-
総合監修:二瓶 健次 先生
各専門分野の先生の紹介
病気と予防アドバイス - 発疹・かゆみ
生後1ヵ月半のときから全身に湿疹(しっしん)が出ています。アレルギー検査では陰性でしたが、湿疹は治まりません。
9ヵ月になる男の子ですが、1ヵ月半のときから全身に湿疹(しっしん)が出て、2ヵ月のときから毎日ステロイド外用薬を塗っています。離乳食を始めるにあたって7ヵ月のときにアレルギー検査をしましたが、5大アレルギー、ダニなど、すべて陰性でした。
湿疹はその後もずっと出ていて、ひじや足首ががさがさしています。検査結果は陰性なのに湿疹が出ることがあるのでしょうか?
また、あるとしたら、だいたいどのくらいになると症状が落ち着くことが多いのか教えてください。
乳児湿疹であれば1歳を過ぎるころには自然に治りますが、アトピー性皮膚炎であれば、ずっと続く場合もあります。
乳幼児の湿疹やアトピー性皮膚炎の原因が食物だと考えるかたは多いのですが、必ずしもそうとは限りません。
むしろ最近の研究では、湿疹や皮膚炎があると、皮膚から食物抗原が浸入し、アレルギーになってしまう可能性が高いことが解ってきました。
乳児期から湿疹があり、食物アレルゲンもダニのアレルゲンも陰性のアトピー性皮膚炎のかたは少ないですが、中にはいます。
アトピー性皮膚炎の場合、血液検査で特異的IgE抗体がすべて陰性のお子さんの方が、陽性のお子さんより確かに少ないのですが、乳児期に発症してずっと続く場合があるのは事実です。
だからと言って陰性の子どもは食物やダニの影響を受けないのかというと、そうとも断言できないのがこの病気の難しいところです。
ダニの抗体に対して、乳児期には陰性でも数年すると陽性になってくる子どもが多いことや、アトピー性皮膚炎の湿疹の原因は非常に複雑で多因子から成っているため、血液検査だけでわかるような単純なものではないのです。
しかし、治療法は確立していますので悲観する必要はありません。
湿疹を悪化させる刺激を減らす環境整備や、和食中心のバランスのとれた食事、適切な薬物療法とスキンケアを実行すれば湿疹やかゆみのコントロールは可能です。