部活に熱心な子どもに保護者の8割は満足している!

子どもが熱心に取り組むほど、保護者は部活への満足度は高まる!

次に、お子さまの部活動への取り組み方を保護者はどう見ているかを伺いました。

【図5 お子さまの部活動の取り組み方についてはどのように感じていますか?】
図5 お子さまの部活動の取り組み方についてはどのように感じていますか?


【図6 ≪運動部≫
(横軸)お子さまが部活動に取り組んだことについて、どのように感じていますか?
(縦軸)お子さまの部活動の取り組み方についてはどのように感じていますか?】

図6 ≪運動部≫(横軸)お子さまが部活動に取り組んだことについて、どのように感じていますか? (縦軸)お子さまの部活動の取り組み方についてはどのように感じていますか?


【図7 ≪文化部≫
(横軸)お子さまが部活動に取り組んだことについて、どのように感じていますか?
(縦軸)お子さまの部活動の取り組み方についてはどのように感じていますか?】

図7 ≪文化部≫(横軸)お子さまが部活動に取り組んだことについて、どのように感じていますか? (縦軸)お子さまの部活動の取り組み方についてはどのように感じていますか?



「子どもは、部活動に熱心に取り組んでいると思う」という保護者は、運動部で約5割、文化部では約4割。「普通に取り組んでいる」と合わせると、いずれも8割以上を占めます。保護者がそう感じる理由としては、「練習を休まないから」「部活を楽しんでいる様子が伝わってくるため」といった声が多く寄せられており、運動部か文化部かに関係なく、多くのお子さまが真剣に部活と向き合っていることがわかります。
また、「熱心に取り組んでいると思う」という保護者ほど、「子どもは部活に取り組んで良かったと思う」と感じていました(図6、7参照)。その理由として寄せられたのは、次のような声です。

☆運動部の活動に取り組んで良かったと思う理由

  • ●部活があったおかげで、メリハリのある生活が送れたから。子どもの所属していた卓球部は毎日、朝早くから夜遅くまで練習がありましたが、子どもはうまく時間を使って勉強もし、友達と遊んでもいました。部活を引退してから、突如としてダラダラした生活になってしまったのは残念です……
  • ●努力する喜びを知ってくれたと思うため。1年生でレギュラーに選ばれ、県大会で準優勝して以来、何事にもやる気を持って前向きに取り組むようになり、成績も向上してきました
  • ●雨の日も風の日も、テニス部の練習に毎日打ち込みました。苦しいときもつらいときもあったはずですが、弱音を吐かずにやり遂げたことは、これからの人生にきっとプラスになると思います
  • ●クラスの枠を超えて同学年の友達が増えたし、先輩にもよくしてもらっているようで、毎日生き生きとしています。部活があったほうが、時間をうまくやりくりして、勉強にも集中できるのだと感じています
  • ●小学生のころは小太りだった息子が、バドミントンを中学校3年間続けることで、引き締まった良い体になり、持久力もついたため。また、部活をとおして先輩とも後輩とも素晴らしい人間関係を築けたことも、良かったと思います
  • ●上下関係を学び、礼儀正しくなったと思うから

☆文化部の活動に取り組んで良かったと思う理由

  • ●部活をとおして子どもの成長を実感したため。吹奏楽部に入る前は楽譜さえ読めなかった娘が、今では堂々と楽器を演奏しています。楽譜が読めないことに少しコンプレックスがあったようで、入部前にはずいぶん悩んでいましたが、入ってみたら、仲間や先生がていねいに教えてくれ、あっという間に読めるようになったそうです
  • ●茶道部の活動を通じて、日本のわび・さびの精神を学べると思うから。夏休みに海外でホームステイをしたときも、自分で道具を持って行き、一席設けたそうです。我が子が日本文化紹介の一翼を担っていると思うと、頼もしくなります
  • ●仲間と力を合わせる素晴らしさを実感してくれていると思うから。合唱コンクールの度に一生懸命に練習することで、クラスの枠も学年の枠も超えて、部内が一つになっているようです
  • ●先輩や友人からさまざまなことを学び、人間として成長していると感じるから。学校生活では、もちろん勉強も大切ですが、勉強のほかにも打ち込めるものがあったほうが、感受性が豊かになったり、行動力がついたりすると思います
  • ●部の雰囲気に合っているようで、毎日楽しそうに活動しています。チームで行動することの大変さや喜び、リーダーシップのとり方など、さまざまなことを学んでいると感じます
  • ●好きなだけあって、絵が上手になったと感じます。あまりうまくないわたしとしては、「本当に我が子?」と驚くほどです



保護者の感じる運動部・文化部のメリット・デメリットをご紹介!

