部活に熱心な子どもに保護者の8割は満足している!

アンケート期間 2011/2/23~2011/3/8 回答者数:2,734人
アンケート対象:全国の本サイトメンバー 中学生・高校生の運動部の子どもを持つ保護者(1,553人)と文化部の子どもを持つ保護者(1,181人)

※百分比(%)は小数点第2位を四捨五入して表示した。四捨五入の結果、各々の項目の数値の和が100%とならない場合がある



今回のテーマは、部活動。お子さまの学校生活を充実させる活動の一つとして、大切だと考えている保護者のかたも多いのではないでしょうか。それだけに、部活動の選び方や部活に所属することのメリット・デメリットなどは、保護者のかたとしても気になるところだと思います。そこで、中学生・高校生のお子さまをお持ちの保護者に、部活動についての意見を、運動部・文化部に分けてさまざまな角度から伺いました。


活動時間・頻度とも、運動部が文化部を上回る!

最初に、部活動の活動時間・頻度を伺いました。

【図1 長期休みでない時の正式な活動日は、平均して週に何日でしょうか?】
図1 長期休みでない時の正式な活動日は、平均して週に何日でしょうか?


【図2 平日の活動日の活動時間は平均してだいたいどのくらいでしょうか?】
図2 平日の活動日の活動時間は平均してだいたいどのくらいでしょうか?


【図3 夏休み中の正式な活動日は何日くらいありましたか?】
図3 夏休み中の正式な活動日は何日くらいありましたか?




1週間の平均活動回数(図1)を見ると、「5日」以上の割合は運動部で約8割。一方、文化部では5割弱でした。
平日の活動時間(図2)は、運動部では「1時間30分以上2時間未満」の割合が最も高く、次いで「2時間以上2時間30分未満」。文化部では、「1時間以上1時間30分未満」と「1時間30分以上2時間未満」とが、ほぼ同じ割合で最も高くなりました。つまり、運動部のほうが平均30分ほど長く活動していることになります。
また図3からは、夏休み中の活動日も文化部より運動部のほうが多いことがわかります。運動部では「活動日は20日以上ある」という割合が6割に達するのに対し、文化部では「活動日は10日未満である」という割合が約半数を占めていました。



部活動は、大半のご家庭でお子さまが自主的に選択!

続いて、お子さまの部活動選びについて伺いました。ご家庭で相談したりルールを設けたりすることはあったでしょうか。

【図4 お子さまが部活動を選ぶときに、ご家庭で相談したりルールを決めたりしたことは何かありますか?】
図4 お子さまが部活動を選ぶときに、ご家庭で相談したりルールを決めたりしたことは何かありますか?



最も多かったのは、「子どもが部活動を選ぶときに、家庭で相談したりルールを決めたりしたことはない」という保護者。運動部で6割以上、文化部で7割以上を占めています。大半のご家庭でお子さまが自主的に部活動を選んでいることがわかります。
では、どのような理由から運動部にするか、文化部にするかを決めたのでしょうか。次のような声が寄せられています

☆運動部を選んだ理由

  • ●もともと体を動かすのが好きだったし、競技として関心を持っていたため、野球部を選んだようです
  • ●運動が好きだったというのが大きな理由だと思います。また、校庭や体育館で活動する先輩たちの姿を見て、「絶対運動部に入ろう!」と決めたと言っていました
  • ●前から興味があったらしく、中学校でテニス部に入りました。高校でも迷わずテニス部を選んだようです
  • ●子どもの学校には、文化部は吹奏楽部しかなく、男子は運動部に入るのが普通というような雰囲気があります。息子は運動があまり得意ではないのですが、ほかに選択肢がないため、運動部に入りました。「科学部があれば良かったのに……」と、少し残念そうでした

☆文化部を選んだ理由

  • ●運動するより絵を描くほうが好きだったので、美術部を選んだようです
  • 以前からピアノを習っていたこと、もともと運動があまり得意でないことなどから、吹奏楽部に入りました
  • ●中学校時代は運動部だったのですが、高校では文化部を選びました。自分には運動部は向かないことに気付いたと言っていました
  • ●運動部にも興味はあったようですが、通学時間が長いため、活動時間の短い文化部のほうが続けやすいと考えたそうです

部活を選ぶ理由として目立ったのは、「好きなことや関心のあることができる部であること」という声。運動が好きなお子さまは運動部に、運動よりも美術や音楽に興味があるお子さまは文化部に入る、という傾向があるようです。
また、「部活動選びについて相談したり、ルールを決めたりした」というご家庭では、次のような話し合いをしていました。

