「暴言」や「好ましくない言葉」を口にする子ども…人の気持ちを考えて言葉を選ぶ大切さをどう伝える?

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テレビ番組やゲーム、動画、漫画。子どもたちが目にし、耳にするものの中で、好ましくない言葉が使われることは、しばしばあります。お子さまがそんな言葉を口にしたとき、どう対応し、どんなことを伝えるべきかを考えてみたいと思います。

(赤ペン先生 河原)

この記事のポイント

「暴言」が日常的に使われている現状

「死ね」「殺す」「キモイ」「ウザイ」「カス」「消えろ」・・・。文字にするとぎょっとしてしまいますが、子どもたちの間ではこれらの言葉が日常的に飛び交っています。

小学校中学年頃から多くなり始め、中学生になると、もはや口癖状態に。一度も口にしたことのない人のほうが珍しいという状況のようです。多くの場合は、単に会話を面白く、刺激的にしたいという軽い気持ちで使っているのでしょう。「みんな言ってるから」というのもあると思います。

大人が眉をひそめてしまうような「悪い言葉」とわかっている。だからこそ、あえて言ってみたい。その気持ちは、よくわかります。

言われた人の気持ちを考えることを伝える

ごっこ遊びや歌詞の中で使われる暴言は許容範囲でしょう。堂々とシャウトすることで「悪い言葉を言いたい欲求」を発散してもらえるなら、大歓迎ともいえます。

でも人に対して暴言を吐いてしまったときには、見過ごさず、注意すべきであると思います。悪い言葉だからいけないのではなく、言われた人の気持ちを考えて言葉を発しなければいけない。そのことをきちんと伝えるのが、大人としての務めではないでしょうか。

人の心を傷つけるのは暴言に限りません。たとえ事実であっても、相手を辛く悲しい気持ちにさせてしまうなら言葉にするべきではない。そのことも併せて伝えてあげたいです。
お子さまが家族や友達に向かって「ちょっと待った」という発言をしてしまったときこそ良い機会です。叱るのではなく、言葉を選ぶことの大切さをぜひ教えてあげてください。

暴言を口にしてしまう心のケアも忘れずに

さらに一歩進めて、暴言や心無い言葉を言ってしまう気持ちの裏側を考えてあげることも大人の役割かと思います。柔らかく、穏やかな気持ちでいるときに、荒々しい言葉は出てきません。たくさんの言葉の選択肢の中から「暴言」を選んで発するのは、トゲトゲした心を抱えているときではないでしょうか。苦しい気持ちをわかってほしい、というSOSのようにも思えます。

子どもたちは社会や大人の不安な状況を敏感に反映してしまいます。思い切り何かをすることができず、我慢することが多い今の状況下では特に、心が不安定になりがちです。お子さまの心の内側に寄り添い、ストレスから解放してあげられるのは、おうちの人にしかできないことであると思います。

まとめ & 実践 TIPS

「人の気持ちを考えて言葉を発する」のは大人にも難しいことです。注意されても、すぐには実行できないかもしれません。でも、おうちの人が真剣に伝えようとしたことは、しっかりと根を張り、お子さまの心を育てていくはずです。
心無い言葉は人を深く傷つけるが、良い言葉は人生を支える。優しさと思いやりにあふれた言葉を選ぶことの大切さに、いつかきっとお子さまも気づいてくれると思います。

赤ペン先生 河原はるこ

赤ペン先生 河原はるこ

赤ペン先生歴8年。4年生担当。
高校生の時、「赤ペン先生」の心のこもった美しい字のおたよりに励まされた思い出があり赤ペン先生に。子どもたちへは、「まちがえるのは恥ずかしいことではない!」「どんどんまちがえましょう!」という想いを持ちながら、一生懸命に書かれた解答を尊重し、大切なポイントが一目でわかる指導を心がけている。
趣味:読書とフルーツ酢作り
自己紹介:のんびり屋、でも好きなことには熱い一面も。
中高生三児の母。

プロフィール



赤ペン先生は「進研ゼミ」の選考に合格し、ゼミ独自の研修・教育を通じて、教科の学習内容やお子さまの力を伸ばす指導法などを学んだ人です。 お子さま一人ひとりの解答状況や学習の到達度に合わせて、丁寧に添削・指導いたします。 ※「赤ペン先生」は(株)ベネッセコーポレーションの登録商標です。

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