5歳までが効果大?音楽の習い事の「始めどき」年齢との深い関係
「音感が身についた」と感じるのは、音楽を6歳以降に習い始めた人より、5歳までに習い始めた人のほうが約1.4倍多い——これは、「音楽と子どもの成長に関するアンケート」で明らかになった結果です。
子どもの習い事は何歳から始めるのがいいの?と悩めるママ必読!音楽の場合の「ベストタイミング」を探っていきましょう。
5歳までのスタートが効果大!子どもの音楽の習い事
幼少期に音楽を習っていたママたちへのアンケートによると、音感やリズム感、表現力や集中力など、さまざまな力が身についたと実感しているようです。中でも5歳までに習い始めたママたちのほうが、6歳以降に始めたママたちよりも「力が身についた!」と感じる割合が2~3割程度も高いという結果になりました。
なぜとくに5歳までなのか、年齢ごとの子どもの発達の特徴や、音楽の習い事で得られるメリットを次でご紹介します。
3・4・5歳で音楽を始めるメリットは?知られざる音楽の効能
■「ごっこ遊び」に夢中になったら…音楽の習い事の始めどき
3歳ごろの子どもは、想像や空想が大好きで「何かになりきったり、その気になって表現したり、自分の世界に没頭したり、その場にないものをイメージして遊ぶ」のが得意。アンケートでも、「ヒーローものの悪役や、怪獣になりきって暴れるのが大好き♪」「幼稚園ごっこをして先生になりきっています!」「車のおもちゃやブロックに夢中で一日中やっています」といった子どもの様子が多く寄せられました。
感受性が目覚ましく伸びる時期なので、遊びの中で五感をフルに使って音楽に触れる体験を積み重ねることが大切。この時期に本物の音楽に触れることで、豊かな感受性がはぐくまれるといわれています。
■「聴く力」が最も伸びる4・5歳! 音楽を習うといいことたくさん
4・5歳は「聴く」力が最も伸びる時期だといわれています。「まねをすること」が上手にできるようになるので、言葉を覚えるようにドレミを覚えていきます。音楽を聴いて、歌って、弾いて、を繰り返すことで、すべての演奏表現の土台となる「音感」が身につきます。
音楽の習い事をやっている4・5歳の子どものママたちに、「音楽を習わせてよかった!」と感じたエピソードを聞いてみると、
「集中して何かをやり遂げることがなかった息子が、音楽を習い始めたことをきっかけに、物事をあきらめず、繰り返し取り組めるようになりました」
「片づけや身じたくなど、日常生活に必要なことを歌に。スムーズにできるようになりました」
「気の強い子で、我が強いところがありましたが、グループレッスンで協調性が身につきました!」
「幼稚園、保育園とはまた違ったお友だちができたり、コミュニケーションがとれるようになり、レッスンに通うのが楽しそう。」
音楽の習い事は、音感や演奏力、リズム感などの技術が育つだけではなく、あきらめずに頑張る力や集中力もはぐくまれるようです。また、お友だちと一緒のグループレッスンの場合は、相手を思いやる優しさや協調性が身につくというメリットもあるようです。
年齢別「一生モノの力」をはぐくむ音楽の始め方
音楽を始めるには、そのときの子どもの年齢や発達に合わせて、音楽に触れさせることがとても大切です。年齢別にポイントを見てみましょう。
■3歳:想像力は無限大
まだ発達に個人差が大きい時期なので、一人一人の表現意欲を大切に伸ばすために、全身を使って音楽を感じ表現するレッスンがおすすめ。この時期の子どもたちは「想像力」の発達が著しく、先生のまねをして歌ったり、体を動かしたり、打楽器や鍵盤楽器を使うなど、多様な音楽体験を重ねることで「表現したい」気持ちもぐんぐん高まります。音楽の習い事は、クリエイティブな感性の素地づくりに適したこの時期に始めるのが効果的だといえるでしょう。
■4・5歳:大きく伸びる耳の力
4・5歳は、耳の力が最も発達する時期だと一般的にいわれており、音楽の基礎力(=音感)をはぐくむのに適しているのがこの時期です。音感とはドレミ、拍子、リズム、強弱、調など、音楽を形づくるさまざまな要素を聞き取る力のこと。音感が身につくと、それは後に、豊かな楽器演奏力や表現力につながっていきます。このように身につけた力は、子どもたちにとって一生モノの財産の1つになるでしょう。
子どもにさまざまな力をつけてくれる音楽は、3~5歳が「始めどき」。まずは最寄りの音楽教室を体験・見学してみてはいかがでしょうか。
(取材・文 佐治 環)
※『ウィメンズパーク』調べ「音楽と子どもの成長に関するアンケート」
(2017年6月7日~19日、回答者数 946人)
(取材協力・出典)
ヤマハ音楽振興会 http://www.yamaha-ongaku.com/music-school/