「ねぇ、普通って何？」小2の息子の疑問で気付いた、《誰かの当たり前》との付き合い方

子育ては、思いも寄らないことの連続。子どもに向き合う保護者の数だけ、多彩なストーリーがあります。誰かの経験が、別の誰かの背中をそっと押すこともあるかもしれません。

今回は、小学2年生の長男の「ねぇ、普通って何？」との質問を通じた気付きについて、ベテランパパさん（ペンネーム）のエピソードをご本人がつづったnoteからご紹介します。

※以下、ご本人承諾のうえ、投稿内容をもとにご紹介いたします。

「普通」って何だろう？

「ねぇ、普通って何？」

ある日、図書館で借りた友達関係に関する本を読んだ小学2年生の長男が、ベテランパパさんに聞きました。「おぉう！　いい質問だね」とうなりつつもすぐには答えず、長男にこう問いかけます。

こんな会話を繰り返していると、長男は「わかった！　普通って人によって違うのかも！」と声をあげます。「どういうこと？」と尋ねると、長男は、友達に感じていた違和感について語り始めました。

自分と友達の「普通」は違う

Tくんが怖がりなわけでもなく、長男が強いわけでもない。ただただ、お互いの「普通」が違うから、感じ方が異なるだけ。長男の気付きに、ベテランパパさんも大きくうなずきます。

長男のちょっとしたケガも大騒ぎして心配してくれるというTくん。そんな彼のことをどう思うのか尋ねると、ありのままを受け止めるシンプルな答えが返ってきました。

「普通」には正解も、良い悪いもない

Tくんと長男の感じ方が違うように、見た目も、考え方も、好みも、生き方も「普通」は人によって違うもの。ベテランパパさん家族は、お互いの「普通」について話し合います。

「みんな全然普通じゃないね」と笑い合ったベテランパパさん一家。同じ家族でも、こんなに違うんだから、みんなに共通する「普通」なんてないことを痛感したんだとか。「普通」は人によって違うのが普通。どちらが良い悪いではない──そう気付いたからこそ、違いへの向き合い方が見えてきたといいます。

存在しない「普通」を追い求めない

家族とのやり取りから数日、ベテランパパさんはこんなふうに考えを巡らせていました。

みんなにとっての「普通」は存在しないのに、自分で勝手に「普通はこうだ」と決め付ける。それに自分を縛り付けて、苦しくなる。それどころか、子どもや他人にまで押し付けて苦しめる。はたまた、人から「普通」を押し付けられて苦しめられる。そんなことも少なくないのかもしれません。

ベテランパパさんの長男は、「普通」との付き合い方がうまくいっている様子。友達から「普通」を押し付けられても何とも思わないんだとか。

「普通」をめぐる不毛なトラブルに発展しない長男の強さに頼もしさを覚えるベテランパパさん。「普通って何？」との長男の問いかけから、大切なことを学ぶことになりました。

正体のない「普通」と比較して、悩んだことのあるかたも少なくないでしょう。
もしかすると、「普通」からの解放が、子育てをもっと気楽で楽しいものにするのかもしれません。