子どもが前向きになるために伝えたいこと 新型コロナウイルスの影響 ベネッセ教育総合研究所が子どもの生活・学びの困りごとに応えるシリーズ(8)

新型コロナウイルス感染症の影響による“非日常”が続き、子どもの生活リズムが乱れたり、学習が進まなかったり…。不安を覚えることが少なくないと思います。そこで、ベネッセ教育総合研究所/チャイルド・リサーチ・ネット(CRN)の木村治生主席研究員が、主に小・中学生の子どもを持つ保護者のかたに向けて、10回にわたって子どもたちの生活と学びについてお話しします。

●考え方によって不安は軽くなる

今まで当たり前にできていた勉強や習い事、部活動、学校行事、友達と遊ぶことなどができなくなり、ストレスや不安を感じている子どももいると思います。この状況で、子どもに何を伝えたらいいのでしょうか。

思うように学校に行けない状況は、個人の力では変えることができません。もし、不安やストレスで苦しんでいる子どもがいたら、「考え方を変えてみる」ということを提案するといいかもしれません。「今まで家庭でできなかったことができるチャンス」と、とらえるのです。
例えば掃除や洗濯、料理といったお手伝いは、将来の自立に必要な力を身につける機会になります。自分の好きなことや趣味に没頭したり、思い切り読書をしたりすることからも、多くのことを学べます。新聞やテレビ、ウェブなどから、答えが一つではない社会課題について考えてみるというのもいいかもしれません。親子で遊んでストレスを発散したり、日ごろはとれないコミュ二ケーションをはかったりすることも、家にいる時間が長くなったからこそできることです。

●学校や先生・友達の大切さに気づくチャンス

さらに、学校に通えない今だからこそ、学校や先生、友達の大切さについても親子で話してほしいと思います。学校は教科の内容を学ぶだけではなく、学校行事や部活動などを通して、社会を生きていくのに必要なことを学ぶ場でもあります。先生から学ぶ意欲を引き出してもらったり、友達から異なる価値観や考え方を学んだりすることも多くあります。それらは、自分ひとりで勉強しているときには得られない価値なのです。
その価値を理解した子どもは、学校が再開してから先生や友達からより多くのことを学び、彼らの存在をかけがいのないものだと思えるようになるでしょう。また、さまざまな活動が、自分の成長に役に立っているということがわかれば、活動の意義も大きなものになります。

保護者のかたにお願いしたいことが、一つあります。今の事態は、学校や先生にとっても初めてのことです。多くの先生が、限られたソースのなかで努力し、子どものために何とかしたいという思いは、家庭も学校も一緒です。今まで以上に、学校に協力をしていただければと思います。

上記記事はベネッセ教育総合研究所が運営するチャイルド・リサーチ・ネット(CRN)に掲載した動画をもとに作成したものです。
チャイルド・リサーチ・ネット(CRN)は「子どもは未来である」という理念を掲げ学際的、国際的な活動を推進する、インターネット上の「子ども学」研究所です。ベネッセ教育総合研究所の支援のもと運営されています。

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プロフィール


木村治生

東京大学社会科学研究所客員准教授(2014~17年)・客員教授(2021~22年)、追手門学院大学客員研究員(2018~21年)、横浜創英大学非常勤講師(2018年~22年)。
これまで、文部科学省、経済産業省、総務省などからの委託研究に携わるとともに、文部科学省審議会委員、独立行政法人国立青少年教育振興機構事業選定委員、内閣府調査企画委員会委員、埼玉県草加市教育委員会専門部会委員などを務める。
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