親を「うざい」と思う子どもの心理とは?年頃の子どもを持つ親ができる対処法

最近子どもが「うざい」とよく言うな……と思っていませんか? 自分自身でもあまり使いたくない「うざい」(うざったい)という言葉。ただ、中学生くらいの子どもが親に対して持つ「鬱陶しい、面倒だ」という気持ちはある程度理解できるでしょう。
保護者のかたも子どもの頃には「放っておいてほしい、そこまで気にかけないでほしい」という気持ちが多少なりともあったはず。それでは、子どもにうざいと思われないために保護者のかたはどうすればよいのでしょうか。

この記事のポイント

「うざい」と思うのは感謝できないから

「うざい」と思う状況を自分に置き換えてみて

まずは、ご自身の立場で考えてみましょう。自分が願ってもいないのに、自分の生活をチェックされ、正しい方法を指導され、間違えれば勝手に直され……。そのうえ、「せっかくしてあげているのに」と言われたら、やはり「うざいな」と思うはずです。
「親子」という関係だからこそ、ついやり過ぎてしまいがち。ただ、親子とはいえそれぞれ別の人間だということは忘れないようにしたいですね。

子どもが親の立ち場を理解するのは難しい

同じ言動でも、「ありがたいことだ」と思えたとき、うざいという感情は消え去ります。保護者のかたも、親になって自分の親のありがたさがわかったときに、そんな気持ちになったのではないでしょうか。
ただ、思春期にある子どもたちは、理由のないいらだちに苦しんでいます。そんなときに、今当たりまえにある生活を感謝するのは難しいもの。保護者のかたが思春期の頃に親の気持ちを理解できなかったように、お子さまも今は理解できないのかもしれません。

子どもとの間に一線を引く

思春期は子どもとの距離を見つめ直す時期

子どもにうざいと思われないために必要なのは、「子どもとの間に一線を引く」ということです。子どもとの距離感を見つめ直すと言ってもよいでしょう。
今までは子どもより先回りをして考え、「後で困らないように」と子どもにアドバイスしたり、注意したりしていたと思います。様子を見ながら、それを徐々にやめていきましょう。

「先回り」ではなく「待ち」の姿勢で

学校の忘れ物ひとつとっても、「忘れてもなんとかなる」のであれば、本人が忘れて実際に困るまで口出しする必要はありません。何度か困りごとが続けば、そのうち自分自身で対処するようになります。助けを求めてきた場合には、求められただけの手伝いをしてあげましょう。
どうなると困るのか、どこまでいったら困るのかは、人によって違います。その判断を、親が勝手にしてはいけないのです。

親も子離れが必要

子離れできるのは子どもが成長した証

「自分が何かしなくても、結構なんとかなってしまうものだ」と考えるのは、親としても少し寂しく感じるでしょう。しかし、逆に考えればそれだけ子どもが成長したということ。むしろ喜ばしいことです。
そして、このタイミングで親も子離れをした方が、うまくいくようになります。

自立のために「やらない」というサポートを

日々の生活の中で、「これをしてあげなくちゃ」と思ったときには、一度考え直してみてください。「しなくてもなんとかなるのでは?」と思ったら、そのサポートはやめてみましょう。
多少だらしなくなっても、多少生活リズムが乱れても、子どもはいつか自分のペースを自分自身で確立してくれる日がきます。そのために、「やらない」という新しいサポートを始めてみましょう。

食事面だけは気にしてあげて

ただし、食事だけは成長の基礎となるものです。まだ自分自身でコントロールできるものではないため、少し気をつけて用意してあげてください。
ただし、「食べなさい」ではなく、「用意してあるから」というように、一歩引いた声かけをすることが大事。「うざい」という言葉やそういった態度を繰り返す時期は、これで十分です。

まとめ & 実践 TIPS

親を「うざい」と思うのは、それだけ子どもが成長した証でもあります。一人前の大人として自立していくために、子どもも葛藤しながらがんばっているのでしょう。「自分もこんな時期があったな」と思いながら、一歩下がってお子さまを見守ってあげてください。親子ともにストレスが溜まりがちな思春期は、適度な距離感が大切です。

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