警察官の仕事内容は? なるにはどうする?年収や試験内容、向いているタイプも紹介

私たちの暮らしを守ってくれている「警察官」。身近なところで目にして、あこがれているお子さまもいるでしょう。テレビなどでもよく見かける職業ですが、警察官の仕事はどんなものなのでしょうか? そして、警察官になるにはどうしたらよいのでしょうか? 気になる年収や将来性、どんな人が向いているのかについても紹介します。

この記事のポイント

警察官とは?

警察官の責務については、警察法で次のように規定されています。

警察は、個人の生命、身体及び財産の保護に任じ、犯罪の予防、鎮圧及び捜査、被疑者の逮捕、交通の取締その他公共の安全と秩序の維持に当ることをもつってその責務とする。(警察法第2条第1項)

警察官は、人々を混乱や危険から守り、安全な社会を維持するために、犯罪捜査をしたり、防犯指導や交通安全指導をしたり、パトロールをしたり、さまざまな形で私たちの生活を守ってくれています。

警察官の仕事内容とは

警察官とひと口にいっても、仕事内容はさまざまです。数多くの部署や業務、職種があります。

「地域警察」は、地域のパトロールや遺失物への対応、犯罪者の検挙など、地域の安全を守る仕事。いわゆる「おまわりさん」と呼ばれる、一番身近な警察官です。「交通警察」も、私たちに近い存在。交通違反の取り締まり、交通事故や事件の捜査、交通安全教室の開催、運転免許に関する事務などを担当しています。白バイ隊員も交通警察の一員です。

「刑事警察」は、テレビドラマでなじみのある刑事と呼ばれる人。事件を捜査し、解決に導く仕事で、この中には鑑識官や検視官も含まれます。「生活安全警察」は、詐欺やひったくり、少年犯罪やサイバー犯罪など、生活に近しい犯罪対策を行う職種です。防犯教室の開催や相談業務も行っています。

そのほかにも、国家の安全を守る「公安警察」や警察組織全体の事務を担当する「総務」などがあり、それぞれ違った専門性を持って働いています。

警察官の働き方はどんな感じ?

警察官は、交番勤務か警察署勤務か各都道府県の県警本部勤務かや、部署によって働き方も異なってきます。いくつかの例をご紹介しましょう。

交番勤務の1日

交番勤務は、日勤、夜勤、非番、公休などの交代制が導入されています。日勤の場合は、仕事は朝礼からスタート。交番にいる間は、遺失物の相談といった来訪者の対応がメインの仕事。そのほかの時間は、管内のパトロールや街頭監視、巡回連絡などを行い、勤務中に事件や事故が発生した場合は、初動対応として現場に駆け付けます。

勤務中は交代で仮眠と食事休憩を取ります。次の交番勤務者が来たら引き継ぎを行って帰宅します。

夜間、休日出勤もある

勤務時間は、部署によって異なります。公務員と同じ時間帯で勤務する場合もあれば、交番勤務のように交代制の場合もあり、夜間勤務が発生する部署も少なくありません。警察署や都道府県警本部勤務の場合も、大きな事件や事故が発生すれば、深夜や休日に出勤することもあります。

特に刑事の場合は、突発的な事件に対応しなければなりません。そのため、時には残業が続くこともあるようです。

国家公務員の警察官と地方公務員の警察官について

警察の組織は、「警察庁」と47の「都道府県警察」の2つで構成されています。警察庁の職員は国家公務員、都道府県警察の職員は地方公務員です。警察官の多くは、後者の都道府県警察に所属しています。

一地方で発生した事件はその地域を管轄する都道府県警察が担当し、広域犯罪や大規模な災害が発生した時は警察庁がまとめ役となって事件の解決に当たるのが、警察の仕組みです。ちなみに、東京都の警察本部だけは「警視庁」という名前で呼ばれており、日本の首都を守る最大の警察組織になります。

警察官の年収は?

