【体験談】「部活をやる意味って何?」大学生が語る部活から学べる4つのこと

部活をやる意味って何? 大学生が語る 部活から学べる4つのこと

中学生になると多くの人が始める部活。学年の違う生徒が集まり、スポーツや文化活動を共に行うことは、きっと多くの学びと成長が期待できるでしょう。しかし、あまり部活が楽しくない人や部活に入ろうかどうか迷っている人は、「部活ってなんの意味があるんだろう」「やらなくてもいいんじゃないか」とモヤっとした気持ちを抱えているかもしれません。

そこで今回は、大学生のかたにご協力いただいたアンケートの結果をもとに部活から学べる4つのことや、中高生のかた・保護者のかたに伝えたいことをご紹介します。

部活から学べる4つのこと

部活は、スポーツの楽しさや文化活動から得られるやりがいや達成感、そして結果が出ない時の苦しさなど……本当に多くのことを経験できます。ここでは、大学生の体験談より、部活を通じて学べることを4つご紹介します。

その1.目標に向けて努力し続ける大切さ

その1.目標に向けて努力し続ける大切さ

「卓球部でした。団体戦のレギュラーになりたいという目標達成のために練習に打ち込んでいました。日々ライバルである仲間と県大会に出場することができ、素直に目標に向けて努力する大切さを学びました。また、ストレス耐久力や大人との付き合い方も学んでいたと思います。」(中央大・3年)

「よい成績を残したい」「コンクールで優勝したい」など、どの部活においてもそれぞれの目標に向かってがんばっていることでしょう。目標に向かって努力し続け、結果が出た時のうれしさは何事にも代えがたいものです。

もしよい結果が出なかったとしても、「努力した」という経験が残ります。努力した経験は、きっと自身の成長へとつながるでしょう。

その2.コミュニケーション力

その2.コミュニケーション力

「新聞部でした。いろんな人と話す機会があり、コミュニケーション力が上がったと思います。自分で特集を決めて取材、記事作成を行うため、計画性や行動力も身に付きました。また、学校外の人に取材するのは社会勉強になりました。」(お茶の水女子大・1年)

「吹奏楽部でした。上下関係や同級生間の人間関係が厳しくメンタルが鍛えられました。大好きな楽器と出会えたことが一番の収穫だと思っています。上下関係を早い段階で学べたのもよかったと感じています。」(中央大・3年)

「部活という長い長い時間をとおして、いろんな考えの人がいるな、と感じました。時間の使い方、努力の仕方、などなど。時にはイラつくこともあったけれど、そういう人がいるんだ、自分の価値観が当たり前ではないんだと気付けました。」(神奈川県立保健福祉大・2年)

「剣道部。トラブルがあり、人間関係で成長できました。また、礼儀や日本文化を学ぶことができました。」(上智大・2年)

部活では、同学年、先輩、後輩、顧問の先生、コーチなど、さまざまな人との関わりができます。部活の始まりと終わりの挨拶、顧問の先生や先輩に対する敬語、試合や発表会の会場でのマナーなど、日常生活では経験できない礼儀を学べる機会がたくさんあります。

部活での上下関係に、初めは戸惑うかたもいるかもしれません。

しかし、先輩に対しての言葉遣いを学べたり、後輩への指導ができるようになったりすることは、コミュニケーション力の向上につながります。これは、社会人になっても必ず役に立つものです。

その3.自分で考え課題を解決する力

その3.自分で考え課題を解決する力

「高校のころ、華道部の部長を務めていました。コロナ禍で部活動すらできないような日々でしたが、顧問の先生や学外のコーチと連絡を取り合い、前例がない中でどうすれば活動できるかを考え、目標を達成するための課題解決力を学べました。」(上智大・3年)

「陸上部。中学・高校ともに専門の先生ではなかったので、自分たちで練習メニューを組み立てていました。本を読んで身に付けた理論を実際にやってみるなど、『自分で考え、実践する力』が身に付いたと思います。」(東京科学大・4年)