では保護者は、部活動に対してどのようなメリット、またはデメリットを感じているでしょうか。最後に、運動部・文化部それぞれに対して伺いました。

☆運動部のメリット

  • ●とにかく体力がついて、病気をしない丈夫な体になります!(テニス部)
  • ●厳しい練習をとおして、体力・気力・集中力がついたと思います(野球部)
  • ●毎日の練習と勉強や遊びとを両立させるため、時間の使い方がうまくなったこと。また、年長者への礼儀も学べたと思います(野球部)
  • ●諦めずに努力を続けることの大切さを学んだと思います。「絶対に県大会で優勝するんだ!」と、家でも自主的に竹刀を振るようになりました(剣道部)
  • ●練習を積み重ねて試合で勝ったときの喜び、惜しくも敗れたときの悔しさなどをとおして、人間として成長できること。実際、息子は精神的に鍛えられたと思います(バドミントン部)
  • ●周囲の友達や先輩と励まし合って、厳しい練習を乗り越えるという体験は、子どもの成長過程に不可欠だと思います(陸上部)

☆運動部のデメリット

  • ●平日は朝練と放課後の練習が毎日あるため、どうしても疲れるようです。そのため、部活が休みの日は寝ていることが多く、勉強の時間が少なくなりがちです(陸上部)
  • ●防具や道具にお金がかかりますし、道着を洗濯するのも大変です(剣道部)
  • ●テニス部の顧問の方針で、どの部員も審判の資格を取ることが義務づけられていたのには困りました。また、対外試合が多く、出費もかさみました(テニス部)
  • ●両膝をケガしてしまい、手術をしました。今はまだ練習も十分にはできません。ずっとがんばってきたのに、そのがんばりがケガにつながってしまうことがある。これが運動部の怖いところだと思います(水泳部)
  • ●いざというときにケガをしてしまい、県大会出場のチャンスを逃してしまいました。本人としても、力がついてきたと実感していたころだっただけに、さぞかし無念だっただろうと思います(バドミントン部)

☆文化部のメリット

  • ●試合に出られない生徒もいるチームスポーツと違って、誰でも展覧会に出品できること(書道部)
  • ●先輩と後輩の仲が良く、過度な競争意識がないため、和気あいあいと穏やかに活動できるところ。また、運動部と違って遠征がないため、費用もそんなにかかりません。絵の具やキャンバスなどにもっと出費がかさむかと思っていましたが、実際はさほどでもありませんでした(美術部)
  • ●活動日が週3日と少なく、勉強と両立できたこと。うちの子は体が弱いので、もし運動部に入っていたら大変だっただろうと思います(美術部)
  • ●運動部ほど、身体能力の差が活動に影響しないと思います。必ずしも全員が公式戦に出られるわけではないものの、うちの子の部活では、たとえ自分が試合に出られなくなっても、他者の実力を認めて応援するような、冷静でフェアな雰囲気があると聞いています(囲碁・将棋部)
  • ●親のわたしが感心するほど文章力がつきました。取材をとおして、物事を多角的に分析する力、客観的に把握する力も養われたと思います(新聞部)
  • ●文化祭やコンクール、定期演奏会など、保護者も見に行ける機会が多いこと。「あれほどのレベルに達するなんてがんばったんだね」「大変だったのよ」というように、親子の会話も弾みます(吹奏楽部)

☆文化部のデメリット

  • ●運動部に比べると引退が遅いため、どの部員も受験モードに入るタイミングがずれ、準備が遅れがちになってしまうこと(吹奏楽部)
  • ●楽器はそれぞれの家庭で用意するのが原則なので、うちでは15万円のフルートを買いました。補修が必要なときもあるため、確かにお金はかかります……(吹奏楽部)
  • ●友達や先輩と協力して一つの目標を達成するという経験が、あまり得られないこと。また、運動不足も気になります(アマチュア無線部)
  • ●成果を発表したり、チームワークを学んだりする機会が少ないこと。また、体も鍛えられません(軽音楽部)
  • ●運動部と違って先輩・後輩の距離が近くないこと。活動日自体が少なく、コミュニケーションの機会が限られるため、中には名前を知らない先輩もいるそうです(科学・理科部)
  • ●「何時まで練習」というスタイルの運動部と違って、放送部は「何日までに原稿を仕上げて、その後、完璧に読めるようになるまでひたすら練習する」というスタイルなので、何時までには終わるという見通しがつけづらく、予想外に遅くなる日もあって心配しました(放送部)


(まとめ)
大半のご家庭がお子さまの自主的な部活選択を尊重していました。一方、数は多くないものの、保護者としての意向を伝えるご家庭も。「一度選んだ以上、責任を持って引退まで続けてほしい」といった意向を持つ保護者が目立ちました。
運動部・文化部どちらであっても、好きなことや興味のある分野に全力でぶつかるお子さまの姿を見ることで、「部活をさせて良かった」と感じる保護者も少なくありませんでした。
とはいえ、遠征や合宿の費用、ユニフォームや用具の代金など、部活にはある程度お金がかかります。その準備のためにも、どの部活に取り組むつもりなのかを、事前にお子さまと話し合っておきたいものですね。


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