☆運動部を選ぶときの相談内容・ルール

  • ●息子が「剣道を始めたい」と言うので、賛成しました。ただ、防具などを揃えるのにお金がけっこうかかったこともあり、「途中でやめずに、引退まで続けようね」と約束しました
  • ●文武両道! どんなに部活が忙しくても、勉強にも一生懸命に取り組んでほしいと伝えました
  • ●違う年齢の子どもたちといろいろな体験ができるし、基礎体力もつきます。それに、規則正しい生活や、部活などで先輩後輩の規律なども学んでほしいという思いもあり、運動部をすすめました

☆文化部を選ぶときの相談内容・ルール

  • ●自宅から学校まで距離があり、通学に時間がかかります。「運動部に比べて文化部は活動頻度が低く、時間も短いから、負担を感じずに続けられるよ」とアドバイスしました
  • ●できれば運動部に入って体を鍛えてほしいという親としての気持ちは伝えましたが、最終的には「文化系の部活がしたい」という子どもの気持ちを尊重しました

運動部・文化部どちらに入るにしても、「その部活を続けてほしい」という観点から約束をしたり、アドバイスをしたりする保護者が多数でした。


部活選び、こういう点には気を付けて!

お子さまの自主性に任せるという声が多いとはいえ、先輩保護者として「ここは特に気を付けたほうが良い」というポイントも寄せられたのでご紹介します!

☆お子さまの部活選びについて、保護者として気を付けてほしいポイント
◎運動部

  • ●練習があまりにハードだと疲れてしまって、勉強に充てる余力がなくなってしまいます。子どもには入部前に、練習時間や活動頻度などをしっかり把握するよう伝え、入ったらどういう生活になるのかを想像させて、続ける自信があるかどうかをじっくり考えさせることが大切だと思います
  • 万が一、つらいことがあったときには、隠したり我慢したりせずにわたしたち親に打ち明けてほしいと伝えました。また、そういうことがなくても、早朝と放課後の練習が毎日続くなど、部活が始まると子どもの生活は大きく変わります。子どもが一人でつらいことを抱え込まないよう、普段の声がけもこまめにするようにしました
  • ●部活で大切なのは継続だと思います。そのため親は、子どもが続けられるかどうかを考えて、アドバイスをしてあげると良いかも。わたしは、うちの子が「友達と一緒のところがいいから」という理由で部活を決めようとしていたとき、「もっとしっかりした理由で選びなさい」と伝えました。長い部活動の期間には、練習の厳しさや友達との意見の衝突といった困難はつきもの。自分の好きな、本当に興味のある部活を探して入ったほうが、そうした困難を乗り越えやすいのではないでしょうか
  • ●対外試合などで遠征する頻度や、遠征費はどれくらいかかるのかなどは、保護者が調べておいたほうが良いと思います。うちの場合、月2~3回の遠征があり、しかも親の送迎が基本だと入部してから知ったため、わたしたち親は仕事と子どもの部活との両立に四苦八苦。費用も家庭負担の部分が大きく、正直、大変でした
  • ●入ってみたら人間関係が大変だったり、予想以上に用具代が必要になったりすることがあります。さらに、子どものやりたいことと、親としてやってほしいことが一致しないことも。子どもの主体的な部活選びを尊重したいと考えるなら、自分たち親の期待通りにはいかないこともあるということを念頭に置いておきましょう

◎文化部

  • ●文化部といっても、文化祭での発表の準備などで帰宅が遅くなることも。心配し過ぎないよう、どの時期に活動時間が長くなるか、最大で一日どれくらいの時間になるかなどは知っておきましょう。部費や合宿費もあらかじめ把握しておくことをオススメします!
  • ●子どもの学校の吹奏楽部では、楽器は各自での購入が原則。金銭面については子どもだけでは判断できないので、親子で話し合いました。金額によって音色は違い、良い音の出る楽器を使わせてあげたいと思う半面、高額になることが気にかかるというように、我が家では楽器選びでけっこう悩みました
  • ●思いのほか、部費がかかることに驚かされました。子どもの希望を尊重したくても、経済的に厳しい場合もあるので、大まかな必要な費用くらいは知っておいたほうが良いと思います
  • 部活は、先輩とも後輩とも密接なコミュニケーションが生まれる場。多様な人間関係から学べることはたくさんあると思います。そのため、なるべく人数の多い部活に入ってほしいと伝えました
  • 入部後に「自分に合わない」と後悔してほしくありませんでした。そこでわたしは、子どもに、いきなり入部するのではなく、まず仮入部して、顧問の先生の指導や先輩との関係といった部の雰囲気をチェックするよう伝えました

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