苦手を克服! 古文の「係結び」の見分けポイント
まずは、例を一つ挙げましょう。
現代文で「朝は一段とすばらしい」という内容を、「朝こそは一段とすばらしい」というように、「こそ」という言葉を使うと、「朝」が強調されて伝わります。
古文に置き換えてみます。
「朝はひときはめでたし。」という文の、「朝」を強調すると......
「朝ぞひときはめでたき。」となります。
強調のための助詞「ぞ」を使うと、文末も「めでたし」が「めでたき」に変化します。
「係り結び」とは、このように文の内容を強調したり、疑問・反語を表したりするために使います。
では、係り結びが使われているかどうかを見分けるポイントは?
文中に「ぞ・なむ・や・か・こそ」が出てきたら、これらは「係助詞」です。係助詞の登場は、文末(結び)の活用形が変化するよという合図です。
そして、「係り結び」は、次のようにパターン化されています。
(1) 文中の「ぞ・なむ」→文末は「連体形」・意味は強調
(2) 文中の「や・か」→文末は「連体形」・意味は疑問(反語)
(3) 文中の「こそ」→文末は「已然形(いぜんけい)」・意味は強調
※「こそ」だけが已然形と覚えよう!
それぞれのパターンの、例文を挙げてみましょう。
・朝はひときはめでたし。→ 朝ぞひときはめでたき。
*「ぞ」(係助詞)があることにより、「めでたし」が連体形に変化。
・さぬきのみやつこといひけり。→ さぬきのみやつことなむいひける。
*「なむ」(係助詞)があることにより、「けり」が連体形に変化
・惜しむべきやうあり。→ 惜しむべきやうやある。
*「や」(係助詞)があることにより、「あり」が連体形に変化
・いづれの山天に近し。→ いづれの山か天に近き。
*「か」(係助詞)があることにより、「近し」が連体形に変化
・~と聞こえけり。→ ~とこそ聞こえけれ。
*「こそ」(係助詞)があることにより、「けり」が已然形に変化
ポイントは、「ぞ・なむ・や・か・こそ」を見落とさないこと。文末の結びは、変化の法則(「こそ」は已然形で、それ以外は連体形)さえ覚えてしまえば、簡単です。
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