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総合監修:二瓶 健次 先生
各専門分野の先生の紹介
病気と予防アドバイス - 発疹・かゆみ
体温が上がったときに湿疹(しっしん)が出ます。何かのアレルギーでしょうか?
3日ほど前から、体に湿疹(しっしん)が出始めました。ずっと出ているわけではなく、お風呂に入ったとき、泣いたときなど、体温が上がったときにのみ出るようです。
湿疹の出る場所は、おなか、わき、顔、耳の後ろ、首、足とあらゆる所に出ています。特にここ最近変わったものを食べさせたということはなく、変わったことと言えば、1週間ほど前から、熱はなく、鼻水とせきのみの風邪をひいているということくらいです。湿疹は、少しかゆいようです。
これは何かのアレルギーでしょうか?
ある時間だけ皮膚に赤いボツボツが出たり消えたり、場所も移動するこの症状は、風邪によるじんましんだと思われます。
体が温まったときなどある時間にだけ、決まった場所ではなく体のあちこちに出るような赤いボツボツはじんましんです。
赤いボツボツというのは、多くは虫刺されのような少し盛り上がった赤い丘疹(きゅうしん)ですが、かゆいのでかくとそれがつながって線状、帯状になったり、地図状に広がったりします。そして、数時間以内に、多くは1時間くらいでいったん消えるのが普通です。
このような症状が数回出て、1ヵ月以内に治る場合は急性じんましん、発症してから1ヵ月以上続く場合は慢性じんましんといいます。
原因は、急性じんましんでは魚介類や卵など食物のアレルギーが多いとされていますが、実はそれだけではなく、風邪のような感染症によることが子どもの場合はとても多いのです。また、風邪のために飲んだ薬が原因という可能性もあります。
また、風邪をひいていなくても、どこかへ出かけたり、環境が変わったり、疲れがたまっていたり、精神的ストレスによって生じる場合もあります。
何か検査をすれば原因がすぐわかるというわけではなく、最近風邪をひかなかったかとか、何かいつもと違うものを食べたかとか、疲れがたまっていないかなどといろいろな要因について詳しく問診することによって、たぶん原因はこれらしいと推量するものです。
しかし、慢性じんましんでは原因がわからないことが多く、免疫の異常で起こるものもあります。
じんましんを起こす原因の中には、温熱にさらされたときにのみ出る温熱じんましん、寒冷にさらされたときにのみ出る寒冷じんましんなどもあります。
温熱じんましんは、熱いお湯に体の一部をつけてみるだけで、全身にじんましんが出ることで診断します。温熱じんましんでは、けいれんや脱力など全身症状を伴う場合もあります。子どもではめったに見られませんが、大人で高温環境で働く場合や、熱いお湯や熱風にさらされる場合などに見られることがあります。
治療は原因と思われることをできるなら取り除き、つまり風邪なら早く治して体調を元通りに戻し、抗ヒスタミン薬を内服します。
皮膚科、または小児科でご相談してみてください。