エープリルフールは、由来さえジョーク!?
最近では、有名企業がホームページに手の込んだジョークを掲載するなどして盛り上がっており、毎年楽しみにしている人も多いエープリルフール。由来には諸説ありますが、今回はそのいくつかをご紹介しましょう!
フランスで「嘘の新年」として盛り上げたことが始まりという説
かつてフランスでは、3月25日を新しい年の始まりの日としており、4月1日まで新年の祭りをしていました。しかし16世紀に国王・シャルル9世が新しい暦を採用し、新年の始まりは1月1日へと変更。ところが、このニュースに反発した人や信じなかった人たちは、暦が変わったあとも、4月1日を「嘘の新年」として祭りを続けていたのです。
この騒ぎに怒った国王は、騒いでいた人々を処刑してしまいました。そこで、この悲劇を忘れないようにするため、あとのフランスの人たちも4月1日を「本当でないことを信じさせる日」としてあえて盛大に祝うようになります。さらにこの風習がイギリスに伝わり、独特のジョークが加わって、「嘘公認の日」として各国に大流行したといわれています。
「ノアの方舟」に登場する、ハトの話を由来とする説
旧約聖書に登場する「ノアの方舟」を起源とするものも、エープリルフールの由来を示す説の一つです。物語の中でノアは、大洪水が治まってきた頃を見計らって、陸地を探すためにハトを飛ばします。しかしハトは陸を見つけられないままノアのもとへ戻ってきてしまいます。伝説では、このハトが戻ってきたのが4月1日とされており、この物語が転じて「無駄なことをさせられる日」になったそうです。
古代ローマで行われていたという「逆さま祭り」を起源とする説
古代ローマでは、4月1日は「逆さま祭り」というものを行っていたそうです。これは、一日だけ主人と使用人が入れ替わるという祭りで、この日だけは使用人を主人の椅子に座らせ、主人はその使用人に仕えるなど、立場を反転して過ごしたといわれています。つまり、身分の高い人が座る席に、道化師(FOOL=フール)を座らせたことから、4月1日が嘘をついてもいいフールの日になったという説です。
修行を終えるとまた迷いが生じてしまう、インドの修行僧をからかった説
その昔、インドの修行僧たちは、春分の日から3月末まで、悟りの境地に達するための厳しい修行を行っていました。ところが、せっかく修行をしたのに、4月1日に修行が終わるとそれが嘘だったかのように俗人に戻ってしまうことから、4月1日を「揶揄節(やゆせつ)」と呼んでからかったことが、「無駄な嘘をついてもいい日」に発展したといわれています。
いずれの説も本当かどうかわからないところが、エープリルフールそのものを表しているようでおもしろいですね。
参考:三浦康子監修『もっと!暮らしたのしむ なごみ歳時記』(永岡書店)