うちの子、学校になじめていない…?気持ちよく学校生活を送るために保護者ができること
- 育児・子育て
新学期が始まり、新しい環境にお子さまがうまくなじめているか保護者のかたも気になるところ。
さりげなく子どもに聞いてみても、新しいクラスメイトの話を全然しない、前のクラスの話ばかりする、などの状況が続くと、なじめていないのかもしれないと心配になりますよね。
どうすれば新しい環境のなかで人間関係を築き、気持ちよく学校生活を送ることができるのか、トラストコーチングスクール認定コーチであり、3人の子どもの母でもある中原絵里子さんに聞いてみました。
これは使えそうだと思えるものがあれば、さりげなくアドバイスしてあげてください。
1.席の前後左右など距離の近い相手と仲良くなる
大勢が参加している集会などで、この中の誰かと仲良くなれと言われててもとまどうもしれませんが、範囲をある程度絞ると対応も考えやすくなります。
「特に新学期の最初は出席順などで席が決められ、毎日同じ人と顔を合わせる回数も多くなります。接触する機会が増えるとその相手に親しみが増す『単純接触効果』があるといわれています」(中原さん)
そこで席の前後、左右の人の中で一番話しかけやすそうな人が誰かよく観察して、『この人とまず仲良くなろう』と決めるといいですね。
「その時に大切なのが、『きっとこの人はこういう人に違いない』と決めつけてしまわないこと。
その人がどういう人かは話してみないとわからないことのほうが多いものです。
暗そう、オタクっぽい、気が強そうなど勝手にレッテルを貼って距離を取ってしまうのはもったいないですし、そう思っていることが相手にも伝わってしまいます。まずはフラットに向き合うことが大切です」と中原さん。
まずは席の前後左右に1人友達をつくる、と目標を決めるとよさそうですね。
2.話しやすい雰囲気をつくる
話しかけたいけれど、大丈夫かな」と様子をうかがっているのはお子さまだけでなく、周りの人も同じであることが多いもの。
「ですから相手が話しかけやすい雰囲気を意識してつくることが大切です。具体的には表情をやわらげること。
緊張しているといつのまにか硬くなり、余計に話しかけにくくなります。
自然な笑顔で過ごす、話す機会があればできるだけ明るく、気持ちのよい対応を心がけるといいですね。話しかける時に相手の名前を呼ぶとより距離感が近づきやすくなります」
また、人となりがわかることを自分から見せたり話したりすると、相手も話しやすくなるそう。
「『忘れ物しやすいから気を付けないと』や『人見知りだから最初緊張しちゃうんだよね』など、自分から弱みを見せるのも効果的です。
『自分のことを話してくれるんだ』と感じられれば、相手も安心して話してくれるかもしれません」
と中原さんは言います。
さらに、自分が何を好きなのか、どういうものに興味があるのかが見えると、話しやすくなります。
「話すきっかけを提示するために、会話の糸口となる《カンバセーションピース》を仕込んでおくのもオススメです。
スマホの待ち受けやSNSやチャットアプリのアイコン、背景などに好きなアーティストやスポーツチームの画像などを使う、バッグに推しのアイテムをさりげなく付けるなど、自然と目に入るところに自分の好きなものを使ってみてはいかがでしょうか」
と中原さん。
新しい環境で自分がどういうものに興味がある人だと認識されたいのか、考えるきっかけになるかもしれませんね。
3.話を「聴く」側にまわる
最もコミュニケーションが上手な人は「聴き上手」な人です。
実は人の話を聴くことはとても難しく、高度なスキルなのです。
中原さんいわく、「実はコーチングセッションでも一番大切なのが、相手の話を聴くこと」なのだそう。
それは相手が一番安心感を得られるコミュニケーションの方法が「話を聴いてもらえたと感じられること」だからでもあります。
「ポイントは『あなたの話を聴きたいと思っているよ』と話に興味を持っていることを感じてもらい、相手が『この人は自分の話を聴いてくれている』と感じられるような聴き方をすること。
そのために一番大切なことが『ジャッジをしない』ことです。
相手の話に『良い・悪い』『正しい・間違っている』などの判定をせず、いったん『そうなんだ、そう思うんだ』とそのままを受け止める。話を途中で遮らず、話したいだけ話してもらう。
これができれば、『話を聴いてもらえた』と感じられるはずです」
まず聴き上手をめざすところから始めるといいかもしれませんね。
まとめ & 実践 TIPS
環境変化の中でいかに周りとよい関係性を築けるかは、お子さまがこれから社会に出ていくなかで重要なスキルの一つ。
最初はうまくいかなくてもあきらめず、いろいろなアプローチを試みることが、大切な成功体験になります。
お子さまが落ち込んだり自信を失くしてしまったりしているなら、あせらずにこの3つのポイントを少しずつでも実践してみるように励ましてあげてください。
ほんのちょっとしたきっかけで、コミュニケーションは生まれるはずですから。
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