こんな時どうする?子どもの心をあっためる声かけレッスンCASE2:わからない問題が出てやる気を失っている場合

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お子さまに声をかけるけれど、ついケンカになってしまう……とお悩みのかたもいらっしゃるのではないでしょうか。そこで、時期に合ったケース別に子どもへの声かけをレッスン。人を動かす心理を専門とし、20年近くの小学校教師経験を持つ庄子寛之先生に教わります。第2回の今回は、宿題でわからない問題が出てイヤイヤになっているお子さまへの声かけです。

Q. 宿題でわからない問題が出るとイヤになってしまう子ども。ぐずったり、イライラしたりして進みません。がんばって取り組めるようにどう声をかけてあげればいいのでしょうか?

庄子先生からのアドバイス

わからないからイヤイヤになっているわけではないのかも。まずはイヤになってしまう気持ちに寄り添ってあげて。

お子さまがやる気を失ってイヤになっているのは、本当に問題がわからないからでしょうか? もしかしたら、他の理由があるのかもしれません。この観点は、意外と見落としがちなので注意が必要です。まずは、なぜイヤになっているのかを把握するようにしましょう。理由もわからないままに、「ちゃんとやりなさい」と注意するのはNGですよ。

イヤになっている理由をつかむためには、「イヤだ」「やりたくない」と思っている気持ちに寄り添ってあげることが第一歩。「イヤになっちゃうこともあるよね」 など、ありのままをそのまま受け止めてあげてください。保護者が自分の気持ちを理解してくれていると安心すれば、イヤになっている理由をポツリポツリと話してくれるかもしれません。

「そんな悠長なことできない」と思われるかたもいらっしゃるかもしれませんが、大人だって疲れて仕事や家事がイヤになってしまうことはあるもの。そんな時に「ちゃんとやりなさい」って言われたら、どんな気持ちになりますか? 自分に置き換えて考えると、イヤイヤになっているお子さまへの見方も変わってくるはずです。

お子さまがイヤになっている理由は、さまざまでしょう。疲れているのかもしれないし、やらなくてはいけないことが多くてむしゃくしゃしているのかもしれません。問題が難しくてイヤになっていることもあれば、学校でイヤなことがあってその気持ちを引きずって集中できないといったこともあるでしょう。

理由が把握できたら、それに応じて対処法をアドバイスしてあげられるといいですね。疲れているのであれば「ちょっと休憩する?」 と声をかける、学校でイヤなことがあったのであれば、まずはじっくり話を聞いてあげる、難しくてイヤになっているのであれば、「簡単な問題から取り組んでみたら?」とアドバイスするといった具合です。イヤになっている理由ごとに、対処法はこんなにも違います。それをひとくくりにするのは、ちょっと乱暴だとおわかりいただけるのではないでしょうか。

また、大前提として強引に取り組ませることは決してないようにしていただきたいですね。強引にやらせても、いい結果は得られません。抵抗感がより大きくなったり、保護者への信頼感が下がったりするだけです。「ちょっと宿題の取り組みが遅れたところで、致命的なことが起きるわけではない」とおおらかに構えているくらいがちょうどいいですよ。少しアバウトな保護者のほうが、子どもはのびのびと育つものです。子どもも心に余裕ができれば「宿題……やっとくか」となったりするかもしれません。

(声かけ例)
ちょっと休もうか?

チャットの活用もオススメ!

お子さまが疲れているな……と感じる時は、チャットでそっとメッセージを送るのもGOOD!

疲れている時は、心の余裕も持ちづらいもの。面と向かっての会話だと、バトルになってしまうような場合も、チャットなら余裕を持って受け止められるはずです。

つかれていないかな? おつかれさま!

いそがしいけれど、がんばっているね!

など、ねぎらう言葉をかけてあげられれば、お子さまの心もホッと温まるはずです。

「進研ゼミ 小学講座」で「チャレンジタッチ」を使われているかたは、親子でチャットができる「つながるトーク」からメッセージを送ってみてください!

※「チャレンジタッチ」をご受講のかたのみご利用いただけます。

※「まなびの手帳」の「ホーム画面」からアクセスできます。詳しいご利用法・設定法はこちら

プロフィール


庄子寛之

元公立小学校指導教諭。大学院にて臨床心理学について学び、道徳教育や人を動かす心理を専門とする。「先生の先生」として、ベネッセの最新データを使いながら教育委員会や学校向けに研修を行ったり、保護者や一般向けに子育て講演を行ったりしている。研修・講演は500回以上。講師として直接指導した教育関係者は1万5000人に及ぶ。全国の学校が休校していた2020年のコロナ禍に、これからの教育について考えるオンラインイベントを企画し、世界中の教育関係者を2000名以上集め、話題を呼ぶ。子ども教育のプロとして、NHK「おはよう日本」や朝日新聞、毎日新聞などのメディアなどにも取り上げられ、一躍有名になる。また、ラクロスの指導者としての顔も持ち、東京学芸大学女子ラクロス部監督、U-21女子日本代表監督、U-19女子日本代表監督を歴任。「教師」×「指導者」として、一貫して「自分で行動できる子ども・選手」の育成を実践している。著書に『自分で考えて学ぶ子に育つ声かけの正解』(ダイヤモンド社)など多数。

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