うチャンス!虹ができる条件と消えるまでの時間

「なかなか出会えない珍しい現象」と感じるかたもいらっしゃるかもしれません。しかし、タイミングをつかめば、虹に会いにいくことは意外に難しくないものです。

虹に出会いやすいタイミングや場所をチェックして、お子さんと一緒に虹に会いにいってみましょう。

虹ができる条件と見えやすい場所

雨上がりの空に現れる大きな虹は、大気中の水滴で太陽の光が屈折・反射することで起きる現象です。太陽と反対側の空で雨が降っていたら、虹に出会うチャンス。「晴れ間が見えているけど局地的に雨が降っている」という天気雨は、特に狙い目です。

虹に出会いやすい季節は、地域によって異なります。関東などの太平洋側なら夏の大気の状態が不安定で積乱雲が発生して天気雨になりやすい頃。日本海側では、雨が降ったりやんだりする春や秋で、「西高東低の冬型の気圧配置」になる前後が見やすいでしょう。一方、沖縄などの南側では一年を通じて虹を見られます。

うまく虹と出会うには、リアルタイムの気象レーダーの雨量情報を使って雨雲が通り過ぎるタイミングで太陽と反対側の空を見るのがコツ。高い建物や橋の上などから見ると、丸い形をした虹を見つけやすくなります。

太陽の光が強ければ「ダブルレインボー」も

虹が出るタイミングで太陽の光がとても強ければ、虹が2つできる「ダブルレインボー」に出会えるかもしれません。

アーチの内側が紫色で外側が赤色になるのが「主虹(しゅこう)」という、よく見られる虹。ダブルレインボーは、太陽の光が強いときに主虹の外側に色の並び方が逆になった「副虹(ふくこう)」が現れる現象です。

太陽の光が強い日に虹を見つけたら、虹の周辺もじっくり観察してみましょう。もしかしたら副虹を見つけられるかもしれません。

虹が消えるまでの時間

ただ、残念ながら虹はずっと見え続けているわけではありません。空の虹は早いと一瞬で、比較的長く出続けるとしても1時間ほどで消えてしまいます。

降ったりやんだりを繰り返すような日であれば、1日に何回も虹が見えることもあります。リアルタイムの雨量情報を使って、虹探しにチャレンジしてみましょう。

一方、太陽が出ている限り見え続ける虹もあります。噴水や滝にできる虹や、庭などにジョウロで水をまいたときにできる虹です。

公園に行ったり水やりをしたりするとき、夕立や天気雨があったときなど、お子さんと一緒にいろいろな虹を探してみてください。

7色にならない「赤虹」「白虹」「過剰虹」

虹の色といえば、日本では7色。理科年表では6色、ドイツでは5色など、色に関する地域や文化の差はありますが、虹は「複数の色が並んだもの」というイメージをもつかたが多いでしょう。

ところが、そうした地域や文化の差とは別に、1色だけの虹や通常の虹より色が多い虹もあります。

日本の「虹色」は赤から紫までの「7色」

「虹色は何色あるか」は地域や文化によって違いが見られますが、日本では「赤・橙・黄・緑・青・藍・紫」の7色といわれています。

よく見られる主虹の色は、内側が紫で外側が赤。光が強いに見られる副虹は内側が赤で外側が紫になります。

7色より少ない「赤虹(あかにじ)」と「白虹(しろにじ)」

ところが、実はいわゆる「虹色」より少ない虹もあります。「赤虹」と「白虹」です。その名のとおり、赤虹は赤い色だけでできている虹、白虹は白く見えます。

赤虹は、赤く焼けた太陽の光が、雨の粒に入って生まれる現象。日の出直後や日の入り直前の天気雨のときに出会いやすいでしょう。

白虹は、水滴が雨よりも小さく、光が粒の中ではなく外側をまわりこんで進むことで生まれる虹です。霧が晴れてきたときなどは白虹が見えるかもしれません。

7色より多い?! 「過剰虹(かじょうにじ)」

1色だけの虹がある一方で、通常の7色より多く色が見える虹もあります。「過剰虹」と呼ばれる現象です。

過剰虹は、雨粒の大きさが均一にそろっている時に見られるもの。主虹の内側に何色か重なって色の帯が見えたり、副虹の外側にさらに何色かの帯が見えたりします。比較的観察しやすいのは、主虹の内側にできる過剰虹です。

