花粉症のある子、過半数が学習への影響アリ

アンケート期間 2011/11/02 回答者数:2,632人
アンケート対象:本サイトメンバー 高校生以下の子どもがいる保護者

※百分比(%)は小数点第2位を四捨五入して表示した。四捨五入の結果、各々の項目の数値の和が100%とならない場合がある



毎年2月くらいから花粉症についてのニュースが増え始めます。今回はお子さまの花粉症について、高校生以下のお子さまをお持ちの保護者を対象に、学習面への影響の有無、症状にどう対応しているかなど、さまざまな角度からお聞きしています。
今回のアンケートは、小1~中3のお子さまをお持ちの保護者にご協力いただきました。


約4割の家庭に花粉症の子どもがいる!

最初に、花粉症の症状があるお子さまがいらっしゃるかどうかを伺いました。

【図1 あなたには花粉症の症状があるお子さまがいらっしゃいますか?】

図1 あなたには花粉症の症状があるお子さまがいらっしゃいますか?

「我が家には花粉症の子どもがいる」という保護者は、約4割でした。


病院に行く時期は「3月」がピーク!

次に、お子さまが花粉症で病院に行く時期を伺いました。また、お子さまが花粉症の時期にどのような対応・配慮をしているかも、お聞きしています。

【図2 お子さまが花粉症で病院に行く時期を教えてください】

図2 お子さまが花粉症で病院に行く時期を教えてください


【図3 お子さまが花粉症の時期、どのような対応・配慮をしていますか? (複数回答)】

図3 お子さまが花粉症の時期、どのような対応・配慮をしていますか? (複数回答)

「子どもはこの時期に花粉症で病院に行く」という保護者の割合は、「1月」から少しずつ増え、「3月」で最も高くなりました(図2参照)。約66%と、「1月」の倍以上にはね上がっています。
そして「4月」が63%、「5月」が44%と少しずつ減少。「6月」には20%前後にまで下がっています。「9月」から「11月」にかけてふたたび上昇しますが、その間の割合は、高い時期でも「3月」の半分未満でした。
こうした病院に行く時期の違いは、飛散する花粉の種類によるものです。
一方、お子さまの花粉症に対する保護者の対応・配慮としては、「手洗い・うがい・洗顔(眼)をさせる」「マスクを着用させる」という声がともに65%前後に達しています(図3参照)。「その他」の回答として、「空気清浄機の使用」「薬の服用」などを挙げるかたもいました。


花粉症が学習に影響すると感じるのは、こんな理由!

続いて、保護者が、花粉症はお子さまの学習に影響すると感じているかどうかを伺いました。

【図4 お子さまが花粉症の時期、お子さまの学習への影響はありますか?】

図4 お子さまが花粉症の時期、お子さまの学習への影響はありますか?

「子どもが花粉症の時期は、子どもの学習に影響があると感じる」という保護者は6割近く。過半数の保護者が、お子さまの学習に対する花粉症の影響を感じていました。その理由や状況は、というと……。

●目や鼻をかゆがって、勉強に集中できません。原因は花粉症だとはっきりしているのに耳鼻科に行きたがらず、困っています
●しょっちゅう鼻がつまってしまい、集中力が続かないと言っています。夜、寝つきも悪いようです
●鼻がつまると頭がボーッとして勉強が手につかない。鼻水を止める薬を飲むと眠くなって集中できない。うちの子は、この悪循環から抜け出せません
●眠くなると授業に集中できないので、日中は薬を飲まないように伝えています。ところが、薬を飲まないと花粉症の症状が止まらないため、イライラして、結局授業には集中できないそうです
●娘はもともと肌が弱いのですが、花粉の時期はかぶれて真っ赤になり、とてもかゆがります

目のかゆみや鼻水、鼻づまりといった症状により、「学習に集中できない」という声が目立ちました。そうした症状を抑えようとお子さまに服薬させる保護者もいました。ところが一方では、「薬を飲むと副作用で眠くなってしまうから、やはり集中できない」という声も寄せられています。
花粉症はこのようにやっかいなものですが、入学試験への影響を気にかける保護者の割合は、必ずしも多くありません。2012(平成24)年の春にお子さまが入学試験を受ける予定の保護者に伺ったところ、「花粉症の影響が気になる」という声は約半数にとどまりました。
図2で見たように、受験のクライマックスである1月から3月にかけては、花粉症での通院がピークを迎える時期。それでも、約半数の保護者が「花粉症の影響は気にならない」と感じているのは、少し意外ではないでしょうか。


花粉症の子どもの増加、保護者はこう捉えている!

