【いきものシリーズ】ミミズが自然界の中で果たしている大きな役割とは?
秋から冬にかけて土の中で過ごすミミズですが、初夏になると土から顔を出しはじめます。その見た目から、「気持ち悪い!」といった声がよく聞かれるミミズですが、私たち人間をはじめ、多くの植物にとってなくてはならない存在だということを知っていますか?ミミズが自然界の中で果たしている大きな役割について勉強してみましょう。
ミミズの体はどうなっているの?
どちらが前でどちらが後ろかわかりにくいミミズですが、ちゃんと口と肛門があります。白く盛り上がった「環帯(かんたい)」と呼ばれるものがあるほうが口です。ミミズの口は、吸盤のようになっています。この口で落ち葉をムシャムシャと吸い込んでいくのです。
ミミズは土の中で何をしている?
ミミズの大きな役割は、落ち葉を食べて、そして排泄するということ。ミミズは落ち葉を食べるときに、大量の微生物を飲み込みます。そしてその微生物が排泄されると、窒素、リン、カリウムなどの栄養が豊富な腐植土のもとになるのです。腐植土は保水性、通気性に優れ、作物の栽培に適しています。ミミズがいる土といない土では、作物の成長にも大きく差が出るのです。
ミミズが動くだけで土がよくなる
ミミズは、土の中を掘って移動します。この動きによって地中深くの土は絶えず掘り起こされていき、自然と耕された状態になるのです。ミミズがいる土は、フカフカになり水はけがよくなります。また、ミミズの体を覆っている粘液にも窒素が含まれており、ミミズが動き回ることで土に混ぜられ、さらによい土になっていくのです。
食べて排泄し、そして動き回るだけで土を栄養たっぷりの腐植土へ変えていくことのできるミミズ。畑だけではなく、山や森などあらゆるところで、ミミズは土を育み続けています。あらゆる生物を支えているのはミミズだといっても過言ではありませんね。今度ミミズを見つけたら、ぜひじっくり観察してみてください。