理科の実験の単元が苦手…自宅学習で克服するには

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小学校の理科では、実験を通して知識や技能だけでなく思考力や表現力を身に付ける単元があります。
学校では実験器具や実験をする場所もありますが、ご家庭で実際に実験をすることは簡単ではありません。では、実験の単元をどのようにご自宅で学習すればよいのでしょうか。
ここでは、実験の単元を予習するときと、復習するときのポイントについて紹介します。

この記事のポイント

予習のときは、実験結果を「予想」する

まず、実験の単元を予習するときのポイントです。
実験をするときにやるべき大事なことの一つは、何がどうなっているのかを「予想」することです。なぜなら、そもそも実験の多くは、何がどうなっているのかを「予想」して、それを「確かめる」ために行うものですから、「予想」がなければ実験をはじめられません。

たとえば「物の溶け方」の実験の予習では、水の量や温度を変化させたとき、その水に溶ける物の量はどのように変化するかを「予想」します。
「電磁石の強さ」の実験の予習では、電磁石を強くするためには、何をどうすればよいかなどを「予想」します。
以上のように、自宅で予習するときは、「予想」することに時間を使うとよいでしょう。

実験の「予想」では筋道を立てて考えることが大事

一つ気を付けていただきたいのは、どんな「予想」でも構いませんが、実験の「予想」では、自分なりに筋道を立て、つじつまの合う「予想」をすることです。

お子さまに声かけをするときは、「どうしてその予想になったのかな?」と、考えた過程を確認してみてください。
子どもにとって「筋道を立てる」というのは難しく、またそれを他人に説明するのはもっと難しいことです。ですので、答えるまで時間がかかってしまうかもしれませんが、待ってあげてください。

この「筋道を立てる」「他人に説明する」という行為は、実験の知識や技能の習得の手助けになるだけでなく、思考力と表現力の強化にもつながりますので、お子さまが自分の言葉で話し出すまで待ちましょう

  • 予習のときは「予想する」「筋道を立てる」「他人に説明する」ことに時間を使い、知識・技能だけでなく、思考力と表現力も鍛える

実験の復習で大切な2つのポイント

次に、実験の単元を復習するときのポイントを2つ紹介します。

1.実験の復習では考察とまとめを確認

一つ目は、実験の考察やまとめをしっかり確認しておくことです。
実験の結果からどのようなことが言えるのかを考え、実験を通してわかったことをまとめておきましょう。

たとえば、実験の時間に学校で配られる実験プリントなどには、結果から考えられることや、結論を書く部分があると思います。
その部分がしっかり書けているかを確認しましょう。

よくあるのが、実験結果まではしっかり書けているのに、最後の考察とまとめの部分が書けていないこと。復習の時は、この考察とまとめを確認し、自分の言葉で他人に説明できるように、お子さまに働きかけてください。

2.実験で学んだことを身近なものに関連付けて理解を深める

二つ目は、実験で学んだことを身近なものに関連付けて理解することです。
たとえば、ホットコーヒーには角砂糖を入れるのに、アイスコーヒーにはガムシロップを入れるのはなぜか?

これは「物の溶け方」で学ぶ、温度と物の溶ける量の関係から「予想」できます
砂糖は冷たいものには溶けにくく、あたたかいものには溶けやすいからと考えられます。
また、宇宙まで飛んでいくロケットには、大量の燃料だけでなく酸素も積まれています。

それはなぜか?
これは「燃焼の仕組み」で学ぶ、ものが燃えるためには、酸素が必要であることから「予想」できます。
宇宙には空気がないため、宇宙で燃料を燃やすために酸素を積んでおく必要があると考えられます。

以上のように、復習の時は、実験を振り返り考察やまとめをすること。それから、実験の内容と身近なものを関連付けて考え、理解を深めることがポイントです。

  • 復習の時は「考察」「まとめ」「身近なものとの関連付け」を意識することで理解を深める

まとめ & 実践 TIPS

実験の単元を自宅で学習する際の予習のポイントは、結果を「予想」すること。
どんな「予想」でも構いませんが、筋道を立て、つじつまの合うように考え「予想」することが大事です。「なぜ、そのような予想になったのかな?」と、お子さまに問いかけてみましょう。思考力も表現力も身に付きます。

そして復習の時は、実験の結果だけでなく、考察とまとめを確認することが大事です。また身近なものと関連付けることで、さらに実験で学んだことの理解は深まります。
実験を通して、理科の面白さを発見してもらえたらうれしいです。


株式会社プランディット 編集事業部 理科課 白鳥
編集プロダクションの株式会社プランディットで、進研ゼミを中心に、小学校から高校向けの理科の教材編集を担当。

プロフィール



1988年創業のベネッセ・グループの編集プロダクションで,教材編集と著作権権利処理の代行を行う。特に教材編集では,幼児向け教材から大学入試教材までの幅広い年齢を対象とした教材・アセスメントの企画・編集を行う。

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