イヤイヤ期がはじまった!成長のひとつ、自己主張を受け止めよう!
お子さまが2歳前後になり、「最近何を言っても『イヤイヤ』と言うようになって困っている」と感じていらっしゃる保護者のかたも少なくないのではないでしょうか。
2歳頃から始まることの多い、いわゆるイヤイヤ期。しかしこれは単なる反抗期ではなく、お子さまの成長過程のひとつとも考えられています。いったいどんな成長過程なのか、みていきましょう。
2歳児のイヤイヤ期が始まった!
お子さまが2歳にさしかかった頃、何に対しても「イヤ!」と駄々をこね、言うことを聞かなくなることがあります。これは「魔の2歳児」「第1次反抗期」などと呼ばれ、2歳がピークと言われています。イヤイヤ期がないというお子さまもいますし、イヤイヤ期がやってきたお子さまでも、始まる時期やイヤイヤ期の長さはそれぞれ異なります。
イヤイヤ期は成長過程のひとつでもあります。感情表現や言葉での表現がそれまでに比べ豊富になってきたものの、まだそれをコントロールできないため、起こることが多いようです。
例えば、保護者のかたから「お靴を履こうね」と言われたお子さまが「イヤ!」と言うのは、ただ逆らっているのではなく、「自分でできる」「言われなくてもできる」「できるのに、なんでそうやって言うの?」といった気持ちの表れという場合もあるでしょう。もう少し成長していけば「自分でできる」「ひとりで挑戦してみたい」「言われなくても分かっている」などの言葉で説明できるのかもしれません。しかし、この時期のお子さまはまだそれを上手に説明できない段階なのです。
気持ちの部分の成長に、言葉など表現の部分の成長がまだ追い付いていない段階と言ってもいいでしょう。そのため、どう言って伝えていいか分からず「イヤ!」という表現になってしまうのです。
2歳児のイヤイヤ期はいつまで続くの?
イヤイヤ期にも終わりはやってきます。
3~4歳になると「何でもかんでもイヤ!」ということが少しずつ減ってきて、徐々に落ち着いてくることが多いようです。
この時期にイヤイヤが減ってくるのは、語彙なども増え、言葉で自分がどうしたいかを少しずつ表現できるようになってくる点が大きいでしょう。また、自分でできることを周りが認め、だんだん口うるさく言われなくなってくることとも関係があると考えられます。
このように、イヤイヤ期は年齢的なものもありますが、保護者のかたがお子さまの気持ちを受け止め、関わり方を少し変えるだけで和らいでいくこともあるでしょう。
イヤイヤ期を乗り切るには
「イヤイヤ期は成長の証しだと思って、笑っていられる余裕がもてるようになるとよいのに」と感じる保護者のかたは多いかと思います。とはいえ、それでもイライラすることや悩んでしまうことはあるでしょう。お子さまのイヤイヤ期はどうやって乗り切っていけばよいのでしょうか。
まず、むやみに怒らず理由を聞いてあげましょう。お子さまの表す感情には理由があります。その理由を知ることで、気持ちを受け止めてあげられるようになるでしょう。お子さまの言っていることに対してルールを伝えたいと思ったときは、お子さまの話を聞き、気持ちを受けとめた後に、きちんと説明をするとよいでしょう。また、話に共感してあげることも大切です。お子さまの中に「理解してもらえた」という気持ちが生まれますので、お子さまは素直な気持ちで話をしてくれるようになるでしょう。
保護者のかたが何を言ってもイヤイヤがおさまらないときは、好きなことや興味のあることなど、別の話題に気をそらしてあげるのもよい方法です。そのときのお子さまの状況でいろいろと試してみましょう。
そして、どんな些細なことでもいいのでほめてあげてください。「じょうずだね」「ありがとう」「カッコいい!」「かわいい!」など、その場、そのときにすぐにほめます。言葉でほめること以外にも、ぎゅっと抱きしめてあげる、頭をなでてあげるなど、スキンシップをしてほめてあげるのもよいでしょう。ほめられることは「認められた」という気持ちになります。繰り返しほめていけば、イヤイヤの回数が減ることにもつながるでしょう。
また、イヤイヤ期では保護者ではない別の誰かに対しては素直な気持ちになれるということがあります。お子さまのイヤイヤを和らげるために、別の誰かに助けてもらうということを考えてもよいでしょう。1対1でいる時間だけではなく、友だちなどを誘い、複数人で楽しく過ごす時間をつくることで、お子さまに変化が見られるかもしれません。
イヤイヤ期は付き合っている保護者のかたにとってもストレスがたまります。ストレスをためすぎないよう、保護者自身の気持ちを吐き出せる機会や相談できるところをつくっておくとよいでしょう。同じ悩みのあるかたはたくさんいますので、さまざまな交流の場所へ出向き、仲間をもつのもよいのではないでしょうか。
イヤイヤ期は、気持ちに言葉や表現が追い付くまでの成長過程
これまで述べてきたように、イヤイヤ期は成長過程の自我の発達による自己主張と考えられます。「こうしてみたい」という気持ちが芽生えていても、それをどう伝えていいのかまだ分からないため、「イヤ!」という言葉や態度になってしまうのです。
そのため、イヤイヤ期に対しては、子どもが成長してきたひとつの証として落ち着いて受け止めることや、お子さまの「イヤ!」という言葉の中にどんな気持ちが隠されているのかを考えてあげることが大切です。イライラしてしまう場面もあるかもしれませんが、「だんだん自分の意思や言いたいことが芽生えてきているんだな」と理解し、成長のひとつの段階として受け止めてあげましょう。