子どもに思いやりの心を持ってもらうためには? 心を育むために保護者ができること
みなさん、お子さまにどのように育ってほしいですか? さまざまな願いがあると思いますが、「思いやりの心をもってほしい」というのは、多くの保護者が抱いている願いではないでしょうか。
しかし、お子さまが友だちとけんかすることも多く、「うちの子には思いやりがないのかも……」と悩んでいる保護者もいらっしゃるかもしれません。そこで今回は、思いやりの心を身につけるために気をつけるべきことなどをご紹介します。
子どもは自己中心的で当たり前!
まだ幼いお子さまにとって、世界は自分を中心に回っています。眠いとき、おなかがすいたとき、泣けばまわりの大人が動いてくれます。
当然、自分中心でしか物事を考えられませんが、それはごく自然な成長の一過程です。だんだん大きくなるにつれ、「優しくしてもらえるのは当たり前じゃないんだ」「自分の思い通りにならないこともあるんだ」と気づきます。
お子さまによってそれぞれですが、3歳ごろから徐々に相手と自分とは異なる感情をもつことを理解すると言われています。その過程でお子さまどうしのけんかやトラブルが起こるのは当然のこと。温かく見守り、ときに手を差し伸べてあげましょう。
思いやりの心を育むポイント3つ
では次に、具体的なポイントを3つみていきましょう。
【1】相手の気持ちを一緒に考える
人を思いやるには、「相手がどのような気持ちか」を考える力、共感できる力が必要です。しかし、前述の通り、お子さまにとって自分以外の他人の気持ちは簡単に理解できるものではないため、保護者が少しずつ教えてあげる必要があります。
まずは、自分の気持ちを客観視できるような声かけをしましょう。「あのときはどんな気持ちだった?」「どうして譲ってあげられなかったのかな?」などです。
そして、他者の気持ちを想像させましょう。「あの子はどんな気持ちだったと思う?」「こんなことを言われてあの子はどう思ったかな?」など、こうしたコミュニケーションが、相手の気持ちを感じとる練習になります。
【2】遊びが思いやりを育てる
働くパパや赤ちゃんを育てるママ、先生やヒーローになりきる「ごっこ遊び」は、他人の気持ちや挙動を考えなければ演じられません。
絵本を読めば、登場人物の気持ちに寄り添うことを覚えます。また、「こういうことをしてはダメ」ということを知ります。
「もう1回!」「もっと!」と、何度もせがまれることもありますが、その遊びが思いやりを育てていると思えば、一緒に笑顔で楽しめるのではないでしょうか。
【3】ものを大切にすることを教える
人だけでなく、動物、食べ物、草花、すべてのものに「感謝」の気持ちをもたせることも大切です。あらゆるものが溢れかえり、蛇口をひねれば水がいくらでも出る現代だからこそ、ものに対するありがたみを感じにくくなっています。
「いただきます」「ごちそうさま」を言い、食事に感謝しましょう。自分より小さな動物を大切に扱いましょう。ものを大切にすれば、他人の大切なものや、他人の気持ちも大切に扱うようになります。
親の背中を見て子は育つ
思いやりは言葉だけで教えられるものではありません。「こうしなさい!」と言うより、行動を見せることが何よりも有効なのです。お子さまは保護者の行動をよく見て、まねをしようとするからです。
まずは保護者が人を思いやり、ものを大切にしましょう。夫婦でお互いを敬い合い、思いやり、「ありがとう」「ごめんね」などの言葉をかけ合っていますか? ものを粗末に扱っていませんか?
また、保護者もお子さまに優しくしましょう。優しくされたことのない子は、優しさの示し方がわかりません。自分が受け入れられた、優しくされたという喜びが、思いやりの心を大きくします。頭ごなしに「ダメ!」と言うのではなく、お子さまの言葉に耳を傾け、共感することも大切です。
いかがでしょうか。思いやりの心を育てよう!と意気込む必要はありません。保護者がまわりに優しい気持ちをもって接することが、お子さまの思いやりの心につながるのです。まさに子どもに育てられているようですね。
忙しい日々の中でも、保護者のかたは感謝の気持ちと思いやりの心を常に意識しながら、お子さまに接してあげてくださいね。