気になる「年少扶養控除の廃止と特定扶養控除の縮小、そして成年扶養控除の動向」[教育費プラン]
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2010(平成22)年度に始まった「子ども手当」と「公立高校授業料の実質無償化」。
「子ども手当」は、当初の予定では初年度は1万3,000円、次年度からは満額の2万6,000円が支給されるはずでしたが、財源のめどがたたずに現状維持になりそうな気配です。
2010(平成22)年度は「子ども手当」と「公立高校授業料の実質無償化」が実施されたことで、可処分所得が増えたと実感した家庭は多いのではないでしょうか。
ところで、所得税に関して、2011(平成23)年度からいわゆる年少扶養控除と呼ばれている0歳~15歳以下を対象とする扶養控除は廃止され、16歳~18歳以下の特定扶養控除は縮小されて実施されて、実質的な増税になります(住民税は2012<平成24年>度から=表参照)。
政府は、年収の少ない家庭が多いと思われる3歳未満の子どもがいる家庭には子ども手当をプラス7,000円支給すると発表しましたが、まだまだ決定するまで流動的です(2010<平成22>年12月14日現在)。
元々「子ども手当」「公立高校授業料の実質無償化」と「所得税(と住民税)の扶養控除の廃止、縮小」はセットとして実施された政策ではありますが、実施時期がずれることによって、今年は一旦緩めた家計を引き締め直す必要が出てきそうです。
昨年、「子ども手当によって家計が潤った」と実感している家庭ほど、今年は気持ちと財布のひもをしっかり引き締めなければなりません。子ども手当を利用して習い事を増やしたり、塾に通い始めたりした家庭は、増税になったからといって簡単にやめてしまうわけにはいかないでしょう。何らかの費用を削るか、貯蓄を減額するかして増税分を工面しなければなりません。現在子ども手当を生活費に回してしまっている家庭にとっては、家計が赤字になってしまわないために生活費の見直しが必要です。
「特定扶養控除」が縮小される高校生のいる家庭でも同じことが言えます。公立高校授業料の実質無償化は実施されましたが、高校生は学校の授業料の他に食費やクラブ活動費、塾費など経費が大きくかかっている世代です。授業料無償化の恩恵の実感が大きかった分、増税が家計に与える影響も大きいといえるでしょう。
さらに、特に大学生の子どもがいる家庭にとって気になるのが「成年扶養控除」の動向です。
本来、大学を卒業して就職すれば親の扶養から外れるのは自然なこと。しかしながら2010(平成22)年度の大学4年生の就職内定率が約58%という現状では、今春大学を卒業しても、就職活動をしながらアルバイトをする子どもが少なからずいるでしょう。本人の収入が少なければ、親の扶養家族のままでいることになるかもしれません。これまで23歳以上で学生ではない成人を扶養している場合に受けられた「成年扶養控除」が、今後は、扶養する側(親)の年収によって制限される可能性があります(2010<平成22>年12月14日現在)。
いずれにしても、国の施策によって大きく振り回されない家計の体質を、自分達で作っていくことが必要なのです。
ちょうど一年の始まりということもあり、今年の我が家の家計について夫婦で、子どもがある程度大きければ家族みんなで、話題にしてみてはいかがでしょうか。
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