こんな時どうする?子どもの心をあっためる声かけレッスン CASE1:学校行事への緊張をほぐしてあげたい

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子どもの心に届く声かけをしてあげたいと思うものの、なかなかうまくいかない……とお悩みのかたもいらっしゃるのではないでしょうか。そこで、時期に合ったケース別に子どもへの声かけをレッスン。人を動かす心理を専門とし、約20年以上の小学校教師経験を持つ庄子寛之先生に教わります。第1回の今回は、学校行事を前に緊張する我が子への声かけです。

Q. 大勢の人の前に立つのが苦手なタイプの我が子。学芸会も緊張のあまり、出たくないとまで言い出しています。どう声をかけてあげればよいのでしょうか。

庄子先生からのアドバイス

親まで一緒に緊張しない。「できなくても大丈夫」とのスタンスで、楽しみにしている気持ちだけを伝えて。アドバイスは禁物です。

大勢の人の前に立つことに緊張するのは当たり前のことですよね。緊張することをタブー視せず、「緊張しちゃうよね」とお子さまの気持ちに親身に寄り添ってあげることが基本のキです。

よかれと思ってアドバイスすることは逆効果。「緊張せずに全力でがんばって」「大きな声でね」「早口にならないように、ゆっくりセリフを言おうね」といったアドバイスは、心が軽くなるどころか、プレッシャーになってしまいます。

そもそも、緊張をうまくコントロールできるようになるには、場数を踏むことも必要です。「小学1年生の今はダメでも、小学校のうちにできるようになればいいな」くらいの大らかさを持てるといいですね。そうすれば、仮に緊張で本番に失敗してしまっても、時が解決するだろうと一喜一憂せずにいられますよ。

お子さまには「別にうまくできなくてもいいよ」という保護者のスタンスが伝わるようにしてあげてください。拍子抜けして、肩に入った力が抜けるかもしれません。「緊張せずに大きな声でね」と言うのではなく「楽しみにしているよ」と伝えれば十分。「失敗しないか不安」と言っているのなら「うまくできなくたって大丈夫」と笑い飛ばしてあげましょう。親まで一緒に不安がってしまっては、子どもはより緊張してしまうだけです。

本番が終わったあとは、思い切りほめてあげてください。上手にできたなら、ちょっと大げさかなというくらいほめてあげましょう。緊張して声が小さかったり、早口になってしまったりしたとしてもほめポイントを見つけてあげて。「ちゃんと舞台に立てたね」「まっすぐ前を向けていたね」などどんな小さなことでも、子どもはうれしいと思うはずです。

「保育園の時は、先生に付き添ってもらっていたのに、小学校では一人で出られたね。成長したなと思ったよ」など、過去のお子さまと比べてほめてあげるのもいい手です。くれぐれも、他の子と比べることはしないように注意してくださいね。

どんな状態でも親が認めてあげることが、成長に変えられるよい声かけです。

声かけ例
緊張するよね。うまくできなくても大丈夫だよ。楽しみにしてるね。

チャットの活用もオススメ!

面と向かって声をかけることが難しい場合や、互いに気恥ずかしくなってしまう場合は、チャットを活用してみましょう。

明日の学芸会、楽しみにしているね!

きっとうまくいくよ!

といったシンプルなメッセージでお子さまにエールを送ってみませんか?
文字だからこそ伝わる気持ちもあるはずです。

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プロフィール


庄子寛之

東京学芸大学大学院教育心理学部臨床心理学科修了。公立小学校教員を20年近く務めた後、現職。現在は「先生の先生」として、学校や自治体を支援するために全国各地で教員研修や保護者向けセミナーを行っている。主な著書に『子どもが伸びる「待ち上手」な親の習慣』(青春出版社)など。

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