「次のコンクールで入賞するために、部員のモチベーションをどうやってアップさせよう」「記録を伸ばすための練習メニューはこれでいいのか?」など、部活ごとにある目標の達成には、課題解決がつきものです。

課題解決のために、顧問の先生や部員同士と話し合い、トライ&エラーを繰り返すことで、自分自身で考え行動し、解決していく力が養えます。

社会に出たあとも目標設定と課題解決が求められるため、部活で経験した「目標に向かって課題を解決する力」は大いに役立つでしょう。

その4.仲間の大切さ

その4.仲間の大切さ

「仲間がいることは心強いことだと学びました。高校時代は水泳部に所属していましたが、コロナウイルスの感染拡大もあり、部活のメンバーが半分ずつ登校したころがありました。その時に毎夜オンラインで学年会を開いていたからこそ、寂しくなかったです。」(明治大・3年)

「剣道部でした。運動が苦手な自分にとってはつらい日々だったけれど、今思えばそこで精神面、肉体面を鍛えられ、最高の友人にも出会えた。」(法政大・4年)

厳しい練習を一緒に乗り越え、喜びや悔しさを共有し、助け合ってきた仲間は、部活で得られる大きな宝物と言えます。

学年の垣根を飛び越え、憧れの先輩や可愛い後輩ができるなど、人間関係の幅が広がるところも、あなたを人として成長させてくれるきっかけになるでしょう。

中高生で部活に悩んでいるかたへ

中高生で部活に悩んでいるかたへ

大学生の先輩がたは、部活を通じて、活動の楽しさや努力の大切さ、自分で考え課題を解決する力など、多くのことを学んで自身の成長を感じているようです。

ただ、上下関係が厳しくつらい時期があったり、チームスポーツの難しさを目の当たりにしたりと、楽しいだけの部活ではなかったことがアンケートより見てとれます。

今部活に悩んでいるかたも、かつての大学生の先輩がたと同じように、部活の課題や人間関係に苦しみ、つらい状況にあるかもしれません。部活がつらい人は、保護者のかたや信頼できる友達に「今、少ししんどいんだよね」と相談してみるのもひとつの手です。聞いてもらうだけでも心が軽くなることはあります。

また、没頭できる好きなことを思う存分してみて、一度気持ちを部活以外に向けてみるのもおすすめです。部活以外にも、活躍できる場所や心地のいい居場所はきっとあります。

部活で悩むお子さまのために保護者のかたができること

部活で悩むお子さまのために保護者のかたができること

お子さまが悩んでいる姿を見るのは、保護者のかたにとって心が苦しくなりますよね。つい詳しく聞き出したり、求められていなくてもアドバイスをしたりしてしまいがちですが、基本的には信じて見守るスタンスがよいでしょう。

中高生のお子さまは、悩みながら自立・成長している真っ最中です。「困った時は相談してね」「手伝えることがあったら言ってね」と伝えておくと、お子さまのタイミングで相談してくれるでしょう。

日々の食事や差し入れでお子さまを労ってみたり、あえて普段どおりふるまい楽しい会話を心がけてみたりと、お子さまの悩みに対して直接的ではなく間接的な関わり方が、きっとお子さまの励みにつながります。

関連するおすすめの記事
【体験談】大学受験期、「保護者にしてもらってうれしかったこと」ランキング

まとめ & 実践 TIPS

努力の大切さやコミュニケーション力、自分で考え目標達成に向かう力など、多くの学びにつながる部活。部活ならではの経験は、きっと貴重な財産になるでしょう。

ただ、多くを経験するため、悩み苦しむこともあるかもしれません。そんな時は、相談したり、部活から精神的に距離を取ったりしながら、自分ならではの部活との向き合い方を探してみましょう。

保護者のかたは、悩むお子さまを見守り、寄り添うことが、お子さまの大きな心の支えになることと思います。

※2024年10月に行った進研ゼミ受講経験のある大学生向けアンケート(33人回答)に寄せられた体験談をもとに作成。

プロフィール


海田幹子

教育・育児、マネー等について執筆。現在、小学生2人の子育てに奮闘中。

子育て・教育Q&A