毎年200億円はどこへ? 学校に届かない図書館予算

毎年200億円はどこへ? 学校に届かない図書館予算子どもたちの「学力」を養うのに、重要な役目を果たすのが読書習慣だ。問題解決能力を育成する「調べ学習」の場としても、学校図書館の役割は大きくなっている。ところが、文部科学省の調査から、学校図書館の中身に大きな課題があることがわかった。ベネッセ教育情報サイトでは、教育ジャーナリストの斎藤剛史氏に、学校図書館の現状について尋ねた。

 

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学校の図書館や図書室には、子どものために必要な本がきちんとそろえられていなければなりません。文科省は「学校図書館図書標準」として、学校の規模ごとにそろえるべき蔵書数などを定めたうえで、その整備のために予算を出しています。現在は、2012(平成24)年度から始まった「学校図書館図書整備5か年計画」が進行しており、毎年約200億円(合計約1,000億円)が、公立小中学校の蔵書充実のために措置されています。

 

しかし、文科省が行った2014(平成26)年度「学校図書館の現状に関する調査」によると、2013(平成25)年度末時点で図書標準に見合う蔵書数の整備を達成している公立学校は、小学校が60.2%(2011<同23>年度末は56.8%)、中学校が52.3%(同47.5%)というのが実態です。

 

国が毎年200億円もの予算を投入しているのに、学校図書館の蔵書整備が進まないのはなぜでしょうか。それは蔵書整備のための予算が、地方自治体が自由に使える地方交付税の中に計上されているからです。つまり、市区町村などの財政事情や政策方針などによって、本来は学校図書館に回すべき予算がほかの事業に回されてしまい、学校現場に届かない地方自治体があるのです。

 

家庭の経済格差が広がる中で、子どもたちに読書の習慣を身に付けさせる学校図書館の役割は今後、ますます重要になるでしょう。しかし、学校図書館の蔵書などは、学校関係者以外の人々の目に触れる機会があまりないため、整備が後回しになっているという事情もあるようです。

 

出典:学校に届かぬ図書館予算 「言語活動」重視で課題は? -ベネッセ教育情報サイト

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