生後1年までに行われる赤ちゃんの行事行いかたや注意点は?

生まれてから1歳になるまでの1年間には、昔から言い伝えられているお祝い行事が数多くあります。今回は、その代表的な行事と、それぞれのお祝いの方法や注意点についてご紹介します。

生後7日目【お七夜(おしちや)】

「お七夜」とはその名が表すとおり、赤ちゃんの誕生から7日目の夜を指します。赤ちゃんの健やかな成長を願って行うこの日のお祝いは、古く平安時代から続いていると言われており、もともとは名前を付け、その土地の神様に報告をするものとして行われていました。

◆お七夜で行うこと
お七夜の主な目的は、赤ちゃんに名前を付け命名書を書き、まわりの人たちにお披露目をすることです。現在では退院したばかりのタイミングと重なることから、退院祝いを兼ねて赤飯や尾頭つきの魚などの祝い膳を囲み、内々でお祝いするケースが多いようです。
命名書には、赤ちゃんの名前を大きく書くほか、生年月日、両親の名前、長男・長女などの続柄を書きます。そして、お七夜のお祝いの際、命名書を神棚(ない場合は床の間やベビーベッドの横の壁)に飾ります。 命名書はふつうの白い紙でも十分ですが、専用の用紙が市販されているので、好みのものを選ぶことができます。また、出産後すぐに祝い膳を用意するのが難しい場合には、大きな字で名前を書いたお気に入りの命名書と一緒に、家族で写真を撮るだけでも記念になりますよ。
ちなみに、現在は民法で生後14日以内に出生届を出すよう定められていますので、お七夜までに名前が決まらなくても法律上問題はありません。

生後1カ月頃【お宮参り】

生後1カ月を迎えたことをお祝いする「お宮参り」。その土地の守り神に赤ちゃんの誕生を報告し、健やかな成長を願うために行われます。
お宮参りの方法は、それぞれの地域によって異なります。また、男の子は生後31、32日目、女の子は32、33日目と、性別によって行うとよいと言われる日が異なります。

◆お宮参りで行うこと
赤ちゃんを連れて社寺にお参りをするのがお宮参りです。心を込めて感謝とご挨拶をし、お賽銭を供えるだけでも問題ありません。
神社で祝詞(のりと)をあげてもらいたい場合は、事前に予約を行いましょう。同時に、地域によって納めるべき料金が違うため、お宮参りに行く社寺に確認しておくと安心です。赤白の蝶結びののし袋を用意し、上段に「初穂料」「御玉串料」、下段に赤ちゃんの名前を記入します。

◆お宮参りの服装
男の子は鷹や鶴などおめでたい熨斗目模様(のしめもよう)のついた黒羽二重の紋付、女の子は花柄のちりめんや友禅の祝い着を着せるのが一般的ですが、最近はベビードレスにケープをかけるスタイルも定着しています。お参りや記念撮影、食事会などと、長時間になってしまうこともあるので、お子さまが機嫌よく過ごせるように、季節に合わせて暑さ寒さを調節できるものを選んであげましょう。
保護者は、赤ちゃんの衣装に合わせて、訪問着やワンピース、スーツなどを着るかたが多くみられます。授乳の必要がある場合は、授乳に適したワンピースなどを選んでおくと安心です。神様さまへのご挨拶の場なので、カジュアルすぎる服装は避けた方がよいでしょう。

生後100日目【お食い初め】

お子さまが食べ物に困らないようにという願いを込めて行われるのが「お食い初め」です。お食い初めもお七夜同様、平安時代からその元となる行事があったと言われています。一般的な時期は生後100日目ですが、地域によっても異なりますし、絶対にこの日に行わなくてはならないと決まっていません。保護者のかたや赤ちゃんの体調、集まる親せきの都合などを考慮しながら、お祝いの席を設けるのがよいでしょう。

◆お食い初めで行うこと
まだ離乳食開始前ですので、祝い膳は用意するものの、実際には食べさせるまねだけを行います。メニューは特に決まっていませんが、尾頭つきの焼き魚(鯛など)、煮物、香の物、汁物、白飯または赤飯などの一汁三菜が一般的です。祝い箸で、それぞれの食材をお子さまの口元に近づけてあげましょう。無理に口の中に入れる必要はありません。
最後に、丈夫な歯が生えてくるように願いを込めて、歯固め石をお箸でちょっとさわり、そのお箸をお子さまの口元にちょっとつけてあげましょう。歯固め石は、お宮参りの際に神社でいただけることもありますが、神社の境内の石をお借りしてきたり、ネットで購入したりすることもできます。
正式な祝い膳では、男児は朱塗り、女児は内側が朱で、外側が黒の漆器を使用しますが、ふだん使える食器でもよいでしょう。