地方公務員である都道府県警察の平均年収は、722万21円です。

※令和3年地方公務員給与の実態 職種別職員の平均給与額より
給与月額合計(46万1882円)×12カ月+平均賞与(167万7437円)で算出
賞与は期末手当と勤勉手当の合計額
平均月収には、地域手当や扶養手当、特殊勤務手当などの諸手当含む
国家公務員または地方公務員である警察官の給料は、人事院勧告に準じて設定されます。ちなみに、警視庁Ⅰ類(2022年)の初任給は25万3300円です。同じ警察官であっても、階級や役職、都道府県によって給料に違いがあります。

警察官になるためには

都道府県警察は地方公務員となるので都道府県の「警察官採用試験」、警察庁であれば国家公務員となるので「国家公務員試験」に合格する必要があります。

都道府県警察の場合は「警察官採用試験」に合格すると「警察官採用候補者名簿」に名前が載ります。その後、全寮制の警察学校に入校。卒業後に各都道府県警察に配属となります。

警察庁の場合は「国家公務員試験」合格後、官庁訪問を実施。採用面接を通過すると、内定となります。

特別な資格が必要?

警察官になるために取得しておくことが求められる資格はありません。ただし、都道府県警察では、各自治体が指定する資格を持っていることで加点される場合があります。語学系資格や情報処理系資格などが加点されることが多いようです。希望する自治体の募集要項を確認しておきましょう。

警察官採用試験に合格することが必要

都道府県の警察官になるためには、各都道府県が実施する警察官採用試験に合格するのが一般的です。警視庁(東京都の警察)の場合は、Ⅰ類(大卒程度)とⅢ類(高卒程度)に分けて行われていますが、名称や区分は都道府県によって異なります。

また、警察庁の警察官になるためには、国家公務員採用試験に合格する必要があります。皇室関係の警察官である「皇宮護衛官」の場合は、人事院が行う皇宮護衛官の採用試験に合格しなければなりません。

警察官採用試験の試験内容とは?

都道府県警察の採用試験は、一次試験と二次試験とに分かれています。各自治体ごとに異なる部分もありますが、全体的な内容はほぼ同様です。

一次試験

一次試験では、次の4つが課されます。

・筆記試験(教養、論作文、国語試験)
・資格経歴等の評定
・第1次適性検査

・筆記試験
教養では、文章理解、数的推理、資料解釈、判断推理といった知能、また、政治経済や歴史といった一般知識が問われます。論作文では「警察官に求められる倫理観とは」といった課題に対する思考力や表現力、構成力が問われるものとなります。

・資格経歴等の評定
特定分野の資格や経歴を採用試験の成績に加味するもので、柔道や剣道などの武道・スポーツや、ITパスポートなどの情報処理の分野、TOEICなど語学分野などの資格が評価対象になります。
詳細は下記を確認してください。
資格経歴等の評定(警察官) | 採用情報 | 令和5年度警視庁採用サイト

・第1次適性検査
警察官としての適性を見るための記述式の試験です。

二次試験

二次試験では以下の4つが課されます。

・面接試験
・身体検査
・体力検査
・第2次適性検査

・面接
多くの自治体で個人面接となってはいるものの、自治体によっては集団面接やグループディスカッションが実施されます。

・身体検査
警察官として問題なく勤務できる健康状態にあるかを見る検査です。視力・色覚・聴力の検査や、運動能力については下記の条件を満たす必要があります。

・体力試験
社会の安全を守る警察官に求められる身体能力が備わっているかが検査されるものです。自治体によって内容は異なりますが、腕立て伏せ、反復横とび、握力などが検査されます。

・第2次適性検査
こちらも、警察官としての適性を見るための記述式の試験です。

参考:採用案内(警察官) | 採用情報 | 令和5年度警視庁採用サイト

必要な学歴と受験できる年齢

都道府県の警察官採用試験は、学歴によって採用区分が分かれており、主に大卒程度(Ⅰ類)、短大卒程度(Ⅱ類)、高卒程度(Ⅲ類)の3つがあります。なかには東京都のように2つしか区分がない場合もあり、名称もさまざまです。

受験年齢も、自治体によって条件が異なります。たとえば、令和4年度の大阪府警察官の募集概要では、A区分(大卒程度)B区分(A区分以外)共に「平成元年4月2日から平成17年4月1日までに生まれた人」となっており、年齢上限は33歳です。

警察官採用試験でも、身長や体重、視力、運動機能など、身体的な条件が受験資格として設けられています。

取得していると有利な資格は?

