非認知能力で最重要!「自己肯定感」を育むために、親が知っておきたいこととは?[ボーク重子さんに聞く]
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非認知能力を伸ばすためには、まずは健全な自己肯定感を育むことが最も重要だとボーク重子さんは語ります。レジリエンスに直結するといわれている自己肯定感の育み方について、お話を聞きました。
自己肯定感が低い日本の子どもたち
OECD諸国の子どもたちにアンケートを取ったところ、日本の子どもたちは、学力はあるのに半数以上が自分自身に満足できず、7割以上の子が自分はダメな人間だと思うと答えています。他国と比べて、日本の子どもたちは自己肯定感が非常に低いのです。自己肯定感というのは、自分自身を無条件に受け入れる気持ちのこと。良いところもダメなところもある自分を肯定し、そんな自分を尊重して行動していく気持ちのことだとボークさんは言います。
「私たちは条件を付けて自分自身を愛するようなところがあるんです。成績がいいから、全国何位だから、とかいった条件付きではなく、ダメなところも含めて自分には価値があると思うことが大事なんです。できないところも含めて自分。そんな自分がすごく大事、と思う気持ちを持つことです。ではどうやって、子どもにその感情を植え付けていくかというと、これは家庭での普段からのポジティブな声掛けが鍵です。言葉に出して伝える、ということはすごく重要です。
また、子どもを褒める時に結果じゃなくてプロセスを褒めること。成功であれ失敗であれ結果を出すために、子どもはいろいろな努力を積み重ねています。プロセスを褒めることで、子どもは、自分のことをしっかりと見ていてくれていたんだなと感じます。プロセスではなく、結果を褒めるとよくない理由もあります。結果を褒めると、次にできなかったらどうしようと、子どもがチャレンジをしなくなります。できない自分を受け入れられなくなるんです。プロセスを褒めることで、次に思うような結果が出なかったとしても、頑張った自分自身を認めてあげられることができます。目標を持たせてあげて、それをクリアさせるような助けになるような声掛けを意識してください。」
子どもの自己肯定感を損なわない注意の仕方
子どもが何か失敗をしたときに頭ごなしに叱るのでは、子どもの自己肯定感を下げることになってしまいます。では、どのようなことに気を付けたらよいのでしょうか。
「一度口に出して言った言葉は、取り戻すことができません。あんなこと言わなきゃよかったと後悔しても、取り戻すことはできません。子どもというのは、大人から見たらびっくりするようなことをやらかしちゃったりすることもあります。そういう時に、叱るのではなく、説明するということを意識してください。子どもの人格と行為を分ける、というのもとても大切なことです。子どもが悪いのではなく、やったこと、その行為が悪いのです。あなたは悪い子、というような言い方をしてはいけません。あなたは大好きよ、でもやったことはいけないことよ。そして、なぜそれがダメなのかを論理的に説明するようにしてください。万が一、後悔するような言い方で子どもを叱ってしまった場合は、謝ること。言っちゃいけないことを言ったよね、ごめんね、と子どもに謝ってください。」親でも間違えたら謝るという姿勢は社会性を育みます。
自己肯定感を育むために教科書的なマニュアルを読んでも、子どもは一人一人違うし、状況も千差万別。誰でも今日からすぐに始められる、意識の持ち方をボークさんに教えてもらいました。
「まずは保護者が、自分自身に対するポジティブな声掛けを意識することから始めてみましょう。自分に対する声掛けがポジティブであれば、自然と子どものいいところも見付けられるようになります。私もそうだったのですが、働きながら子育てをしていると、気持ちに余裕がなく、子どもとの関わり方が不十分なのではないかと落ち込むこともあるかと思います。そんな時も、なるべく自分自身との健康的な関わり方を心掛けてください。自分を追い込んだり責めたりするのではなく、自分のいいところを褒めてあげることも時には大切です。」
一回目
ボーク重子さんに聞く、非認知能力を伸ばすために家庭でやるべきこと
次回は、習い事についてお話を伺います。
「全米最優秀女子高生」を育てたボーク重子さんに聞く、子どもの習い事、何をさせる? やめたいと言われたときはどうする?
まとめ & 実践 TIPS
子どもの自己肯定感を高めることが、非認知能力の育成に繋がります。褒め方、注意の仕方など、子どもに対して声掛けをする際に意識してみましょう。言葉に出して伝えることの大切さも、心に留めておいてください。
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