近年、花粉症にかかる子どもが増えていると言われています。『鼻アレルギー診療ガイドライン2009』によれば、1998(平成10)年から2008(同20)年の10年間で5~9才の花粉症発症率は約2倍に増えています。
今回のアンケートでは、「子どもの花粉症の増加により、自分の子どもへの影響を感じている」という保護者は、全体の3割を超えました。実際に以下のような声が聞かれました。

●担任の先生も子どもの花粉症に対して理解を深め、症状が重いときは気遣ってくれるようになりました
●うちの子は花粉症なのですが、今までは教室に花粉症の友達がおらず、授業中に鼻をかんだり、マスクをしたりする姿が目立ってしまっていました。これから花粉症の子どもが増えれば、そうした姿も目立たなくなるでしょう。また、子どもの花粉症に悩む保護者も増えるはずなので、相談し合いたいと思います


花粉症の発症にいかに備えるべき!?

次に、「子どもは現在、花粉症ではない」という保護者を対象に、花粉症の発症に備えて何か準備などをしているかどうかを伺いました。

【図5 現在は花粉症ではないが、花粉症の発症に備えて何かしていることはありますか?】

図5 現在は花粉症ではないが、花粉症の発症に備えて何かしていることはありますか?

「花粉症の発症に対して備えていることがある」という保護者は、全体の1割ほどでした。具体的には、次のような備えが挙がっています。

●外出時にはマスクを着けさせています
●リビングや子どもの部屋に空気清浄機を置いています
●うちの子は喘息の症状があるので、もし花粉症になったらどの薬を用いるべきかを、かかりつけのお医者さんに相談しています
●うちの子は花粉症ではありませんが、花粉情報などで空気中の花粉の量が多いとされた日は、念のため洗濯物や布団を外に干さないようにしています
●花粉症に限らず、アレルギー疾患などを全般的に予防するため、子どもの食生活にはかなり気を遣っています
●手洗いとうがいをしっかりすること。これは花粉症に限らず、ほとんどの病気を未然に防ぐ基本だと思います

また、図1で「子どもは花粉症ではない・疑いがある」と回答した保護者を対象に、お子さまの花粉症の知識量についてお聞きしたところ、「子どもは知識がある」という保護者が6割以上を占めました。症状がない場合、あるいは花粉症かどうかはっきりしない場合でも、お子さまに花粉症に対する知識は持たせているご家庭が多いことがわかります。


子どもの花粉症に関する保護者の悩みをご紹介!

では保護者は、お子さまの花粉症について何に困り、どのような情報を求めているでしょうか。最後に、そちらをご紹介します。

☆花粉症について知りたいこと、困っていることなどありましたらお聞かせください。

●眠くなりにくい薬、副作用の少ない薬には、どのようなものがあるでしょうか。あまり情報がなくて困っています
●うちの子は花粉症ですが、部活や習い事などで忙しく、病院に行く時間を思うようにとれません。そのため、自宅でできる治療法はないかと探しています
●バイオテクノロジーが発達した現代では、花粉症の症状をやわらげる成分などの解明も進んでいるのではないかと思います。身近な食材で効果的なものがあれば、知りたいです
●子どもの花粉症の症状がひどいとき、体育など屋外で体を動かす授業を見学させるべきかどうかで悩んでいます。ほかのご家庭ではどうされていますか?
●子どもの花粉症が増えていると聞いてはいますが、実際どれくらい増えているのかはいまひとつはっきりわかりません。発症数、増加率を詳しく知りたいです。また、本当に増えているとしたら、行政がどのような対応を考えているのかも気になります


今回のアンケートでは、花粉症に悩むお子さまをやわらげようと、さまざまな声がけや工夫をしている保護者がたくさんいました。手洗い・うがいや洗顔(眼)、マスク着用を呼びかけるだけでなく、「花粉の多い日には洗濯物を外に干さない」「バランスのよい食事をつくる」など、保護者の気配りはお子さまの生活全般に及んでいます。
お子さまの症状が少しでも軽減するような対策を講じて、花粉症を乗り切りたいものですね。Benesse教育情報サイトでは、花粉症の専門家による記事「子どもの花粉症が増えている!」なども公開しています。参考にご覧ください。


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