計算はできるのに文章題になるとわからなくなるのはなぜ?文章題を得意にするコツは?

  • 学習

「計算はできても文章題が苦手なんです」というお声をよく耳にします。文章題がうまく解けない原因はいくつかありますが、いちばんの原因は、文字通り「文章」を理解する力が不足しているということ。
小学校低学年の算数は、どちらかと言えば数学よりは国語に近い学問です。その力を少し強化するコツを3つご紹介します。

この記事のポイント

買い物などの日常生活で経験を増やす

「国語は好きだけど、算数の文章題はつまらないから読みたくない」というお子さまがいらっしゃると思います。でも、本当に算数の文章はつまらないのでしょうか? 私には俳句と同じで、短い文章の中にいろんな要素がギュギュッと詰まっているように思えます。
不要な要素をそぎ落として究極なまでに磨き上げた文章、それが算数の文章題です。

文章が短いから、登場人物の花子さんがどんな子なのかわからないし、どういう状況で買い物をしているのかは書かれていません。けれど、算数の文章題に出てくるのは、だいたいが日常生活でよくある場面です。そして骨組みがしっかりしているので、多少数値を変えたり登場人物を変えたりしても、その本質は揺らぎません。

たとえば、宿題をみているとき、算数の文章題をお子さまの行動や体験に合わせたストーリーに変えて考えさせてみたり、あるいは、お子さまと一緒に買い物に出かけたときに、お子さまを登場人物にして算数の問題を作って考えさせてみたりなど、ちょっとしたことで算数はぐっと身近なものに感じられてきます。

算数の短い文章の中にいろんなストーリーを感じることができるようになれば、文章題を解くのが楽しくなるでしょう。

  • ・算数の文章題をお子さまの行動や体験に合わせる
  • ・買い物でお子さまを登場人物にして問題を作る

紙に書くなど具体化してみる

算数の文章題に興味がわいてきたら解くためのコツを身に付けましょう。これは、算数だけではなくいろんな場面でも使えます。

「文章に書かれていることを紙に書き出して、整理していく」方法です。これは絵でもいいですし、文章や表でもいいです。自分が好きなやり方で、文章で書かれていることを自分にとってわかりやすい形に分解し、整理して理解する方法です。

低学年のお子さまだと絵でかいてみることがやりやすいかもしれませんね。頭の中で考えていることを見える化することで、文章の内容が整理されてわかりやすくなります。
これは、低学年よりは高学年で文章題を解けるようになる重要なコツですが、こういう見える化習慣は低学年のうちに育てておくことが大切です。

そして、この見える化習慣がついていれば、難しい文章題に対しても苦手意識を持ちにくくなります。また、中学に入り数学を学ぶようになってもこの力は利用でき、近年出題が目立っている思考力問題といわれる読解力が必要な問題を解く力につながっていきます。

  • ・文章で書かれていることを絵や表などわかりやすい形に分解して整理する
  • ・紙に書いて具体化するのは高学年からより有効になる

文章を読むことを増やす

最後に、お子さまは国語は得意でしょうか? 本を読むことは好きですか? もし、国語が得意で読書好きならあまり心配することはありません。でも、文字をちゃんと読まない傾向があるのであれば、まずは読む習慣を身に付けましょう。

内容は難しく考えず、お子さまの興味のあることでよいです。お子さまが詳しく知りたいと思うようなことを、きちんと読ませるようにすれば、文字を読むことが苦痛じゃなくなります。まずは何でも読ませてみることです。

  • ・まずはお子さまが興味のあるものを読ませる

まとめ & 実践 TIPS

いかがでしょうか。こう考えると算数も国語も実は同じで、きちんと文章を読んでその内容を理解することが大切です。まずは、先入観を持たずに読みましょう。
そして、文章がわかりにくいときには、メモ書きでもいいので文章に書かれていることを具体化することで、頭の中を整理する習慣をつけていきましょう。

株式会社プランディット 数学課 村上
編集プロダクションの株式会社プランディットで、進研ゼミを中心に、小学校から高校向けの算数・数学の教材編集を担当。

プロフィール



1988年創業のベネッセ・グループの編集プロダクションで,教材編集と著作権権利処理の代行を行う。特に教材編集では,幼児向け教材から大学入試教材までの幅広い年齢を対象とした教材・アセスメントの企画・編集を行う。

  • 学習

子育て・教育Q&A