成績上位層と中位層、実は勉強時間にあまり差はない。では、差があったこととは?【前編】

調査・研究の観点から子どもたちの教育を考えるベネッセ教育総合研究所と、日々お客様の声に耳を傾け教材を制作する進研ゼミ『中学講座』。今回はそれぞれを代表するお二人にお越しいただき、まもなく始まる新学期に向けて、成績を伸ばすための「勉強のやり方」についてお話しいただきました。
※実際の対談はマスクを着用し、感染症対策を万全にした上で実施をしております。

目次

成績上位層と中位層、学習時間の差はたった9分

岡部悟志(おかべ・さとし):ベネッセ教育総合研究所主任研究員。これまで高等教育や社会人領域の調査研究を担当。現在は、乳幼児から初等中等領域までの、子どもの発達や成長、保護者の子どもへのかかわりや教育観などに関する調査研究に取り組む。

岡部悟志(以下、岡部):成績に関連のある項目として真っ先に思い浮かぶのは学習時間でしょうか。ただ、中学生になると部活等で忙しくなるので、家で勉強に使える時間はみなさんほぼ同じ。そのため、中学生の1日の学習時間は上位層と中位層で実はあまり差はありません。その差はわずか9分です。

山根伊都子(以下、山根):小学生のころは勉強時間が長ければ長いほど成績がよい印象がありますが、中学生になると時間で差はほとんどつかないのですね。確かに、成績が上の子は、「平日は朝学習」「日曜日の午前中は暗記」など、時間の長さよりも使い方を意識している印象があります。

出典:東京大学社会科学研究所・ベネッセ教育総合研究所「子どもの生活と学びに関する親子調査2021」
注1)ここでの学習時間は1日あたりの「宿題の時間」「宿題以外の勉強をする時間」「学習塾の時間」を合計したもの(分)。

岡部:中学生は忙しいとはいえ、新型コロナウイルス等の影響で部活に制限があったり学校行事が無くなったりと、以前の中学生に比べると時間があるともいえます。その時間をなんとなくやり過ごすのか、少しでも学習に取り組むのか。ご家庭での9分の差が積み重なり、だんだんと大きな差になっているのかもしれません。

山根:まとまった時間が取れなくてもスキマ時間をうまく活用して、勉強時間をつくる。そのために、家族や周りの友達などをうまく巻き込みながら勉強できる環境をつくることも大事ですね。しかし、家庭での学習時間の差が9分しかないのであれば、上位層と中位層の違いは学習の「質」にあるということでしょうか。

成績上位層は、勉強のやり方を工夫している

山根伊都子(やまね・いつこ):進研ゼミ『中学講座』編集長。小・中学生対象の教材開発・マーケティング業務を担当。現在は中学講座事業の責任者として、多様化する中学の授業・テスト、高校入試に対応できる講座開発に取り組んでいる。

岡部:その通りです。中学生の半数以上が行っていたことで、上位層と中位層で特に差がついた項目は、「テストで間違えた問題をやり直す」「自分に合った勉強のやり方を工夫する」「何がわかっていないか確かめながら勉強する」でした。中上位層であれば、テスト前にがんばって勉強するのはみなさん同じかもしれません。ただ、上位層が違うのはテストの後。自分の間違いから学べているかどうかです。

山根:例えば、英語の前置詞を間違えたとして、「ここは“at”じゃなくて“for”だったのか」で終わらせるのではなく、「なぜ”for”だったのか」「他の言い方はあるか」などまで考えられるかどうかが、成績を上げるためには大事なのですね。

出典:東京大学社会科学研究所・ベネッセ教育総合研究所「子どもの生活と学びに関する親子調査2021」
注1)「よくする+ときどきする」の%。

岡部:上位層がなぜ見直し・解き直しをするかというと、それをやると次はもっとできるようになる、他にも応用できると体感として知っているからだと思います。

山根:進研ゼミ『中学講座』では、1度間違えた問題を1週間後に解き直しを促す仕組みを取り入れていますが、確かに「解き直しをする生徒のほうが成績がよい」という分析結果も出ています。

岡部:また、「自分に合った勉強のやり方を工夫している」点も上位層の特徴です。ただ、多くの人は得意な教科もあれば苦手な教科もあります。まずは、得意教科でうまくいっている勉強法を苦手教科に取り入れてみるなどもいいかもしれません。自分の課題と向き合うことがやがて成長につながる、そういった実体験を子どもに積ませてあげたいですね。

成績上位層は、「考えること」を大切にしている

岡部:上位層の問題への取り組み方の特徴として、「問題の解き方を何通りも考えること」や「論理的に(筋道を立てて)考えること」が得意という傾向があります。ただ量をこなすのではなく、一つの問題を背景なども含めて複数の視点から多面的に考える、「他に解き方はないか」「なぜそうなるのか」を考えながら繰り返し解いてみる、といった姿勢が重要だと思います。

山根:『中学講座』の数学には「思考力問題」がありますが、上位層ほど問題を解くのを楽しんでくれています。また、上位層ほど苦手な教科の何が苦手なのか、ただ「数学がニガテ」ではなく「図形ができない」「関数はニガテ」など、自分のつまずきを見極めて解消することができています。これは、高校受験に向けても非常に重要な観点だと考えています。

山根:もし、それが勉強で難しい場合は、社会問題に対して同様に捉えていくことが、考え方や視野を広げることにつながると思っています。『中学講座』でも、SDGsや紛争などについて問題提起をし、みんなで意見交換できる場、「ミライ科」を用意しています。

岡部:得意なことや好きなことを一歩深めて、「自分はこれをこんなふうに見ているから好きなんだ」「こういうことができているから得意なんだ」と実感する。そうやって、好きなことが自信につながるように深めてみると、もっと学びたいという気持ちが広がっていくのだと思います。

後編では、勉強以外の観点から、成績上位層と中位層の違い、さらには今この瞬間から実践したい習慣について議論していきます。


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プロフィール

中原絵里子

中原絵里子

トラストコーチングスクール認定コーチ、マザーズコーチングスクール認定マザーズティーチャー。自分を信頼し、周りからも信頼されるためのコミュニケーションの技術を学ぶ講座「トラストコーチングスクール」や、子どもの自己肯定感を育むコミュニケーションを学ぶ「マザーズコーチングスクール」を提供する傍ら、ビジネスパーソン向けのキャリアコーチングも。ライター、編集者としても活動中。https://www.erikonakahara.com/

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