両想いの我が子[うちの子、どう接したらいいの?]

今週の相談「両想いの我が子」


両想いの我が子[うちの子、どう接したらいいの?]


相談者
性別:女子
相談者:母
学年:小5

相談
小5の娘が男の子に「付き合って」と言われて「いいよ」と答えたそうです。つまり、両想いということなんですが、付き合っているといっても、特に二人で遊ぶといったこともないようです。何をもって「付き合っている」のか、親から見るとさっぱりわかりません。娘は男の子とも女の子とも同じように友達として接するタイプで、男の子に興味があるといったふうでもないのです。手をつないで学校から帰るとか、キスをするとかそういったことがあるのかどうか、とても気になります。どんな付き合い方をしているのか、娘に聞きたいのですが、何か気を付けるべきことはありますか?
娘との関係は良好で、よく話もします。でも、カレシのことだけは親からふれられず、そこだけ空白地帯のようになっています。

福谷先生のアドバイス
小5女子の特徴としては同年代の男子よりも身体的にも精神的にも社会的にも発達している子どもが多い傾向があります。

次にこのころから女子は数人からなる「グループ化」の傾向を強くします。どのようなグループに所属するかで異性に関する関心も差があるようです。
「大人しくインドア派で手芸が大好き」のようなグループもあれば「活動的でアイドルの追っかけをしたり母親や姉の洋服を借りてカラオケに行ったりしたい」というグループもあるのです。
中にはどこのグループにも関心がない子どももいますが、多くの子どもは消極的でも、どこかの派閥に籍だけは入れているようです。

従って、「異性と交際」という現象の点だけを注目してご心配をされるのではなく、我が子が現在、どのような発達をしているか、また、我が子の「好きなこと」「嫌いなこと」「夢・希望」などを把握することをおすすめします。
この行為が点を線にすることになり、子どもの理解につながります。

一見難しいことのように思われますが、よく遊ぶ友人からも我が子のことを把握するヒントは多くあります。加えて女子の多くは男子と違い、母親と話をすることに対して男子ほどアレルギーがありません。子どもが大人びてきたからといって「聞きにくい話」を遠慮するのが「優しさ」ではありません。とりあえずはチャレンジをしましょう。

大人びてきてもまだまだ、子どもの部分が多いのが小学生です。話をすることにチャレンジして反抗的になったり、故意に顔を合わせないような行動をとったりするようであれば、それも、子どもの「意見や言葉」と考えてください。
子どものほうが、その日によって気分の良し悪しが激しいので、失敗しても次回もチャレンジしてみてください。その際は話すタイミングを前回と違った場面にするなどして、考慮しましょう。

告白・付き合う・カレシ・手を繋ぐ・キスをする

上記の言葉についての認識については小学生の場合、多くの個人差があります。告白することを「コクル」と呼び、小学生の間では一種の「度胸試し」の遊びである場合もあります。付き合うことも同様に、異性に接近するのが目的でなく、付き合っているから「一緒に帰る」「お互いの誕生日はプレゼントをし合う」「お揃いのTシャツを着る」などとカワイイこともあります。

大切なことは子どもの異性に関する意識の把握と、将来にむけての子どもとのコミュニケーション強化です。

これが進めば相手の男子の意識の把握も自然にできるかと思います。

プロフィール



臨床心理士。臨床心理士コラボオフィス目黒理事 。二松學舎大学附属高等学校スクールカウンセラー。著書に『男の子の上手な育て方』。ご自身は、中学生のお父さま。

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