生後半年【ハーフバースデー】

アメリカやイギリスの風習だった「ハーフバースデー」が、日本でも広がりつつあります。誕生日が祝日や休暇と重なってしまうお子さまのために、あえて誕生日ではなく半年前に、みんなそろって祝福しようという目的で行われたのが始まりでした。

◆ハーフバースデーで行うこと
日本にはもともとお祝いをする文化のなかったハーフバースデー。そのお祝いの方法はさまざまです。離乳食のケーキを食べたり、寝相アートをしたり、写真館で写真を撮ったり、家庭によっていろいろです。
暖かい季節であれば、家族でお花見や公園へお散歩、近場へのドライブなど、お子さまと一緒に初めて体験できることを考えてみるのもおすすめです。もともと日本にはなかった文化だからこそ、形にとらわれることなく自由に楽しみましょう。

初めて迎える節句【初節句】

お子さまが生まれて初めて迎える節句を「初節句」と言い、盛大にお祝いをするしきたりがあります。女の子は桃の節句、男の子は端午の節句をお祝いします。
生まれてすぐに迎える場合は、翌年に行う家庭も多いようです。

◆初節句で行うこと
桃の節句では、母親の実家からひな飾りを贈るというならわしがあります。今は住宅事情に合わせた小さなひな飾りもたくさんありますので、いただく場合は事情を伝えておくのがよいでしょう。祝い膳には、定番のちらし寿司、縁起物の食材であるはまぐりなどが親しまれています。
「こどもの日」でもある端午の節句は、鯉のぼりを飾ってお祝いするのが一般的です。鎧兜や武者人形を飾る風習もあります。祝い膳には、ちまきや柏餅を食べると縁起がよいと言われています。
いずれも両家の祖父母や親せきなど、身近な人を招いてお祝いするのが一般的です。まだお子さまが離乳食の場合には、いつもの離乳食をちょっと飾ったり、細工してあげたりするだけでも喜んでもらえますよ。
また、さまざまな理由からひな人形や鯉のぼりなどを用意できないという場合には、それぞれの節句にちなんだ衣装を着て写真を撮っておくだけでも記念になります。

生後1年【初誕生】

昔はお正月ごとに年を重ねる「数え年」の考え方が一般的であったため、誕生日にお祝いする風習はありませんでしたが、生まれて初めての誕生日だけは特別です。大々的にお祝いを行うのが通例でした。
初誕生のお祝いの行いかたも、地域によって差があります。

◆初誕生で行うこと
初誕生で行うことは地域によってさまざまですが、多くは「餅」を使ったお祝いをします。昔はこの日に餅をつく「誕生餅」という風習がありました。赤ちゃんが力強く育つように、一生食べ物に困らないようにという願いを込め、餅を背負わせたり、踏ませたりする風習もあります。

足型を残したり、家族写真を撮影したりするのもよい記念になりますね。また、誕生日プレゼントに迷ってしまったらベビーリングを贈るのもおすすめです。
誕生石をあしらったり、内側に1歳の誕生日の日付を刻んだりしておけば、特別感を演出できます。さらに、大事に保管しておいて、お子さまが成人した時など大人になってからプレゼントしたら喜んでもらえるのではないでしょうか。
豪華な祝い膳やプレゼントは必要ないという場合には、手作りケーキなどを用意してはいかがでしょう。水を切ったヨーグルトとベビー用ビスケットでつくったケーキなど、1歳のお子さまでも食べられるケーキを用意して、折り紙で作った王冠をのせてあげるだけで、親子で思い出に残る初誕生が過ごせますよ。

今や時代とともにお祝いの形も変化し、形式などにとらわれず自由にお祝いをする家庭も増えています。
大切なのは、行事を行うことではなく、日々の成長を喜ぶことです。仕事や体調などの理由で行事ができなくても、しきたりにならって行うことができなくても、気にすることはありません。赤ちゃんがこれからも元気に育ってくれるよう、愛情いっぱいで接してあげてくださいね。

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