新型コロナウイルスによる影響で乱れた生活リズムをどう整えるか?(後編) ベネッセ教育総合研究所が子どもの生活・学びの困りごとに応えるシリーズ(10)

新型コロナウイルス感染症の影響による“非日常”が続き、子どもの生活リズムが乱れたり、学習が進まなかったり…。不安を覚えることが少なくないと思います。そこで、ベネッセ教育総合研究所/チャイルド・リサーチ・ネット(CRN)の木村治生主席研究員が、主に小・中学生の子どもを持つ保護者のかたに向けて、10回にわたって子どもたちの生活と学びについてお話しします。

●大切なのは時間をコントロールする力

子どもたちの生活が、乱れがちな状況が続いています。生活リズムは、どのように整えていくといいのでしょうか。主に、保護者のかたのサポート方法についてご紹介します。

いちばん大事なのは、一日の過ごし方を、子どもが主体となって決めること。そして、計画がどれくらい実行できたかを振り返り、必要に応じて自分で計画を修正していくことです。日中の活動は日によって変わりますし、すぐにやらなければならないことが発生することだってあります。そのため、大まかな計画を守りつつ、毎日柔軟に調整する必要があります。規則正しい生活は、その結果として実現されます。また、このように自分の時間をコントロールできることは、大人になって社会に出たときにも役立つのです。

●生活の状況を見える化する

では、保護者はどのようにサポートしていけばいいのでしょうか。おすすめは、お子さまといっしょに、一日の基本的なタイムスケジュールを決めることです。例えば、次のような予定表をつくるのも一手です。

タイムスケジュールを決めるときは、まず起床時刻と就寝時刻を固めてしまいましょう。このとき、十分な睡眠時間をとれるように心がけます。次に、食事や入浴など、生活に欠かせない時間を入れます。そして、空いているところに、勉強や運動の予定を入れてください。「一日に2時間は勉強する」など、目標とする時間を先に考えて、時間帯を割り当ててもいいかもしれません。
もちろん余暇やストレス発散のための時間も大事ですから、残っている時間帯に、テレビやゲーム、趣味などの予定も入れます。さらに、手伝いや読書などについて、ご家庭独自のルールを決めて計画に盛り込んでもいいでしょう。予定のない自由時間をつくっておくなど、余裕をもったスケジュールにしておくこともポイントです。

●最終的には子どもが決める

ここで大事なのは、最終決定は子ども自身がする、ということです。子どもが決めることで、守る責任が生じます。ただし、特定の時間が長すぎたり、予定に無理があったりと、バランスのよい予定を子どもがつくれないこともあるでしょう。そういった場合は、強制にならないように配慮しながら再考を促したり、保護者のかたとしての希望を伝えたりしてもいいと思います。
1日を終えたら、夕食や夜の団らんのときになどに、「予定通りに過ごせた?」などと声をかけて、一日を振り返るように促すことも大切です。そして、できていたらしっかりとほめること。今は家の外で達成感を得るような機会が減っているので、少し大げさにほめるぐらいでちょうどいいと思います。

●計画通りにいかないときは調整を促して

計画が実行できない場合は、どうしたらいいのでしょうか。つい厳しく言ってしまいがちですが、子ども自身も、生活リズムが大事なことは理解しているものです。ですから責めたりせずに、どうしたら実行できるかを、自分で考えるように促してみてください。
そういった振り返りを、できれば1週間くらいの単位で行い、無理なところは修正していく。守れるようになったら、今度は実行できなかったことに挑戦してみる。そうするうちに自分で生活をコントロールできるようになり、生活リズムが整うのはもちろん、学習面にもきっとプラスになることが出てくると思います。

上記記事はベネッセ教育総合研究所が運営するチャイルド・リサーチ・ネット(CRN)に掲載した動画をもとに作成したものです。
チャイルド・リサーチ・ネット(CRN)は「子どもは未来である」という理念を掲げ学際的、国際的な活動を推進する、インターネット上の「子ども学」研究所です。ベネッセ教育総合研究所の支援のもと運営されています。

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プロフィール


木村治生

東京大学社会科学研究所客員准教授(2014~17年)・客員教授(2021~22年)、追手門学院大学客員研究員(2018~21年)、横浜創英大学非常勤講師(2018年~22年)。
これまで、文部科学省、経済産業省、総務省などからの委託研究に携わるとともに、文部科学省審議会委員、独立行政法人国立青少年教育振興機構事業選定委員、内閣府調査企画委員会委員、埼玉県草加市教育委員会専門部会委員などを務める。
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