虹を観察する際は「7色ある」と決めつけず、お子さまと一緒に色の数を数えてみましょう。紫色が2回出てきたら過剰虹かもしれませんよ。

虹の仕組みと「アーチ型」とは限らない虹の形

ちなみに、虹の形もいつも「アーチ型」とは限りません。虹全体の形は、本当は「円」だからです。私たちが見ている虹は、虹の円の一部分なのです。

実際、日の出や日の入くらいに見える虹は、太陽の位置が低いので半円に近い形になります。逆に太陽がとても高い位置にある場合は、空の低い位置にだけ虹が見えることも。あまりアーチ型には見えないでしょう。

太陽の高さによって、虹のどの部分が見えるのかが変わります。虹を観察する際は、太陽の高さと虹の形の関係も意識すると面白いでしょう。

雨が降らなくても虹が出る? 「ハロ」と「アーク」

雨が降っていないのに、空に虹色の光が見えることがあります。一瞬「虹が出てる?」と思ってしまいますが、これは「ハロ」や「アーク」とよばれる現象。虹とは別物です。

ハロやアークとは? 虹との違い

ハロは太陽を中心とした光の輪。アークは空にうす雲やいわし雲が出たときなどに見える虹色の光の現象です。アークには虹が逆さまになったような形、水平になったような形、横向きのアーチ型など、さまざまな種類があります。

<ハロ>

<アーク>

虹は水滴によってできますが、ハロやアークは氷の結晶によってできるという違いがあります。また、虹の主虹は内側が紫である一方、ハロやアークは「すべて太陽側が赤い」という違いもあります。

ハロやアークが出やすい時期

ハロやアークは頻繁に出現する現象です。うす雲やいわし雲を見たら、ハロやアークに出会えるかもしれません。

基本的には1年を通してハロもアークも観察できます。特にハロ出やすい時期は4月~6月です。

アークが出やすい時期は、種類によって異なります。「水平虹(すいへいにじ)」と呼ばれる「環水平アーク(かんすいへいあーく)」は、太陽が高くないと見られない現象。4月~8月のお昼前後が狙い目です。

一方で、「逆さ虹(さかさにじ)」と呼ばれる「環天頂アーク(かんてんちょうアーク)」は、太陽の高度が低いければいつでも見えるため、一年をとおして観察可能。虹が逆さまになったような形をしています。

ハロやアークの見つけ方

ハロやアークを見つけるコツは、自分の手のひらを使って太陽との位置関係をつかむことです。大人の手と子どもの手は大きさが異なりますが、腕の長さも異なります。そのため、自分の手を使うことで、大人も子どもも同じようにして探すことができます。

まず、手のひらを広げ、空に向かってまっすぐ腕を伸ばしてみましょう。小指の先を太陽に重ね、親指の先端までの距離が「手のひら1つ分」です。

手のひら1つ分のところに太陽を中心とした虹色の円が見えたら、それがハロです。さらに、手のひら2つ分のところにもハロが見えることもあります。

環天頂アークは、太陽の上側、手のひら2つ分のところに現れます。太陽の位置が低い朝や夕方に探してみましょう。環水平アークが出現する位置は、太陽の下側、手のひら2つ分のところです。

まとめ & 実践 TIPS

虹に出会うには、夏の夕立、雨が降ったりやんだりする時期、天気雨のときに太陽とは反対側の空を見るのがコツ。気象レーダーの雨量情報を使って、雨が通り過ぎるタイミングを狙ってください。

もし太陽の周辺に虹色の輪や帯がある場合は、ハロやアークと呼ばれる現象です。親御さんもお子さんも、自分の手のひらを使って位置をつかめば見つけやすくなるでしょう。うす雲やいわし雲が出ているときがチャンスです。

お子さんと一緒に、空に現れる虹色を探してみてください。

『すごすぎる天気の図鑑』KADOKAWA
雲、雨、雪、虹、台風、竜巻など空にまつわる、おもしろくてためになる知識をやさしく紹介。『天気の子』気象監修者・荒木健太郎さんが教えてくれる、とっておきのネタが満載です。

プロフィール

荒木 健太郎(あらき けんたろう)

雲研究者、気象庁気象研究所研究官、博士(学術)。
専門は雲科学・気象学。防災・減災のために災害をもたらす雲のしくみの研究をしている。
映画『天気の子』気象監修。NHK『おかえりモネ』気象資料提供。MBS/TBS系『情熱大陸』など出演多数。主な著書に『世界でいちばん素敵な雲の教室』(三才ブックス)、『雲を愛する技術』(光文社)、『雲の中では何が起こっているのか』(ベレ出版)、気象絵本などがある。Twitter:@arakencloud

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