『ベネッセ進学フェア2014』講演会【第2回】「2015年度入試 押さえておきたい時事問題」

社会科入試問題の専門家、早川明夫氏が、2015年度入試における時事問題の傾向と対策をお話しします(『Benesse進学フェア2014』講演会 2014<平成26>年5月、東京国際フォーラムより)。

<Benesse進学フェア2014 早川明夫さん講演会(動画)>



試験でねらわれる時事問題の特徴

入学試験における時事問題は、主に受験する前の年に起こった国内外の重大な出来事です。つまり今の6年生の場合ですと、今年起こった主な出来事が取り上げられることが多いです。

時事問題は、皆さんが学校で学んでいる社会科の学習内容に関係の深いものがよく出題されます。たとえば、沖ノ鳥島は日本の最南端の島であることを社会科で習いますが、2014年度入試では、沖ノ鳥島で桟橋を設置する工事について出題されました。もし沖ノ鳥島が水没してしまうと、日本の面積約38万平方キロメートルより広い、約40万平方キロメートルの排他的経済水域が失われてしまいます。日本の領土から370キロメートル範囲にある海の資源などは、日本が優先的にとることができるのですが、水没してしまうと、今までの場所でとれなくなります。
日本の最南端が沖ノ鳥島なら、いちばん北の端の島はどこでしょうか? 東の端は? 日本の領土の東西南北の端にある島を確認しておきましょう。



周年問題は第一次世界大戦に注目

今からちょうど100年前、1914年に、第一次世界大戦が起こりました。こういう節目の年に起きた問題=「周年問題」が出されることもよくあります。第一次世界大戦の10年前、1904年に起こったのが日露戦争、さらにその10年前に起こったのが日清戦争です。来年の時事問題では、第一次世界大戦やその前後の歴史上の出来事が取り上げられる可能性が高いでしょう。
今日の日本や世界が抱えている環境問題や人口問題、日本の社会保障問題も広い意味で時事問題です。自分が受験する学校の過去問を調べておいてください。



2014年度入試で出題された問題の傾向

今年、2014年度入試で出題された時事問題を少し紹介します。

(1)法を守る義務があるのは、どのような人たちか?
そもそも憲法というのは権力者、政治を行う人たちが守るものなんです。国民は憲法を守る側にありません。守らせる側にある。そういう考えなんです。

(2)集団的自衛権とはどのような権利ですか?
日本と同盟を結んでいる国が攻撃されている時、日本が攻撃されていなくても一緒に戦わなくてはならない、とする集団的自衛権。これに反対する声があるのはどうしてなのか、その理由まで聞いています。

これら憲法がらみの問題は、まちがいなく来年度も多くの学校で出題されます。



2015年度入試に向けた出題予想

2015年度入試で押さえておきたい時事問題を、7つ挙げます。

出題予想(1) 消費税
今年の4月から消費率が8%になりました。来年は10%になるのか、消費税の問題点は何か、なぜ消費税を上げるのかが問われます。

出題予想(2) 国民投票法改正案
これは憲法改正手続きを定めた96条と併せて見ておいてください。

出題予想(3) TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)
協定国間の貿易において、原則としてすべての品物に関税をかけないことになります。関税とは、輸入品にかける税のことです。

出題予想(4) 憲法9条問題
憲法9条がノーベル平和賞候補に挙がっています。ねらわれると思います。

出題予想(5) 富岡製糸場世界遺産登録
100%、断言できます。来年度入試の大きな目玉になるでしょう。

出題予想(6) 首都直下型地震
首都直下型というと、東京の真下で地震が起こると思っていませんか。そうではなくて、東京、千葉、埼玉などの南関東で起こる地震を、首都直下型地震と呼んでいます。

出題予想(7) ブラジルに関する問題
ブラジルがねらわれると思います。今年のサッカーワールドカップ、2016年のオリンピック開催国です。ブラジルについて、いろいろと勉強しておいてください。

以上です。新聞を読んだり、本を読んだりして備えましょう。皆さんがんばってください。


プロフィール

早川明夫

早川明夫

社会科入試問題研究の第一人者。大学付属中高の教頭を経て、文教大学で社会科の教員養成にあたった。現在、文教大学生涯学習センター講師。『応用自在』『考える社会科地図』『総合資料日本史』などテキストや参考書の監修・執筆多数。『ジュニアエラ』の総監修者。

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