先述のとおり、都道府県警察官になるために取得必須の資格はありません。ただし、各自治体が指定する資格や経歴を保持していれば加点されます。試験で十分な得点ができれば、加点がなくても合格できますが、合格の可能性を高めるためにも、アピール材料とするためにも、希望する自治体が指定する資格を保持しておくとよいでしょう。たとえば、次のような資格や経歴が対象となることが多いようです。

・英語検定やTOEIC®
・中国語検定
・ハングル能力検定・韓国語能力試験
・ITパスポート
・基本情報技術者
・剣道や柔道の段位
・全国規模以上のスポーツ大会の出場歴

警察官の将来性は?

安全な社会の実現のため、警察官の果たす役割の重要性は増すばかりです。将来性が十分であるからこそ、社会の変化に応じて絶えず知識やスキルのアップデートを行うことが求められるでしょう。

多様化する犯罪に対応できる力が必要

犯罪も多様化・高度化してきています。外国人が関係するケースも増えていることから、今後は語学に強く国際感覚に優れた警察官が求められるようになるでしょう。最新の科学技術を使用した捜査にも対応できる、ハイテク分野に強い人材も必要になります。

また、不正アクセスやSNSを利用した詐欺・恐喝など、インターネットを舞台とした犯罪も近年増加しており、対応が急がれています。ストーカー被害や児童虐待、特殊詐欺などにも注目が集まっており、犯罪防止のためにもさまざまな対策が必要です。時代とともに変化していく犯罪の脅威に立ち向かえるよう、常に知識をアップデートしていく能力が求められています。

女性も働きやすい職場に

警察官の仕事の中には、女性だからこそできることがあります。特に、女性が被害者となる性犯罪やDVといった事件の場合は、同性である女性警察官の力が欠かせません。児童虐待など子どもが被害者となる事件でも、女性が対応することが多いようです。

近年は女性の採用にも積極的で、街にも女性警察官の姿が増えてきました。女性が働きやすいよう、職場環境の整備も行われています。また、ワークライフバランスを実現するための積極的な取り組みも試行錯誤されているようです。

警察官にはどんな人が向いている?

警察官に向いている人は、どのような人なのでしょうか。3つの特性をご紹介します。

強い正義感とチームワーク

犯罪を取り締まるのが警察官のメインの仕事。そのため、正義感が強い人が向いているでしょう。また、警察官は組織で働く仕事です。規律をしっかりと守り、チームワークを重視できる力も必要となります。

困っている人に寄り添える心

警察官の仕事は、犯罪者を取り締まるだけではありません。困っている人を助けるのも大事な仕事です。

道に迷った人を助けたり、落とし物への対応をしたり、ストーカーや詐欺被害の相談に乗ったりすることもたくさんあるでしょう。困っている人を助けるためには、親身になって話を聞いたり、相手が安心できるように声をかけたりすることが必要。警察官には、優しい心と、高いコミュニケーション能力も求められるのです。

健康な体

犯罪者の確保には、格闘をしなければならない可能性もあります。そのため、体力があり、機敏な動きが取れることも重要です。日頃から健康な体と体力を意識した生活を心がける必要があるでしょう。

まとめ & 実践 TIPS

社会の安全のために働く警察官。事件の解決だけでなく、交通安全やパトロール、落とし物への対応など、さまざまな形で私たちを見守ってくれています。体力だけでなく、困っている人に寄り添う気持ちやコミュニケーション力も必要な仕事。多様化する犯罪に対応するために、今後はさまざまな知識やスキルも求められるでしょう。

「誰かのために働きたい」「人助けをしたい」「事件を解決したい」など、警察官になりたいと思う理由は人それぞれ。警察官の仕事内容も、部署や職種によって異なります。どんな警察官になりたいのか、将来のビジョンを思い描いて、進む道を決めていけるとよいですね。

出典:マナビジョン 職業情報 警察官
https://manabi.benesse.ne.jp/shokugaku/job/list/019/index.html?utm_source=kj&utm_medium=banner&utm_campaign=manabi

出典:令和3年地方公務員給与の実態 職種別職員の平均給与額
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_gyousei/c-gyousei/kyuuyo/pdf/R3_kyuyo_1_03-2.pdf

出典:大阪府警 令和4年度募集概要
https://www.police.pref.osaka.lg.jp/saiyo/keisatsukan_saiyo/6/seido/4387.html

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